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セメント生産量が減少していますが、セメント会社は廃棄物処分もしているはずです。生産減が続けば廃棄物処理が不可能になりませんか?

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確かにセメントの生産量は減っていますが、セメントに含まれる廃棄物の量が増えているため、処理が不可能になることは現時点では考えにくいと思われます。

セメントに含まれる廃棄物量は増えている

日本国内のセメント生産量は、1996年度の99,267千トンをピークに減少を続けています。2010年度は40,000千トンを下回ることも予想され、これは1967年の水準以下のレベルです。

確かに、生産量が減少を続けていることは事実ですが、逆に廃棄物・副産物の使用量は徐々に増えてきています。
セメントの製品を1トン製造するには約1,200kgの原料が必要ですが、この内の約450kgは
廃棄物や副産物を使用しています。廃棄物・副産物の情報を元に研究を重ねて、使用量を伸ばし続けています。

また、BSE騒動の際に問題となった肉骨粉の処理などは、国の要請もありセメント工場で処理を行いました。このような新たな問題にも積極的に取り組んでいます。

セメントに関するJIS規格改定の働きかけも実施

しかしながらセメントは工業製品であり、廃棄物・副産物の処理を行いながらJIS規格に合格する製品を製造しなければなりません。廃棄物、副産物には様々な物質が含まれており、それらがJIS規格を超えないように調整を行っています。そして、製品の質を保ちながら、JIS規格の改定などの働きかけも行っています。

例えばセメントの忌避成分の一つである塩素は、2003年12月にJIS規格の緩和(従来200ppm→350ppm)が行われたことにより、使用できる廃棄物・副産物を増やすことができました。塩素はヨーロッパ規格(EN規格)では1,000ppmとなっており、日本独自の規格である200ppmを緩めても問題ないことを提議し、緩和が実施されました。

ヨーロッパ規格は国際標準化の傾向にあり、今後も緩和が行われる可能性があります。そうなれば、これまで使用できなかった廃棄物・副産物の中でも使用できるものが出てくると思われます。


このように、セメント製造会社は、製造業でありながら廃棄物・副産物の再利用を促進しています。
生産量が減少しても、廃棄物・副産物を積極的に使用していくことで社会貢献を目指しています。

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