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コラム

土壌汚染対策法だけでは、不十分だとしたら・・・知って得する、土壌汚染の新常識

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前回は改めて土壌汚染浄化の必要性についてお話いたしましたが、今回は土壌の調査・浄化についてご案内します。

土壌汚染対策法(以下、土対法)が施行されて以来、その指針に従って調査や浄化を行うことが当たり前のようになってきました。法律ですから当然といえば当然ですが、実はこの土対法に書かれている方法が実際の土壌汚染を調査・浄化をするにあたり不十分なものだとしたらどうしますか?

土対法の課題

土壌汚染対策をゼロから開発してきた経験からお伝えすると、土対法に記載されている調査方法は土壌汚染浄化をするために十分な情報を得られる内容になっておらず、結果的に浄化を果たすことはできない、または非常に難しいものだと感じます。

例えば有機溶剤は、その特性上、地面に染みこむと基本的に真下に落ちていきます。そして土壌ガスとしての影響範囲は、浸透地点を中心におおよそ直径5mの範囲に収まってしまいます。土対法では10mメッシュの区画で試料を採取することになっていますが、10mでは網の目が大きすぎて汚染を見逃す可能性があります。汚染を見逃すとどんなに優れた対策技術を用いても、いつまでたっても汚染が浄化されないという状況が生まれてしまいます。

まずは正しい調査ありき

どうしても対策(浄化)は技術に目が行きがちになり、調査は「どうやっても同じ」とその重要性を十分に認識されない風潮です。ですが、実は、土壌汚染対策で一番重要なことは、抜けや漏れのないしっかりとした調査を行うことなのです。

土壌汚染は大地の病です。医師の(地質家)による検査や診断を受け、最適な処方箋が発行されなければ病気を根治することも延いては社会復帰すらできません。

次回は、「効率良い調査手法と本当に必要な調査結果」というテーマで、小さなメッシュで調査をしても、調査地点数が増えても、低コストかつ短時間で調査が実現する技術をご紹介します。

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執筆者プロフィール
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鈴木 喜計 (すずき よしかず)
君津システム株式会社
代表取締役

1973年君津市役所に入所。31年間公害問題の調査研究・技術開発に従事し、土壌・地下水汚染の調査手法や浄化技法の開発・検証・普及に努める。いままでに実施した地質汚染調査・浄化の実績は海外を含め100件を超え、240もの学術論文/研究発表、13巻の著書(共書)を持つ。その専門性が認められ、平成9年に起こった日本初の地下水汚染事件での鑑定人や平成14年土壌汚染対策法での国会参考人を担当、土壌環境基準設置委員(環境省)、廃棄物処理法改正委員なども歴任した。平成16年に「君津システム株式会社」を起業し現在に至る。

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