2010年改正廃棄物処理法「第21条の3」認識調査結果 | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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コラム

2010年改正廃棄物処理法「第21条の3」認識調査結果アンケートから考える、2010年改正廃棄物処理法「第21条の3」の問題点とは

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アミタグループでは長年にわたり培ってきた産業廃棄物処理の経験を活かし、さまざまな企業の廃棄物管理業務をお手伝いするコンサルティングサービスを実施しています。その中で、最近、建設廃棄物に関する 2010年の廃棄物処理法の改正(廃棄物処理法第21条の3)内容について相談をいただく機会が増えています。(改正内容詳細はこちら

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そこで、アミタグループと環境新聞社は、共同で「企業の環境担当者」と「自治体の担当者」間での認識の異なる点等について調査し、法改正の運用状況の課題が明らかになりました。そこで、今回は、本アンケートの実施概要と企業向けアンケートの調査結果についてお伝えします。

共同アンケート概要

【調査名】
2010年改正廃棄物処理法「第21条の3」認識調査

【実施者】
1)アミタ(企業の環境担当者への調査を担当)
2)環境新聞社(自治体の担当者への調査を担当)

【対象と有効回答数】
1)企業の環境担当者:117名(109社)
※アミタ「おしえて!アミタさんメールマガジン」(9,965件)と株式会社アミタ持続可能経済研究所の堀口が運営するブログ「議論de廃棄物」の読者宛メールマガジン(502件)で告知
2)廃棄物処理業の許可を与える全国111自治体のうち59自治体

【実施時期】
1)企業の環境担当者:2012年11月7日~11月21日
2)全国111自治体の担当者:2012年11月15日~11月30日

【主な調査項目】
1.ある工事について、建設工事に該当するかどうかの認識を問う項目
2.建設工事に伴って排出される廃機械器具の排出事業者が誰かについて認識を問う項目
3.建設工事の定義について、国が十分に説明しているかどうかの認識を問う項目 等

企業向けアンケート回答者概要

本アンケートにご回答いただいた企業の環境ご担当者様は、発注者として建設工事に関わることのある方が62%、元請業者として関わることのある方が22%でした。

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企業向けアンケート結果サマリー(1)排出事業者の判断について

廃機械器具についての取り外し作業については、半数以上の企業の環境ご担当者様が「発注者が排出事業者に成り立ちうる」と考えていました。


Q:建設工事に伴って排出される(取り外される)廃機械器具について、発注者は取り外し作業のみを委託したと考えて、発注者が排出事業者になるとの解釈は成り立つと思いますか?

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企業向けアンケート結果サマリー(2)建設工事の該当、非該当の判断について

建設工事に該当するかどうかの判断は、具体的な事例によって分かれる結果になりました。この判断を間違えることは違法行為につながりますので重要な部分ではありますが、現場での認識が統一されていないことがわかりました。


Q:建設工事の該当性の判断についてもっとも適切と思われるものをそれぞれ選択してください。

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企業向けアンケート結果サマリー(3)建設工事の判断に迷う事例

自由回答では様々な判断に迷う事例の回答をいただきました。また、判断基準がわからないという声も寄せられています。


Q:建設工事であるかの判断に迷う事例がありましたら、具体的に記入してください。(自由回答結果)

  • 空調機器(フロン設備)に新設、撤去工事
  • 工場の土間に砂利を敷く工事
  • 超重量物でクレーンを使って敷地内に入れたが、地面にも建物にも固縛しないで置くだけの事例は「工事」かどうか
  • クルマをジャッキアップするだけの行為
  • お寺の吊り鐘の撞木のように、綱で吊っただけの固定行為
  • 上下水道工事、空調工事、貯蔵施設、駐車場、照明設備、設備導入、設備移動、建家補修、等
  • 電気工事の際の壁紙の張替え
  • 老朽化したポンプなどの交換
  • 設備機械のオーバーホール
  • 機械器具の消耗品(フィルター類など)の交換作業
  • 損耗部品(計器類など)の交換作業や改修作業



企業向けアンケート結果サマリー(4)建設工事の定義について

建設工事の定義について、国からの説明が十分であると答えた方は2%に留まりました。定義の認識が広く周知されていない中で現場では都度判断している状況であることがわかりました。

Q:建設工事の定義について、国は十分に説明していると思いますか?

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自治体の認識は?

以下の図をご覧いただくと、個別事例の自治体の判断は、企業のご担当者様と異なることがわかります。特に、家庭用燃料電池(エネファームなど)を戸建住宅の屋外に設置する工事では、企業の環境ご担当者様の49%が「該当しない」と答えているのに対し、自治体の担当者で「該当しない」と答えたのは2%と大きな差がありました。


Q:建設工事の該当性の判断についてもっとも適切と思われるものをそれぞれ選択してください。

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一方、建設工事の定義についての国の説明は、自治体の担当者も51%の方が不十分だと回答しており、この点については企業の環境ご担当者様と同じ意見のようです。(自治体向けアンケートの詳細結果は2012年12月19日発売号の環境新聞社本紙に掲載されています。購読等のお申し込みはこちらをご覧ください。)

Q:建設工事の定義について、国は十分に説明していると思いますか?

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次回、本アンケート結果について、アミタ持続可能経済研究所の堀口がさらに考察を行います。

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