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WDS(廃棄物データシート)の代わりにSDS(安全データシート)を使うことはできますか? 初心者向け

廃棄物データーシート(WDS)

廃棄物の成分・性状が明確な場合、SDSやその他の情報を組み合わせて、WDSの代用とすることができる場合があります。一方で、見た目では含有物質や有害性の判断が難しい汚泥などの廃棄物や、付着・混入などにより有害物質が混入している廃棄物の処理を委託する場合は、WDSなどを用いて適正処理に必要な情報を漏れなく処理会社に伝える必要があります。WDS、SDSのそれぞれの特徴を知り、正しい情報提供につとめましょう。

※文中略語について
WDS(Waste Data Sheet):廃棄物データシート
SDS(Safety Data Sheet):安全データシート

WDSとSDSの違い

廃棄物処理法では、性状や取り扱う際の注意事項など、産業廃棄物の適正処理に必要な情報を処理委託契約書に記載して処理会社へ提供するよう、排出事業者に義務付けています。

表1.適正な処理のために必要な情報(廃棄物処理法施行規則第8条の4の2第6号及び第7号)

六 委託者の有する委託した産業廃棄物の適正な処理のために必要な次に掲げる事項に関する情報

イ 当該産業廃棄物の性状及び荷姿に関する事項

ロ 通常の保管状況の下での腐敗、揮発等当該産業廃棄物の性状の変化に関する事項

ハ 他の廃棄物との混合等により生ずる支障に関する事項

ニ 当該産業廃棄物が次に掲げる産業廃棄物であって、日本工業規格C〇九五〇号に規定する含有マークが付されたものである場合には、当該含有マークの表示に関する事項

 (1) 廃パーソナルコンピュータ
 (2) 廃ユニット形エアコンディショナー
 (3) 廃テレビジョン受信機
 (4) 廃電子レンジ
 (5) 廃衣類乾燥機
 (6) 廃電気冷蔵庫
 (7) 廃電気洗濯機


ホ 委託する産業廃棄物に石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨

ヘ その他当該産業廃棄物を取り扱う際に注意すべき事項

七 委託契約の有効期間中に当該産業廃棄物に係る前号の情報に変更があつた場合の当該情報の伝達方法に関する事項

WDSは、これらの情報を記載するための参考様式として環境省が作成したものであり、必要な情報が契約書に記載されていればWDSを契約書に添付する必要はありません。重要なことは必要な情報を漏れなく正確に処理会社と共有することであるため、処理方法を検討するために必要な情報に漏れがないか、伝えていない含有物質の情報がないかなど内容を両者で十分に協議・確認するなど、排出事業者と処理会社がしっかりコミュニケーションをとることが大切です。

一度提供したWDSの内容に変更が生じた場合、適正な処理が行えない可能性があるため、処理会社に変更内容を連絡する必要があります。変更内容が軽微な場合は、修正履歴と修正箇所がわかるように記載した新しいWDSを処理会社に連絡しておきましょう。製造工程の変更のように廃棄物の性状などが大幅に変わる場合は、処理会社と協議した上でWDSを新たに発行したほうがよいでしょう。

一方SDSは、化学物質の特性と取り扱いに関する情報が記載された文書を指します。「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(化管法)におけるSDS制度は、事業者間で有害性などの化学物質に関する情報が確実に伝達され、適切な化学物質の管理が促進されることを目的とした制度です。対象物質を含有する製品を他の事業者に譲渡・提供するときに、SDSの提出が義務付けられています。

SDSはWDSの代わりに使える?

環境保全上の支障が生じる恐れの少ない、成分・性状が明確なものを廃棄する場合、SDSをはじめとした下表にある情報を組み合わせてWDSの代わりに使用できることがあります。例えば、混合物ではなく単品の薬品などを廃棄する際にはSDSは有効です。

表2. WDSを補完する情報とその特徴(環境省「情報の提供に関するガイドライン」 より抜粋)

SDS

薬品在庫のように成分や性状が明らかな場合は使用できます。
廃棄物が混合物の場合でも、使用した原料のSDSのCAS NO.は、含有されている化学物質の特定に有効です。

発生行程 情報が不足している場合、含有物質推定の手掛かりになります。
写真

廃棄物の荷姿を視覚的に伝えることが可能です。
容器のラベルに記載された情報の確認も可能となります。

分析表

廃棄物の組成・成分、有害物質の含有、廃棄物の物理的性状・化学的性状などが判断できます。
その場合、分析サンプルと実際に委託する廃棄物の組成が同じであることが重要です。
時間経過に伴う性状変化や、沈殿分離している廃棄物のサンプルを採取する際は注意しましょう。

サンプル

受入前の反応テストに用いることでき、処理方法の選択・検証に有効です。
サンプルが実際に委託する廃棄物を代表していることが重要です。
廃棄器物の処理を行うにあたっては、廃棄物の種類・含有成分が最も重要であるため、通常WDSを用いて受入検討をした後に必要となります。

また、SDSに記載されているCAS NO.により化学物質が特定できるため、WDSにCAS NO.を記載することで廃棄物に含まれる物質の推定に活用することができます。SDSなどをWDSの代わりとして使用する場合は、これらがWDSの補完であるということを念頭におき、適正処理のために必要な情報が洩れなく記載されているかの確認が重要です。

一方、複雑な製造工程を経て、様々な物質が混ざり合い、反応した形で排出される廃棄物の場合は、原料である物質のSDSでは排出した廃棄物の性質を表していない場合が大半です。特に、外観から含有物質や有害特性の判断が難しい汚泥・廃油・廃酸・廃アルカリ、付着・混入などにより有害物質を含む可能性のある廃棄物、混合物などは、WDSを活用したほうがよいでしょう。

排出事業者が廃棄物の適正処理に「明らかに必要な情報」を処理会社に提供していない場合、委託基準違反となり、刑事処分(3年以下の懲役、もしくは300万円以下の罰金)の対象となることがありますので、十分注意して確認しましょう。

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