ライオン|社内外コミュニケーションのための生物多様性特設WEBサイト開設!【前編】 | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

ライオン株式会社 CSR推進部 環境保全推進室 矢島 敏夫 氏ライオン|社内外コミュニケーションのための生物多様性特設WEBサイト開設!【前編】

今年9月にISO14001の改訂に伴い、各企業へ生物多様性への取り組みが求められてくる中、ライオン株式会社では他社よりもいち早く社員を巻き込んだ生物多様性の取り組みに着手し、2015年夏より生物多様性特設WEBサイトを開設し、社内外コミュニケーションの促進を図っています。今回、WEBサイト設置のきっかけや、その後の変化について、CSR推進部 環境保全推進室 矢島様よりお話を伺いました。インタビューは、編集長 猪又で進めました。社内外への取り組みに悩んでいる企業様は今後のヒントになるはずです。(CSRJAPAN副編集長=高橋泰美) 写真:ライオン本社の受付近くにて

【後編】はこちら

【関連URL】ライオンの生物多様性保全の取組み

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製造業初のエコ・ファースト認定企業!

lion1-001.png猪又:御社では2011年に、2020年への環境目標「Eco Vision 2020」を策定されていらっしゃいますね。何かきっかけがあったのでしょうか?

矢島氏: 2020年に向けた新経営ビジョン「Vision 2020」が2011年に策定されました。3つの柱の一つに「環境対応先進企業を目指す」を掲げており、このビジョンを達成するための環境目標が「Eco Vision 2020」です。ここでは地球環境問題の現状を踏まえ、「低炭素社会の実現」「循環型社会の実現」「自然との共生」「社会への意識啓発」を課題として取り上げ、「自然との共生」というテーマの中で生物多様性についての取組みも始めました。

実は当社は、2008年、製造業として初めてエコ・ファースト企業に選ばれました。エコ・ファースト制度とは、企業が環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取組みを約束し、環境大臣はその企業が、環境の分野において「先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動」を行っている企業であることを認定する制度です。このエコ・ファーストの約束でも2020年に全事業所で生物多様性の取組みを進める目標を掲げ、本格的に取組みを始めたのです。

猪又:生物多様性の取組みを始めた時、経営者はどのような反応でしたか?事業以外の取組みはコストとして捉えられることが多いと感じますが、御社ではいかがでしたか?

矢島氏:生物多様性保全活動は、Eco Vision2020の目標の一つに掲げているものなので、トップダウンで進めています。また、生物多様性の取組みを考える上で当社では、事業のリスクと機会を踏まえて活動を設定するようにしており、特に異論はありませんでした。

画像コメント:経営ビジョン2020とCSR(ライオンCSR報告書2015より抜粋)

ライオンの生物多様性の考え方とは?

lion1-003.jpg猪又:御社の生物多様性の取組みについてお話いただけますか?

矢島氏:私たちは事業を通じて生物多様性に取組み、持続可能社会の実現を目指しています。原料調達、生産、消費、廃棄といったバリューチェーンに沿って、天然資源や事業活動の生物多様性への影響を把握し、リスクの低減と機会の拡大につながる取組みを考えています。原料調達においては、当社は、温室効果ガスを増やさず、再生可能な植物原料の活用を積極的に進めており、マレーシアで生産されるパーム油を原料に使用しています。パーム油生産においては、新規農園開発のために熱帯雨林が違法伐採され、それに伴う森林や野生生物生息地の減少など、環境への影響が問題視されています。このような問題の解決に向けて当社では、2006年から、環境保全と持続可能なパーム油産業の振興や運営を行うことを目的として設立された「持続可能なパーム油のための円卓会議(RSPO)」に参加しています。

また、研究においては、生分解性が高く、河川への影響の少ない洗剤など、生物多様性に配慮した製品を開発しています。環境に配慮した生産活動はもちろんのこと、より積極的な保全として、工場が立地する流域での生物生息地の保全活動やモニタリングなどを行っています。事業所の中には、先行して活動に取り組んでいる事業所、まだ本格的には活動が進んでいない事業所がありますが、本社がバックアップしながら進めているところです。バリューチェーン最後の消費においては、商品に「暮らし、まいにち、エコ」という環境ラベルを商品につけ、節水や容器・包装材料削減など、エコ商品の開発を推進していることと、それを使用することで無理なくエコな生活につなげていただけるよう、消費者にも発信するようにしています。

画像コメント:ライオン株式会社にてCSRを担当される矢島様

まずは生物多様性に関するセミナーから開始

lion1-005.jpg猪又:生物多様性に関するセミナーを昨年実施させていただきましたね。なぜこのようなセミナーを実施されたのか、伺えますか?

矢島氏:生物多様性の取組みを推進していくことが全社的に知られていなかったので告知すること、ライオンとしてどのような活動をしたらいいかという企画を練ることを目的に、生産拠点の環境担当者を対象に、アミタさんと一緒にセミナーを開催しました。以前、アミタさんのCSRコミュニケーションセミナーに参加し、CSRコミュニケーション分野での社内浸透の方法やWEBの活用に詳しいことを知り、当社の一番の課題を解決できると考えてアミタさんにセミナーの企画運営を依頼しました。セミナーは昨年3月に開催し、10事業所の生物多様性担当者に集まってもらいました。生物多様性の専門家による講義、担当者同士による各事業所の活動についての意見交換、またWEBを通じた情報発信する上での要望を伺うなど、各担当者が生物多様性の理解を深め、またネットワークを構築するよい機会となりました。

画像:インタビューの様子

(後編に続く)

プロフィール

lion1-004.jpg矢島 敏夫(やじま としお)氏
ライオン株式会社
CSR推進部環境保全推進室 主任部員

1989年の入社以来、洗剤・柔軟剤原料のプロセス開発等、研究開発業務に従事。2012年7月にCSR推進部に異動し、社会貢献活動の主担当として、健康・快適、環境、被災地支援の各分野で、本業を活かした社会貢献活動企画の立ち上げ・運営に携わる。2015年7月にCSR推進部 環境保全推進室に異動。環境対応先進企業を目指した環境目標「Eco Vision 2020」の達成に向けて、環境管理、生物多様性保全活動等に取り組んでいる。

インタビュアー

inomata_profile.jpg猪又 陽一 (いのまた よういち)
アミタ株式会社
CSRJAPAN編集長 兼 CSRプロデューサー

早稲田大学理工学部卒業後、大手通信教育会社に入社。教材編集やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て大手人材紹介会社で新規事業を軌道に乗せた後、アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」等をプロデュース。現在、企業や大学、NPO・NGOなどで講演、研修、コンサルティングなど多数実践中。

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アミタの支援サービス「The Sustainable Stage」では、廃棄物管理を始め、脱炭素にかかる施策(CDP質問書への回答、SBT、RE100への取組み・実践体制の構築、支援など)、SDGs、生物多様性、バイオマス発電など企業の持続可能性を環境面から支えるための支援を行っています。

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