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マテリアリティやKPIをどのように設定すればよいですか?

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米国SASBの基準を参考にするという方法があります。

SASBが策定する基準とは?

SASB.png米国では、民間非営利団体であるFASB(※1)が、企業の財務報告の基準を策定するうえで最上級の権威機関です。同様に非財務報告においても、民間非営利団体であるSASB(※2)が基準の策定を進めています。SASBは、IIRCやGRIなどの動向をふまえた上で、米国上場企業が提出を義務付けられている財務書類において、持続可能性情報を開示する際の基準を設定することを目的としています。

具体的には、産業分野(10のセクター、89のインダストリー)ごとに具体的な指標が設定されています。指標は、ESGを基礎とした5カテゴリー(環境、社会資本、人的資本、ビジネスモデル・イノベーション、指導者とガバナンス)43指標をもとに重要性の判断を行った上で策定されています。2015年6月末時点で、セクターは以下のように分類されており、1.から7.については基準(暫定基準を含む)をWEBサイトで閲覧することが可能です。8.から10.は策定またはパブコメ段階です(※3)。

1. ヘルスケア
2. 金融
3. 技術・通信
4. 非再生可能資源
5. 輸送
6. サービス
7. 資源加工
8. 消費Ⅰ&Ⅱ
9. 再生可能資源
10. インフラ

(※1)Financial Accounting Standards Board
(※2)Sustainability Accounting Standards Board
(※3)SASB ウェブサイト http://www.sasb.org/standards/status-standards/

基準の一例

Some_rights_reserved_by_Gary_Hayes_001.jpgでは実際に一例として、電子機器の受託製造サービス(EMS)を行う企業のKPIを見てみましょう。セクターは「Technology &Communication」、インダストリーは「Electronic Manufacturing Services & Original Design Manufacturing」となります。

環境資本における開示項目として、エネルギーマネジメント(年間消費エネルギーや電力購入量、再生可能エネルギー使用量など)及び、水と廃棄物のマネジメント(取水量や水ストレスの高い地域の比率、廃棄物量やリサイクル量等)が挙げられています。また人的資本においては、労働慣行に関連する項目として、労働・人権に関する国際規格SA8000の取得等が提示されています。さらにガバナンスのトピックスとしてはサプライチェーン管理が挙げられ、原料採取の工程も含めたリスクの提示や、環境及び社会性リスク特定のプロセス、原料供給ひっ迫による製品不足の可能性等を報告することが推奨されています。

画像:Some rights reserved by Gary Hayes

GRIとの違い

日本では、サステナビリティ報告のガイドラインとして、GRIとIIRCが注目されていますが、GRIとSASBはお互いに相入れない関係ではなく、目的は同じでアプローチが異なるものと捉えるとよいでしょう。

例えば、GRIの第4版(G4)は、マテリアリティ特定のためにステークホルダー・エンゲージメントを推奨しており、企業はステークホルダーとコミュニケーションをとりながらマテリアリティを特定する必要があります。一方、SASBは、業界ごとにあらかじめマテリアリティを特定しているため、企業はそれに沿って開示すれば要件を満たすことになり、マテリアリティ特定に大きな労力を割く必要がありません。

SASB基準の活用にあたって

SASBは、財務報告における非財務情報の開示の基準を示したものであり、ステークホルダーとして主に投資家を意識していると思われます。したがって、その他のステークホルダーが重要視する指標も盛り込む必要があるでしょう。

また、本来、マテリアリティは企業や企業をとりまくステークホルダーによって異なるものです。したがって、SASBの基準を参照することで業界としてのマテリアリティやKPIを把握し、余力があればさらにステークホルダーとのコミュニケーションにより詳細を設定していくことが望ましいと思われます。

執筆者プロフィール

mr.asai_001.png浅井 豊司 (あさい とよし)氏
株式会社フルハシ環境総合研究所
代表取締役所長

フルハシ工業株式会社(現・フルハシ EPO 株式会社)に入社。2001 年、創業メンバーの一員として フルハシ環境総合研究所を設立・転籍。2006 年より東京事務所長、2011 年より代表取締役所長就任。 設立当初はゼロエミッションに関するコンサルティングや廃棄物管理に関する社員教育を担当。その後、 環境マネジメントシステム・LCA(ライフサイクルアセスメント)・廃棄物リサイクルガバナンス・環境コ ミュニケーション・MFCA(マテリアルフローコスト会計)・環境教育・環境事業開発についてコンサルテ ィング・調査研究を行っている。

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