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GRIとIIRCの共通点と違いは? 初心者向け

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GRI(Global Reporting Initiative)とIIRC(International Integrated Reporting Council)の共通点は、お互いに企業の社会的責任に関するレポートのフレームワークやガイドラインを作成することを目指しています。相違点は、GRIはESGの情報開示のガイドラインに対して、IIRCは更に企業の財務情報を統合したガイドラインとなっています。ただし、GRIとIIRCは報告書のスタンダード作りで連携していくことを目指している ため、今後は二つのスタンダードが統合されていくでしょう。

最近ではESG投資が騒がれていますが、 企業の情報開示は今後財務情報に加えて非財務情報の分析も踏まえて投資の意思決定を行うため、企業活動に関する幅広い情報の開示が必要になってきます。この情報開示のグローバルスタンダード作りを試みている非営利組織が2つあります。それがGRIとIIRCなのです。恐らく、初めてこのキーワードを聞く方も多いために、改めてGRIとIIRCについて解説していきましょう。

GRIガイドラインとは?

G4.pngGRIはサステナビリティに関する国際基準の策定を使命とする非営利団体(NGO)です。UNEP(国際環境計画)の公認団体として、国際基準「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン)を策定しています。同ガイドラインは「サステナビリティ」という抽象的な概念を具体的な指標として可視化したもので、持続可能な経営を目指す企業をはじめ、さまざまな組織の活動を後押ししています。2000年に「サステナビリティ・レポーティング・ガイドライン」を製作して、これまでに改訂を重ね、2013年に第4版(G4)まで発行されています。

G4の内容は、第一部「報告原則と標準開示項目」、第二部「実施マニュアル」の2つに分かれています。

第一部「報告原則と標準開示項目」 (図:左)
報告原則と標準開示項目のほか、組織が本ガイドラインに「準拠」してサステナビリティ報告書を作成する際に適用すべき基準を掲載。また、主要用語の定義についても掲載。

第二部「実施マニュアル」 (図:右)
報告原則の適用、開示情報の準備、本ガイドライン内のコンセプトの解釈について説明。参考文献、用語集および報告に関する一般留意事項も掲載。

GRI対応は参照レベルなのか?準拠レベルなのか?

20160126_002.jpg最近、企業担当者とお会いする際に、「今度のレポートからG4対応していきたいんだけど・・・・」と言われることが多くなってきました。その際に、確認していることは、参照レベルなのか、準拠レベルなのかということです。恐らく、準拠レベルになると、レポート対応するだけのために、ガイドラインに沿って準拠させることはほとんど難しいでしょう。あくまでもGRI準拠にするためには、経営陣とのコミットメントが必要になってきます。それには、ステークホルダーや自社における重要課題(マテリアリティ)を決める必要があります。そのためには、数年かけたステークホルダーとのエンゲージメントが必要になってくるのです。ですので、単に表層的な対応では済まされないのです。

画像出所:GRIガイドライン G4
国際統合報告フレームワークとは?

20160126_003.jpg国際統合報告(統合報告を<IR>と略する)フレームワークは統合報告書の作成企業その他の組織向けに原則主義のガイダンスを提供するものですが、各個別イニシアティブの推進につながるとともに、<IR>の利点を通じて企業報告におけるイノベーションを推進する力となることを意図しています。IIRCは「7つの指導原則」に基づき、「8つの内容要素」を情報開示することが求められています。

「7つの指導原則」

①戦略的焦点と将来志向 ②情報の結合性 ③ステークホルダーとの関係性 ④重要性 ⑤簡潔性 ⑥信頼性と完全性 ⑦首尾一貫性と比較可能性。

「8つの内容要素」

①組織概要と外部環境 ②ガバナンス ③ビジネスモデル ④リスクと機会 ⑤戦略と資源配分 ⑥実績 ⑦見通し ⑧作成と表示の基礎

CSR報告書から統合報告書にするためには?

20160126_004.jpg統合報告書もG4対応同様に、すぐにアニュアルレポートとCSRレポートが統合できるわけではありません。3年ぐらいをめどに統合していくことをお勧めします。1年目は現状分析を実施すべきです。2年目で現業への取り組み、3年目で更に統合を進めていくべきでしょう。そのためには、IRとCSRの垣根を超えた部署間での協力が必要になります。それには、お互いにどこへ向かうのかを方向性を統一していくことが必要になってきます。統合報告書は収益(財務資本)では見えない資本(製造資本、知的資本、人的資本、社会・関係資本、自然資本)を報告することで、企業に対する中長期的な信頼や信用を増やすことで、個人や機関投資家から持続的な投資先を開拓することを目的にしています。今後の企業経営は、非財務的な視点を取り入れて進めていくことが重要になってくるでしょう。

図:価値創造プロセスより
参照サイト
執筆者プロフィール

inomata_profile.jpg猪又 陽一 (いのまた よういち)
アミタ株式会社 
シニアコンサルタント

1970年生まれ。1994年早稲田大学理工学部卒業後、アミタに合流。環境・CSR分野における戦略・実行、コミュニケーション、教育など幅広く従事。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」をプロデュース。2016年3月には、著書「CSRデジタルコミュニケーション入門」(インプレスR&D社)を出版。現在、企業や大学、NPO・NGOなどで講演、研修、コンサルティング、第三者意見執筆(南海電鉄 、リケンテクノス 、アマダホールディングス)など多数実践中。

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