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「生物多様性」とはどのようなものですか?

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生物多様性とは、それぞれの生態系、地域、地球全体に長い歴史を反映した多様な生物が存在することであり、わたしたちが「生命の豊かさ」を理解するための概念です。

生物多様性という言葉が広く知られるようになったのは、1992年にブラジルで開催された「地球サミット」以降のことです。このときに、生物多様性の保全、持続可能な利用、利益の公平な配分などを求める国際条約として「生物多様性条約」が採択され、日本を含む世界各国が加盟をしました。この条約では生物多様性を「すべての生物の間に違いがあること」と定義しており、以下の3つのレベルでの多様性があるとしています。

  • 生態系の多様性 -気候や土壌、植生、そこで暮らす生物などが作る生態系が、地域ごとに異なっていること
  • 種の多様性(種間の多様性) -生命の進化の歴史を反映させた、さまざまな生物種が地球上に存在すること
  • 遺伝子の多様性(種内の多様性) - ある生物種の中でも、個体ごとに異なった遺伝子を持っていること

私たちが生きていくために必要な酸素は、数十億年の間に植物の光合成により生み出されてきたものです。水や食べ物なども、様々な生物のつながりの中から生み出されています。生物多様性は人間のみならず 「すべての生命が存立する基盤」を整えているのです。また、人間はそれぞれの国、地域に特有の自然の前に、独自の生活習慣や、様々な知識、技術などを培ってきました。生物多様性は「豊かな文化の根源」でもあると言えます。

「生物多様性」という言葉の意味を簡潔に表すならば、『地球上の数十億年の歴史がつくりだした様々な生物が、その地域ごとの特性を持ちつつ、お互いに関係しあいながら暮らしている状態(人間もその一員)を表す概念』となります。この概念によって、わたしたちは「生命の豊かさ」という、抽象的になりがちな価値を、共通の定義で理解することができるようになるのです。

現在、生物多様性は地球上の各地で急速に劣化しつつあります。いっぽう、日本はその国土を海に囲まれ、陸地の3分の2を森林が占めており、先進国の中でも特筆すべき豊かな生物多様性を育んできました。しかし今、日本のほ乳類の2割強、は虫類の3割強、野生生物全体で3,155種に現在、絶滅のおそれがあります。

生物多様性が劣化していることの主な原因は、人間の経済活動です。その人間の経済活動の基盤である人間社会は、「すべての生命が存立する基盤」「豊かな文化の根源」である生物多様性を存在基盤としています。生物多様性を劣化させながら経済活動を行うことは、短期的には得をしているように見えるかもしれませんが、長期的に見ると自らの首をしめているようなものです。

生物多様性の保全、持続的な利用、利益の公平な配分などの目標に取組むことによって、企業、人間社会、自然環境、そして様々な生きものたちが互いに生命を支えあう共生型の社会を実現し、持続可能な新しい時代を築くことができるのです。

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