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PCB特措法が改正されましたが、どのような点が改正のポイントなのでしょう?

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ポリ塩化ビフェニル廃棄物(以下、PCB廃棄物)の適正な処理を推進するために制定された「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(以下、改正PCB特措法)」が、2016年8月1日に施行されました。今回の改正では、排出事業者に課された処理期限が前倒しされるなど期限内の処理に向けて法整備の強化が見られます。どのような改正が行われたのか、また改正についてどのような点に注意すべきかについて、ご紹介いたします。

関連記事:PCBに関する基本情報については、過去の関連記事をご覧ください。

改正PCB特措法の主な改正点

1. 高濃度PCB廃棄物、高濃度PCB使用製品の定義づけ(法令第2条、施行令第2条、施行規則第4条、第7条)
今回の改正によって、高濃度PCB廃棄物および高濃度PCB使用製品に関する定義が以下のように明確に示されました。

「高濃度PCB廃棄物」とは

  1. PCB原液が廃棄物となったもの。
  2. PCBを含む油が廃棄物となったもののうち、これに含まれているPCBの割合が政令で定める基準を超えるもの。(当該油に含まれているPCBの重量の割合が、0.5%であることとする。)
  3. PCBが塗布され、染み込み、付着し、又は封入された物が廃棄物となったもののうち、PCBを含む部分に含まれているPCBの割合が政令で定める基準を超えるもの。(基準は以下の通り。)
1)汚泥、紙くず、木くず又は繊維くずその他PCBが塗布され、又は染み込んだ物が廃棄物となったもの 当該廃棄物のうちPCBを含む部分1kgにつき5,000mg
2)金属くず、ガラスくず、陶磁器くず又は工作物の新築、改築若しくは除去に伴って生じたコンクリートの破片その他PCBが付着し、又は封入された物が廃棄物となったもの 当該廃棄物に付着し、又は封入された物1kgにつき5,000mg

▼「高濃度PCB使用製品」とは

  1. PCB原液。
  2. PCBを含む油のうち、これに含まれているPCBの割合が政令で定める基準を超えるもの。(当該廃棄物に含まれているPCBの重量の割合が、0.5%であることとする。)
  3. PCBが塗布され、染み込み、付着し、又は封入された製品のうち、PCBを含む部分に含まれているPCBの割合が政令で定める基準を超えるもの。(基準は以下の通り。)
1) 紙、木又は繊維その他PCBが塗布され、又は染み込んだ製品 当該製品のうちPCBを含む部分1kgにつき5,000mg
2) 金属、ガラス又は陶磁器その他PCBが付着し、又は封入された製品 当該製品に付着し、又は封入された物 1kgにつき5,000mg


2. 高濃度PCB廃棄物の計画的処理完了期限より前の処分を義務付け・高濃度PCB製品に対する新たな処分の義務付け(法令第10条、15条、18条、19条、旧法令第10条、旧政令第3条)

改正前まで「PCB廃棄物」の処理期限は平成39年3月31日までとされていましたが、今回の改正により高濃度PCB廃棄物は、処分期間内(計画的処理完了期限の1年前)または特例処分期限日(計画的処理完了期限と同じ日)までに自ら処分、または処理委託を行うことが義務付けられました。

▼高濃度PCB廃棄物の処分期間と計画的処理完了期限

対象 エリア

処分期間
(計画的処理完了期限の一年前)

特例処分期限日
(計画的処理完了期限)
トランス・コンデンサ 北海道(室蘭)事業エリア 2022年3月31日まで 2023年3月31日まで
東京事業エリア 2022年3月31日まで 2023年3月31日まで
豊田事業エリア 2022年3月31日まで 2023年3月31日まで
大阪事業エリア 2021年3月31日まで 2022年3月31日まで
北九州事業エリア 2018年3月31日まで 2019年3月31日まで
安定器等・汚染物 北海道(室蘭)・東京事業エリア 2023年3月31日まで 2024年3月31日まで
北九州・大阪・豊田事業エリア 2021年3月31日まで 2022年3月31日まで

【参照】環境省:PCB廃棄物の期限内処理に向けて

また、PCB廃棄物だけでなく、高濃度PCB使用製品に対しても法令が新設され、処分期間内(計画的処理完了期限の1年前)または特例処分期限日(計画的処理完了期限と同じ日)までの廃棄が義務付けられています。

※計画的処理期限完了期限とは
各処理施設が立地する地方公共団体との約束を踏まえて設定された、高濃度PCB保管事業者が中間貯蔵・環境安全事業株式会社に対し、処分委託を行う期限。

3. 高濃度PCB廃棄物もしくは高濃度PCB使用製品に係る保管等の状況の届出の記載事項の追加(法令第8条、施行規則第9条)

当該年度の6月30日までに届け出が義務付けられていた「保管等の状況の届出」の記載事項において、「自ら処分し、又は処分を他人に委託することを予定している年月」が追加されました。また、高濃度PCB使用製品についても新たに届け出が義務付けられました。

※電気事業法が適用される高濃度PCB使用電気工作物に関しては届け出、廃棄の義務付けの除外となっています。しかし、計画的処理期限までに廃棄されなかった高濃度PCB使用電気工作物については廃棄物とみなされ、新法の対象となります。

【参照】環境省:ポリ塩化ビフェニル廃棄物等の保管及び処分状況等届出書(保管事業者及び所有事業者用)(様式第一号(一))

4. 廃棄・処分終了に関する届け出の義務付け(法令第10条、15条、19条、施行規則第13条)

全ての高濃度PCB廃棄物もしくは高濃度PCB使用製品の廃棄・処分を終えた者は、当該保管場所を管轄する都道府県知事にその旨を報告することが義務付けられました。届け出の期限は、それらの全てを自ら処分し、又は処分を他人に委託した日から20日以内、様式は様式第4号による届出書と定められています。

【参照】環境省:ポリ塩化ビフェニル廃棄物の処分終了又は高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品の廃棄終了届出書(様式第四号)

改正によって気をつけるポイントと改正の背景

今回の改正によって、大きく変わったと言えるのが、使用中の高濃度PCB使用製品も法律の対象となったことです。今回の改正により、PCB廃棄物だけでなく、使用中の高濃度PCB使用製品に対しても廃棄の義務付けや、廃棄物同様の届け出が必要となりました。古い電気機器(特にトランス、コンデンサ、安定器等)を使用されている方は、その機器が高濃度PCB使用製品に該当するのか確認し、必要な措置を講じましょう。

上記のポイントとして挙げた部分の他にも、保管場所の制限に対する特例措置の設定や、環境大臣・都道府県知事の報告徴収・立入調査等の権限の強化なども盛り込まれています。

今回の改正の背景として、環境省のHPでは、「計画的処理完了期限内の処理が危ぶまれる状況の中で、この期限を遵守して一日でも早く確実に処理を完了するために必要となる制度的な措置を講じようとするものです。(一部改変)」と説明しています。上記を踏まえ、期限内の処理が完了できるよう社内で検討しましょう。

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