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土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域について(2)土壌汚染とのオトナな付き合い方

※この記事は、土壌汚染対策法に基づく要措置区域・形質変更時要届出区域について(1)の続きの記事です。

3.要措置区域の割合は8%

要措置区域の割合を下図に示します。要措置区域とは、人の健康被害のおそれがある土壌汚染が存在するサイトのことで、措置が必要と法で定められています。要措置区域以外の土地は形質変更時要届出区域に指定され、こちらは現時点では人の健康被害のおそれがないサイトであり、措置は必要ありません。

全264区域のうち、人の健康被害のおそれがあると判断されたサイト、つまり要措置区域は全部で21件、全体の8%でした。この要措置区域の原因は、すべて土壌溶出量基準を超過した土壌、つまり地下水飲用の暴露経路を対象としたものです。

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全国平均で見ると、土壌汚染が存在しておりかつ、人への暴露経路が存在するのは大体8%程度、というになります。全国の生活用水における地下水依存率は21.7%(国土交通省(2007))と比較すると低くなっていますが、地下水を利用する地域(地方が多い)と土壌汚染調査が多い地域(都市部が多い)の差を考えると、これくらいかな、という気もします。

4.汚染物質別のよう措置区域指定割合:VOCやヒ素、ホウ素、フッ素が多い

こちらの図は汚染物質別の要措置区域に指定された数を示したものです※1。物質別では、移動性が高く、汚染物質の到達可能距離(環境省が一定条件下で計算した数字)が1000mと長いVOC(有機溶剤)、500mの六価クロム、250mのフッ素、ホウ素、砒素が多く、移動性が低く到達距離が80mと短い鉛、カドミウム等は1件と少ない状況で、汚染物質による差が顕著に出ています。

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※1:同一サイトで汚染物質が複数存在した場合は、到達距離が長いものをカウントした。

5.地域別の要措置区域指定割合:都市圏は少なく、地下水利用が多い地方で多い?

要措置区域は21サイトと数として少ないのですが、あくまで参考、ということで地域性の比較をしてみました。地域別の区域指定数(要措置&形質変更時要届出区域の両方)を下図に示します。

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区域指定数は東京、大阪、愛知、神奈川などが30以上と多く、地方部では区域指定された土地がゼロから1桁、という地域がほとんどです。

要措置区域の指定割合は、区域指定数とは逆に大阪、東京、神奈川、埼玉、愛知、兵庫等の3大都市圏を含む都道府県は10%未満と小さくなっており、鹿児島や熊本、静岡、山梨などで高くなっています。

なお、これらの割合が高い都道府県は区域指定されている数(n)が数サイトと少ないので、現段階ではあくまで参考程度、ということになると思いますが、地下水利用率が高いと想定される地方部で要措置区域の指定率が高くなっている傾向がうかがえます。

6.終わりに

土対法が改正されてから9ヶ月間の区域指定の状況、という限られた情報から、現状の評価を試みました。これらの中でも幾つかの面白い事実、要措置区域になりやすいサイト、というものが分かってきたかと思います。

このあたりは別途書きたいと思うのですが、個人的には要措置区域がどれくらいの割合で発生するか、というのが今後5年、10年の日本の土壌汚染の雰囲気、リスクベースによる汚染の管理に傾くのか、掘削除去等が主流である流れが変わらないのか、を決める一つの要素となると考えています。

その意味では、措置が必要な区域を明らかにしたということは、(結果として形質変更時要届出区域においても掘削除去がなされる状況が続いたとしても)、有意義な情報だと考えています。

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執筆者プロフィール

保高 徹生 (やすたか てつお)
京都大学大学院農学研究科 

博士前期過程修了、横浜国立大学大学院 博士後期過程修了、博士(環境学)。環境コンサルタント会社勤務、土壌汚染の調査・対策等のコンサルティング、研究を行う。平成19年度 東京都土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会 委員。

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