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コラム

第2回:循環基本法と廃掃法のせめぎ合い堀口昌澄_連載「揺らぐ廃棄物の定義」

Some_rights_reserved_by_andyarthur.jpg本連載シリーズでは、廃棄物関連のコンサルタントや研修を数多く実施してきたアミタの主席コンサルタントの堀口昌澄が、連載12回を通じて、「揺らぐ廃棄物の定義」について解説します。 廃棄物を取り巻く法の矛盾や課題を理解することで、今後起こりうる廃棄物関連法の改正への先手を打つことができます。
今回は、循環基本法と廃掃法における廃棄物の判断の違いについて解説いたします。

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3R推進に向けて制定された「循環基本法」とは

2000年の通常国会では、循環型社会形成推進基本法(以下、循環基本法)はじめ多くのリサイクル関連法が制定、改正された。廃棄物は焼却、埋立されるもの、という前提に立った法制度から、3Rを推進する方向に大きく舵を切った年ということもできるだろう。特に循環基本法では、廃棄物(無価物)以外にも人の活動で副次的に得られたもの(有価物)も「廃棄物等」と呼び、従来の廃棄物関連法制度の対象を広げたのである。そして「廃棄物等」の3R、循環的利用を促すことになっている。循環型社会を実現するためには、廃棄物処理法のように「有価物か無価物か」という判断基準だけでは不十分だという考え方である。

現在の有価物を含む「廃棄物等」の規制について

循環基本法は基本法であるため事業者に具体的な規制や義務を課しているものではない。したがって循環基本法の考え方に基づいて順次個別法が整備されるべきである。実際、資源有効利用促進法やその他のリサイクル関連法は、廃棄物処理法の「廃棄物」の概念にとらわれずに制度設計を行っている。本来、生活環境の保全を目的とする廃棄物処理法としても、有価物であろうと生活環境の保全に影響があるのであれば規制対象とすべきである。実際、有価物を不適切に処理して問題を起こしている例は多数あり、規制の空白地帯になっている。そのため、有価物も法の対象とするべく検討されたことがあるが、根強い反対もあり実現には至っていない。

「廃棄物等」を廃棄物処理法で規制するためには

「廃棄物等」を「廃棄物」を差し替えてみた場合

では、「廃棄物等」を現在の廃棄物処理法の「廃棄物」に単純に差し替えることはできないのだろうか。

実は「廃棄物等」の概念の意味するところは思いのほか広い。たとえば「廃棄物等」には「一度使用された物品」つまり中古品も含まれていて、循環基本法ではこれの再使用を促している。しかし再使用されるものに現在の許可制度、契約書、マニフェストを適用させるのは不適切だろう。したがって「廃棄物等」を廃棄物処理法に取り込むためには、新法制定にも匹敵する改正作業が必要かもしれない。

廃棄物処理法を改正するとしたら

改正のためにはまず「廃棄物等」とそれを扱う「行為」を、生活環境の保全上の支障が生じる可能性に鑑みて分類しなおす必要がある。

例えば、有価物を扱うのであっても従来の処分行為に類するもの、リユースのための修理、洗浄、積替え保管で対応されてきた解体、分別、保管行為などが規制対象と考えられる。ただし、リユースやリサイクルを阻害しかねない過剰な事前規制とならないようにしたい。当然、現在の処分業の許可より要件を緩和するべきだが、汚染を発生させた会社に対しては厳しく対処しなければならない。既にリサイクルするために処分業の許可を受けている会社も同様である。

リデュースについてはどうだろうか。
多量排出事業者は減量、処理計画を作成しているが、食品リサイクル法と異なり数値目標はなく、対象となる事業者も限られている。資源有効利用促進法に委ねることもできるが、廃棄物処理法としてより多くの排出事業者を対象とした3R促進施策を講じることも検討したいところだ。

次回は、家電リサイクル法から見える廃棄物の定義について解説いたします。

※本コラムは、環境新聞にも連載中です。

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執筆者プロフィール

堀口 昌澄 (ほりぐち まさずみ)
アミタ株式会社 
環境戦略支援営業グループ CSRチーム 主席コンサルタント(行政書士)

産業廃棄物のリサイクル提案営業などを経て、現在は廃棄物リスク診断・廃棄物マネジメントシステム構築支援、廃棄物関連のコンサルタント、研修講師として活躍中。セミナーは年間70回以上実施し、参加者は延べ2万人を超える。 環境専門誌「日経エコロジー」にも連載中。環境新聞その他記事を多数執筆。個人ブログ・メルマガ「議論de廃棄物」も好評を博している。大気関係第一種公害防止管理者、法政大学大学院特別講師、日本能率協会登録講師。

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