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改革の鍵は顧客導入事例!第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(5/7)藤原仁志の「対談:攻める!環境部」

前回までの話はこちら 第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀 栄次 氏(4/7)

インフラとしてシステムを使っていくコーディネーションは、本当に素晴らしい

宇陀:変更のたびに毎回毎回、システム開発に1年かかりますでは、そのアイデアも何もかもが古くなってしまう。弊社の仕組みでは3日でできちゃうものもある。山梨県甲府市で採用された定額給付金のシステムも3日間でやったものです。

自治体の担当者にIDとパスワードを発行して、向こうで実際にさわってもらって、「ああ、これでいいね」という話になって、あとはここ直してください、っていわれて、東京でカチャカチャってやるみたいな感じでできてしまう。当然コストも、従来よりはるかに安くできました。

藤原:そうですよね。今おっしゃったように、モデルの違いというのはすごく大きいですね。私は、社員に対して我々のやっていこうとしているものが、これまでの30年でやってきたモデルを延長するようなものだったら、やる意味がないからやめておこうといってるんです。

宇陀:そうですね。

藤原:さっき宇陀社長がおっしゃったように、本当にモデルを変えるという発想はイノベーションそのものと思うのですが、大手の企業がこの発想を持つのはかえって難しいのではないかと思うんですけれど。そこは、御社ではどのように新しい発想や技術を市場に提案し提案していかれたのでしょうか?

第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(5/7)
イノベーションの敵は既得権益者。有効なのは顧客導入事例!

宇陀:これはあくまでも僕の考えなので、正しいかどうか分からないですけれども、やっぱり既得権益をもった人たちは、とにかく新しいものをなんだかんだと理屈をつけて否定しようとするところがあります。そのときにもっとも有効なのは、やはり導入事例です。お客さんの事例ですね。

概念とかアイデアとかコンセプトとかビジョンというのは、限られた人で語ることはできるわけです。でも、事業をやっている人間は、実例で勝負する。"私はこう考える"なんてあまり言わないわけですよ。"具体的にお客さんが取り組んだ、こういう事例がありますよ。だからこういう方向に進むと思います。"ぐらいのことしか言っていないんです。

藤原:なるほど、それはよく理解できます。特に新しいもので、モデルが根本から違うものは、従来の考え方からすれば、まずイメージができない。そこで私どもでは、御社のプラットフォームを使って、とやかくいわずにまずプロトタイプを創ります。このプロトタイプ作りは、プログラムがよくわかった社員よりも、やりたいことがイメージできる担当者が、御社のプラットフォームの使い方をある程度理解してつくるほうがよいものができますね。

必要な技術よりも、まずやりたいことがはっきりしていれば、活用シーンがはっきり見えてくるプロトタイプがつくれるんですね。そういう柔軟性が御社のシステムにあることがすごく強みだと思います。

宇陀:おっしゃるとおりです。車の免許を取るときにエンジンの構造とかを勉強しますが、その後はほとんど必要ないですね。それと一緒でね、それよりも、自分は車を運転して何を実現するか、したいのか。仕事でもいいしビジネスでもいいんですけれども。そっちにエネルギーを注力することが必要ですね。

僕はITがだんだんそういうふうになってきて、今まではエンジンの構造が分かっていて、それでタイヤだとかギアだとかを学んで、場合によっては自分を補助する人間がいないと車に乗っちゃいけないよ、みたいな世界が、IT分野だったんです。だけど今はあまり関係ないですよね。そういう時代になっている。御社が取り組まれている社会システムに近いようなものも、試みる価値があると思うんですよ、きっと。だけど、価値に届く手前でコストがかかりすぎて、結局そこで挫折しているんだと思いますよ。

次回「第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(6/7)」へ続く

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