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コラム

持続する復興支援|モノとお金と人の気持ちが循環するマルシェ①持続する復興支援

marche_1-001.jpg今回は岩手県の食関連事業会社、有限会社 秀吉の食材事業部 渡邉 里沙様にお話しをうかがいました。

渡邉様は地域と都会が交流を通じて共に活性化するため、2009年にS-FARMという食材販売サイトを、また東日本大震災後は被災地の生産者支援のため、食材のオーナー制販売「Olahono」を立ち上げた社会起業家です。特に震災後は、復興と事業の両立を目指した様々な取り組みを実施されています。アミタグループは、渡邉様の活動に共感し、2011年5月から震災復興支援活動の一環として、S-FARMと共に岩手の野菜や特産品を社内で販売する「あみたんぼマルシェ」を実施しています。

インタビューでは、東北と都会の持続可能なしくみ作りや、企業への期待・連携案等についてお話いただくとともに、「あみたんぼマルシェ」を運営するアミタ(株)の笹本なつ美から企業における導入効果等をお伝えします。業種や企業規模に関わらず取り入れられ、社員にも社会にも役立つ息の長い東北支援策として、ぜひご参考ください。

【持続する復興支援】モノとお金と人の気持ちが循環するマルシェ
第1回 第2回 第3回

サイト立ち上げは地元食材の価値をもっと伝えたいという強い想いから

Q まずは岩手で食材販売サイト(S-FARM)を立ち上げられた経緯を教えてください。

marche_1-002.jpg渡邉氏:私は岩手出身で、父が地元で飲食店を経営していたこともあり、幼いころから「食」を身近に感じてきました。大学進学時に上京した際、都会の食べ物の味、鮮度に対する違和感をもったのです。岩手で食べていた時の味と、何か違うと。卒業後、東京で約5年働きましたが、環境問題にずっと関心があり、食を変えることで環境も変えることができればと、2008年に退職して岩手に戻りました。最初は生産者になるつもりでしたが、多くの地元生産者の方から止められました。「生産者になっても今の市場には売り先がない」と。なぜだろうと考えるうちに、情報発信が不足していることに気づきました。岩手には農薬を使わない栽培等、付加価値が高くおいしい生産品がたくさんあるのに、地元では当たり前のため、あえて発信していない生産者さんが多いんです。それなら、おいしくて健康にも環境にも配慮されている素晴らしい地元の食材の価値を私が伝えて、お客様を増やすことで、地元を元気にしようと思ったのが、サイト立ち上げのきっかけです。実家が経営する会社の新規事業という形で、S-FARMを始めました。

震災時の被災地支援から生まれた、新しいマルシェの形

Q 東日本大震災時に渡邉様はどのような状況だったのですか?

marche_1-001.jpg渡邉氏:私が住む盛岡市は津波の被害はなかったですが、地震の揺れは大きく、停電もあって、正直何が起こったかしばらくわからなかったです。被災地に近いところほど情報が入ってこず、周りの安否確認や自分の安否連絡もままならない状態でした。携帯も使えない状況でしたが、少しずつ入る津波の被害情報に、被災地にいて比較的被害が少なかった自分だからこそ、できることがあるはずだと思うようになりました。当時は物流が寸断され、物資はもちろんガソリンも足りず、食糧を調達するのも大変でした。飲食店を経営しているのでその備蓄食材を店舗前で販売させることから始めました。また、ディーゼルの4tトラックを地元の乗馬施設から借りて、比較的日持ちがいい米や白菜等を積んで、物資の補給が不足している地域に運搬してまわりました。会社自体は東京のお客様が多く物流が止まったことで事業活動ができなかったこともあり、しばらくは被災地沿岸部に食糧を届けることに専念しました。そんな中、私が東京で参加していた環境サークルのメンバーから、沿岸部までの運送費を寄付してくれるというお話が届きました。その中に、アミタグループの社員の方が数名いたんです。

笹本:現地にいない私たちに今できることは、現地に物資を届けられる渡邉さんの後方支援だと、皆で寄付を集めて届けました。寄付は、いつどのように使われるかわからないものもたくさんありますが、渡邉さんからは、「今日は何をどこにどのくらい届けることができた」という報告が毎回あり、信頼できる仲間が現地にいて、みんなの想いをカタチにして必要なところに届けてくれていることに、本当に感謝しました。

写真:震災時、飲食店前での販売の様子

復興支援活動として2011年5月末から今でも継続する「あみたんぼマルシェ」

Q その取り組みが、どのようにアミタでの社内マルシェにつながっていったのですか?

marche_1-004.jpg渡邉氏:福島原子力発電事故の影響が明らかになるにつれ、実際には安全な食材についても風評被害が大きく、東北産食材というだけで敬遠されることもしばしばありました。そこで、アミタの笹本さんたちに相談したのです。

笹本:渡邉さんから相談を受け、渡邉さんの友人でもある広報部門の社員が、会社の復興支援の一環として社内マルシェである「あみたんぼマルシェ」を企画しました。S-FARMから野菜や特産品を週1回直接購入し、有志社員が仕入れ価格で社内販売するのです。震災から2か月半くらいたった5月の末にスタートしました。正直はじめは、社員が買ってくれるか不安もありましたが、渡邉さんが現地の情報をきちんと説明してくれるので、大丈夫だと信じました。

震災後、アミタグループは現地でボランティア活動や、寄付金を内外から募る等の支援活動を行い、また本業として災害廃棄物の処理提案や地域の復興支援モデル構築等の検討を進めていましたが、実際の事業を立ち上げられるのはまだ先のことでした。そんな中、すぐに始められて、B toB企業でも現地の人たちと直接つながれるマルシェは、離れた地域からの資金や物資提供だけで終わらない、共感とネットワークが広がるアミタらしい取り組みになったと思います。

第2回は社内マルシェ導入の企業メリットと、被災地への効果をお伝えします。

プロフィール

marche_1-005.jpg渡邉 里沙(わたなべ りさ)氏

岩手県盛岡市生まれ。大学進学と共に東京へ状況。その後一時関西の大学院へ進学し、就職後再び東京へ。大手ビジネスコンサルティング会社へ入社し4年間勤務した後、岩手へ戻る。2009年 (有)秀吉内に岩手の食材販売サイトS-FARMを立ち上げる。2012年食材のオーナー制販売「Olahono」を立ち上げる。

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