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コラム

日常的に働き方をトレーニングすることがBCP対策陽平さんと考える、みんなが喜ぶ「オフィスと環境」

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前回は、「従業員の健康がBCPに直結している」取り組みについて、お話しさせていただきました。今回は、「BCPに対する心構え」にスポットを当ててみたいと思います。




クリエイティブオフィスとBCP

日本は先進国の中でもいち早く少子高齢化を迎えており、労働生産性の向上は喫緊の課題です。そうした観点に立って、経済産業省の主導で産学官が一体となって進められている「クリエイティブ・オフィス」という取り組みがあります。

最近では、ICTの進化によって「オフィス」の捉え方も変わってきています。ネットワークでつながったバーチャルな空間を含む「ワークプレイス」という考え方も広まってきました。多くの企業で、在宅勤務やモバイルワーク、サテライトオフィスでの勤務など従来のセンターオフィスだけでなく、これらのテレワークも含めた多様な働き方を取り入れた検討が進んでいます。

テレワーカーの数は1,000万人以上ともいわれており、昨年の東日本大震災以降はBCPの観点からも注目されています。そこで、3.11以前から日常的なトレーニングを実施することで、効果をあげられている「株式会社竹中工務店の事例」をご紹介します。

株式会社竹中工務店の事例

【移転後の施策】
2004年本社移転以降、多くのハード面の施策を進化させ実践されてきました。ハード面もさることながらソフト面の充実が株式会社竹中工務店の特徴です。ワークプレイスプロデュース本部というオフィス計画の専門チームがあり、それぞれのお客様における『望ましいオフィス環境』の提案と実現を本業としながら、社内においても『組織と個人を活性化するための社内の小さな改革』を日常的な取り組みとして実践されています。

通常だと「現状把握から着手」と考えがちですが、「ゴールの確立と体制の構築」から理想とすべきオフィスづくりにアプローチする方法で現在のオフィスを構築されました。フロアの真ん中に階段を設置し、コミュニケーションの円滑化を重要視されている事例は、成功事例として他社でも多く取り入れられています。

建築物を法的に設計してからオフィスづくりを実施する、従来の「アウトサイド・イン」から、働くスペースを最適化してから建築物を設計する「インサイド・アウト」型へ進化させたのも大きな特色です。

オフィスづくりで特に重要なのは、最初の段階の「ゴールの確立」で、これについては以下がポイントとなります。

  • 上位課題とリンクしたゴールを確立する 
  • ゴールは経営層と共有する 
  • 設定されたゴールとコンセプトを見える化し関係者で共有する 

ゴールの確立は、オフィス移転などのプロジェクトのみならず、日常のワークプレイス改善でも同様で、竹中工務店では、小さなプロジェクトでもゴールを明らかにし、そのゴールを実現するために実施すべき項目を整理して皆で共有されています。以下は竹中工務店でのオフィス改善プロジェクトで、そのひとつの事例です。

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【その後の充実(働き方)】

オフィスづくりにおいては、平常時から「BCPに対する心構え」を持っておくことが、BCP対策にも非常に有効です。ソフト面の充実は、震災後、「空間(場)のもつ力と働き方の意識変革」にも及んでおり、「非常時の経験を生かし、事後の行動を考えること」で、効率的なBCP対策を実現されています。3.11が働く環境に与えたダメージを考察し、既存のマニュアルが機能しなかった課題を解決する取り組みはどの企業にも参考になると思います。

『震災時、既存マニュアルでは、程度や事象が様々であるから機能しない』。多くの企業が体験した震災経験を活かし、「非常時に広い視野でフレキシブルな行動が取れるようにするための日頃からの行動シミュレーション」として、日頃から社外パートナーとの活動や社会活動等を積極的に行うことが求められています。 これらの日頃からの行動シミュレーションがいざという時に役立つことになります。

また、企業内においても、例えば「オフィスの中心にある見通しのよい階段こそがコミュニケーションのための重要なオフィス機能である。」として、階段を中心とした場を活性化させたり、組織を超えたメンバー間でのコミュニケーションが自然発生しやすい環境にしています。これは、「企業キーマンが有事の際に、組織を超えて直ぐ行動できるようなトレーニング」として非常に効果的です。

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空間を共にする共創

以上、株式会社竹中工務店の取り組みをご紹介しました。自社ビルでのBCP構築は「インサイド・アウト」型のオフィスづくりが容易であり、テナントとしてオフィスを構築する場合は参考にならないと思いがちですが、私はそうではないと考えます。

移転の際、「経営課題とリンクした実現したいゴール」を事前に定め、テナントとしてビルの検証をする際にハード面、ソフト面がどれくらい実現できるかの観点でビルを選定することが有効です。移転を決定した後でもその限られた制約の中「インサイドアウト」の観点で設備の追加等プランニングを行うことはできます。そして、入居の後の運用として「BCPマニュアル」に頼ることなく、平時から従業員が非常時をイメージしながら働くこともBCPオフィスの構築として有効な手段となります。

しかしながらオフィス構築の担当の方や専任がいない場合のプロジェクトメンバーの方が前述の課題を全て抱えて、「判断」、「調整」することは現実的に難しいのではないでしょうか。ICTの進化、ファシリティの変化に精通した外部パートナーと日常的に情報を交換し、平常時からその施策を社内で検討し、年度毎出来る限りBCPオフィスの構築を進めて行くことが、有事の際にも適応できる重要なポイントと考えます。是非チャレンジしてください。

次回は、従業員の働く意欲を高めるNPOとのパートナシップをテーマにお話します。

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執筆者プロフィール
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小川 陽平 (おがわ ようへい)
株式会社コスモスモア
取締役


1986 年同志社大学卒 同年株式会社リクルートコスモス入社(現 株式会社コスモスイニシア)、1992年に株式会社コスモスモアに転籍、その後管理部門の責任者として従事、2007年 株式会社コスモスイニシアのグループ戦略室兼務を機に、環境を軸とした企業活動を開始。 2年間でエコピープル取得率約60%を実現、自社独自の環境報告書(サスモア)の創刊、建設業界初のカーボンオフセットの商品化等を手掛け、社外コンクール等を受賞。2011年4月に発足したCSR推進室 室長を経て、2012年6月に取締役に就任。

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