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コラム

健康経営は強力なBCP対策、中小企業こそ取り組みを陽平さんと考える、みんなが喜ぶ「オフィスと環境」

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前回は、コミュニケーションが働く人の心の健康を守り、『いつでも』『すぐ』『社外でも』コミュニケーションできるオフィス作りが、有事の際のBCP対策にもつながる、とお話しさせていただきました。今回は、身体の健康にスポットを当ててみたいと思います。


健康経営で従業員満足度を上げる

少子高齢化で生産人口が減少することが明らかな中、一般社団法人日本経済団体連合会でも企業行動憲章実行の手引きで、「従業員の安全と健康の確保は企業経営における最優先事項の一つ」と位置づけています。

長時間労働等に端を発する体調不良による従業員の欠員の影響の大きさは、多くの経営者や管理職の方が実感されていることと思います。周囲の従業員への負荷の増大から体調不良の連鎖が始まることもあります。生産性向上と長時間労働の解決という一見相反する課題の解決は、非常に難しいものですが、経営の強い意志でオフィス環境を大幅に変えたことで、効果をあげた事例をご紹介します。

健康は利益の源泉 ~宏輝株式会社の事例~

従業員60名の製薬会社である宏輝株式会社では、経営が従業員に求めていることは、「長く働く中で良いパフォーマンスをあげること」「製薬会社の従業員として健康であれ」ということでした。しかし都心の駅近辺のオフィスでは、外食後にまた業務に戻る従業員も多く、長時間勤務の解消が課題となっていました。

同社の理念としてオフィスは『事務所』ではなく『アイディアをお金にするところ』であり、引きこもらずに思考を広げ、目線を上げるべきということから、オフィスを平成22年11月に移転、その際経営のメッセージを様々な形にしたのです。

新しいオフィスに1歩足を踏み入れると、正面の床から天井までの窓から見える木々の緑に圧倒されます。高層で緑が見えるオフィスはあっても、間近に木の肌が見えるオフィス環境は得がたいものです。そして、このオフィスでは、既存の天井の蛍光灯が一切使われていません。LEDのデスクライティングシステムで1日の時間帯に合わせて色温度を変える仕掛けにより、まるで自然光の中で仕事をしているような感覚です。

【床から天井までの大きい窓】

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写真提供:宏輝株式会社

ライティングシステムの効果は絶大で、日が落ちると自然に『帰ろう』という雰囲気になり、かつての環境からは想像がつかないくらい、夜にはオフィスに人がいなくなりました。天井高が4メートルと高く、管球交換もままならない環境から導入したのがきっかけとはいえ、不眠症が治った従業員もいるなど、期待以上の効果だったそうです。

また都心でありながら最寄駅から徒歩10分の立地になったため、従業員が歩くようになり、天井の高い空間のため、人の身長分の高さまで効果があれば良いとの考えで床下空調を導入したところ、光熱費が前テナントの4分の1程度まで削減でき、環境への貢献も叶いました。

【時間帯によるオフィス内の変化】

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既存の天井照明は利用せず、光源はデスクに設置されたライティングシステムとタスクライトを利用。時間帯により、光の色が変わる。

写真提供:宏輝株式会社 取材協力:株式会社岡村製作所
体で感じて、誇りを持って働く

このオフィスは、2011年日経ニューオフィス賞クリエイティブオフィス賞をはじめ、環境省省エネ・照明デザインアワード2011等を受賞しました。

そして驚くことにオフィス内には時計がありません。時計を見ながら時間で仕事をするのではなく、体の感覚と対話しながら仕事のリズムを作るのが目的です。労働時間が適正化される一方で、生産性は低下することなく、むしろ業績は伸びています。

また、引越し当初は立地の利便性に社内ではかなり苦情があがったそうですが、様々な人がオフィス見学に来る等、世の中から評価されることが続くことで、自分たちは魅力あるオフィスで健康的に働いているという社内認知も高まり、従業員が誇りを持って仕事をすることに繋がっています。

今回のオフィスは大成功でしたが、若干静か過ぎて緊張が高まるという意見も寄せられているそうです。メンタルケアの取組みとして、オフィスでリラックス効果等が期待できる「BGM」を流すことも企画されているそうで、オフィスの進化は今でも続いています。

【移転前後の施策と効果】

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従業員の健康はBCPに直結。中小企業こそ積極的な取り組みを

宏輝株式会社では、経営の『従業員には長く働く中でよいパフォーマンスを』という意志と従業員が『健康で誇りを持って働ける』という結果が見事に一致しましたが、実はBCP対策にも非常に有効なオフィスです。

  1. 1Fにあって窓から外の状況がダイレクトにわかる
  2. 階段を使わずに済み、避難動線が短い
  3. 身体で感じた情報で、すばやく動くことができる

平時から企業の足腰を鍛えておくことが、非常時に力を発揮する、と何度も申し上げてきましたが、有事の際、従業員が健康であることは、第一条件です。健康とBCPのふたつの重要な経営課題を解決するオフィス、いかがでしたでしょうか。

次回はBCPに対する心構えをテーマにお話しします。

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執筆者プロフィール
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小川 陽平 (おがわ ようへい)
株式会社コスモスモア
取締役


1986 年同志社大学卒 同年株式会社リクルートコスモス入社(現 株式会社コスモスイニシア)、1992年に株式会社コスモスモアに転籍、その後管理部門の責任者として従事、2007年 株式会社コスモスイニシアのグループ戦略室兼務を機に、環境を軸とした企業活動を開始。 2年間でエコピープル取得率約60%を実現、自社独自の環境報告書(サスモア)の創刊、建設業界初のカーボンオフセットの商品化等を手掛け、社外コンクール等を受賞。2011年4月に発足したCSR推進室 室長を経て、2012年6月に取締役に就任。

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