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自社の利益に繋がるCSRとは?(その2)―アミタ流CSRマーケティングのススメアミタ流CSRマーケティングのススメ

Some_rights_reserved_by_Tulane_Public_Relations.jpg前回では、企業によってCSR事業そのものをブランド戦略としての意味付けることがまずは大切であることをお伝えしました。そのためには、企業における現在の事業を4つに分け、戦略上予算をどう振り分けるか、バランスを問うことが重要です。

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4つの基本事業とCSRの位置づけ

例えば、自動車関連の企業に例を置いて4つに分類してみましょう。

  1. 主力事業(例:自動車・バイク)
  2. 補助事業(例:農機等)
  3. 開発事業(例:アスモ)
  4. 刺激事業(例:F1)

主力事業は言葉通り、メインの収益事業であり事業規模(収益性)の最も高い事業です。

補助事業というのは、開発から出てくる商品サービスであり、将来的に主力事業になる可能性のある事業の事を差し、事業規模や収益性に対しては、主力事業の次の立ち位置になります。

さらに、開発事業というのは、それ自体収益性が高い場合は補助事業へ、あるいは収益性というよりも企業インパクトを与える事業なのであれば刺激事業へと分類します。例えば、「企業の森」等の社会貢献活動に位置づけられている活動も、あくまでも単純なるイメージアップだけではなく、開発事業か刺激事業かのどちらかになります。

企業として戦略を考える上で、短期ではどういうコストがかかり、それがどのような主力事業等との関係性があるか、そして中長期的には、どのように主力事業、補助事業となるのか、といった2つのイメージを整理(図式化&数値化)しなければなりません。

CSRが企業の中長期的な収益を生み出すワケ

もちろん、企業ブランディングというのは、

  1. 会社組織としての高い信頼性
  2. 商品力としての圧倒的な差別化

があってこそ、マーケティング(ブランディング)戦略を策定する前提条件となり得ます。

あくまでも、中長期的な利益につながるためのポジショニング(立ち位置)を事業として、CSRとしても、戦略を生みだせねばならいのです。よって、CSR活動の「位置付け」と云うのが大切なのです。

確かに、現状CSR活動を取りまとめる部門は短期的には「コストセンター」です。しかし、企業全体のブランディングを考え、他の事業との関連性を明確に描くことで、「健全な赤字事業」を継続し続けることにより、中長期的な収益になるというビジョンを描き実行したときには、長期的な「投資部門」であるといえます。そのための具体的な方法が「CSRマーケティング」なのです。

(第3回に続く)

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執筆者プロフィール
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古川 大輔 (ふるかわ だいすけ)
株式会社トビムシ 経営コンサルタント/マーケティング統括
ブログ:地域再生・森林再生コンサルタント日記

東京大学大学院修了後、株式会社船井総合研究所入社。地域ブランド創造チームを設立し、主に、観光、農業、林材・住宅の経営コンサルティング・マーケティングに従事。地域振興、木材振興に関するセミナー・講演多数。アミタ持続可能経済研究所客員研究員を経てトビムシに参画。 奈良県吉野郡川上村の観光PRの「かみせ大使」でもある。

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