環境×情報で社会基盤を作る:第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(7/7) | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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コラム

環境×情報で社会基盤を作る:第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(7/7)藤原仁志の「対談:攻める!環境部」

前回までの話はこちら 第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(6/7)

環境分野と情報分野の相乗効果によって、社会的なプラットフォームを構築していく

藤原:現在、私どもが始めているサービスは、メーカー向け、いわゆる排出事業者向けのサービスです。まずはそこに対するサービスから提供するのが重要と考えました。排出事業者向けのサービスで、静脈分野へのIT技術の活用はどういうものかという具体的なイメージをまず持ってもらって、それから御社の機能を活用していろんなサービスを迅速に低コストで開発していければと考えています。

宇陀:そうですね。地上資源っていいタイトルですよね。やっぱりこの言葉を本気でもっともっと浸透させるべきですね。エコというと何かあまりにも幅が広すぎて、今では何でもかんでもエコになってしまっている。消灯するのもエコ、ちょっと休むのもエコ、みたいなね。そんな感じでしょう。

そうすると何のことだか分からない。もっと明確に地上資源という言葉で、何か「え?」って、最初は何かなとおもうんだけど、それをメッセージとしてずっと一貫していくんですよ。そうするとみんな大体想像がつき始めますよね。 最近、クラウドコンピューティングっていっていると、そういうシステムを自社でも持ちたいっていう経営者がでてくるんです。でも、考えてみてください、グーグルみたいなシステム、自分の家で持つ人っていますか?そういうものを本気で持つ人がいたら道楽で、それは自分の家で機関車走らせるのと一緒ですよ。

藤原:なるほどね。その人は楽しいでしょうけれどね。

宇陀:だから、自分の社内になければならないものと、そうでないものとを区別していくということが必要だということなんです。社外のシステムを使うというと、だれが運用しているかわからないから、不安だという。でも今、新幹線を使うのに誰が躊躇しますか。確かに知らない人が運転していますけども。それ言い出したらきりがないですよね。タクシー乗るのもね、いちいちおなじみの運転手さんじゃないと危ない、なんていう人いないですよ。情報システムも同じですよね。自前のシステムにどこまで固執するのかと。

第2回対談 セールスフォース代表取締役社長 宇陀栄次氏(7/7)
自前主義の壁を如何に打破するか?

藤原:でも、組織の心理は複雑で、仮にシステムがダウンしたら「やっぱり社内で管理しててよかった。自社にサーバーがあるからすぐに対応できた」とかいって、わけの分からない納得感があるんですね。

宇陀:それを僕に言わせるとね、自動車も同じでしょう。トヨタやホンダ、日産が、ある一定の品質の自動車を責任もって大量生産しているから信頼できるのであって。例えば200台のカスタムメイドの自動車を、自分が知っている人がつくったからといって、それで高速道路を走る気しますか。やっぱり危ないですよ。自前主義って、そういうことをシステムではやってきたんですね。

藤原:弊社でASPサービスを開始したのは去年の9月16日なんですが、そのころにはサーバーはどこにあるのとか、あるいはアミタさんにうちのデータがたまっていくんだよね、とかいろいろと言われました。しかし、今ほとんどそれを気にする方はいらっしゃらないですね。クラウドという概念が出てきたおかげで、サーバー管理など重要なことはその道のプロに任せています、という方がむしろ安心感があります。弊社はシステム会社ではないので。

宇陀:だから私は最近思っているのは、情報というのは確かにいろんなルールを決めて管理するのはよいけれども、それを自分が管理責任を持って、自分で登録してということを、他人のサーバー上でメリットがあると思えばやればいいし、そうじゃなかったら消してくださいといえばよいわけです。

銀行の口座を持つのと同じですよ。お金がどこからか振り込まれる仕組みを見て、これはダメだよと。預けている銀行の行員がのぞいているんじゃないだろうなとかね。実際には見ることができますが、でもそれは悪用しないっていうのが前提にあるわけです。

当社の場合は、当社のサーバー上であっても、他社のデータは、一切見られない仕組みになってます。そんな心配する必要はまったくないわけです。お客さんの貸金庫みたいなものです。つまり中身を全部お客さんが管理されて、我々は外側の枠だけを管理するのであって、中身のデータはいっさい管理しないわけですよ。

藤原:なるほど。弊社も十数万社もあって、そのうちのほとんどが1億未満の売り上げだという静脈分野のマーケットにおいても、クラウドを活用することによって、他の大手と同様の管理レベルが実現で切る、営業ができる、業務ができるというようなプラットフォームが作れるし、それが社会的なプラットフォームにもなると考えています。

宇陀:それは本当にすばらしい仕組みだと思いますよ。

藤原:環境分野と情報分野というのは、最初は関連性が低いような気がされたかもしれませんが、こういう意味で大変大きな相乗効果を生むと思っています。今後も、是非一緒にサービス開発を支援していただきたいと思います。長時間ありがとうございました。

宇陀:こちらこそ。

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