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学生インタビューこれから社会を担う学生は環境問題やCSR活動をどう見る?前編

これから社会を支えていく学生は、企業の環境・CSR活動をどのように見ているのか。また社会の環境問題への意識を高めるためどのような施策を考えるのか。コラムニストでお馴染み、東大院生長濱さんと、同じ自然環境学専攻で環境問題について関心を持つ学生の皆様にお話しを伺うため、東大柏の葉キャンパスを訪問しました。インタビューは、若い世代の声を社会へ発信するUnited Youth福島氏、編集長 猪又の2名で進めました。(CSRJAPAN(※1)副編集長=高橋泰美)

写真1:インタビューの様子

後編はこちら

(※1)CSRJAPAN・・・2010年11月4日~2017年6月29日までアミタ(株)が運営していたWebサイト。2017年6月29日以降は「おしえて!アミタさん」サイトに統合

今関心のある環境問題とは?

student_interview1-002.jpg猪又:はじめに自己紹介も兼ねて、最近の関心事について伺います。では佐藤さんからお願いいたします。

佐藤さん:専門は地理学で、現在は水害の研究をしています。地球温暖化が進むと気候が変わり災害が起きやすくなるという点から、地球温暖化に関心があります。

写真2:水害の研究をしている佐藤さん。地球温暖化に関心を持っている。

辻さん:研究室では森林管理の研究をしていますが、特にバイオマスエネルギーに関心があり研究の対象としています。人工林からの間伐材をエネルギーとして活用できないかと考えています。

幼いころから身近に森がある鎌倉で過ごしていて、人と森の関わりについて関心をもっていました。学生時代は機械工学を学んでいたのですが、東日本大震災を機にエネルギー問題に関心を持つようになり、元々関心のあった「人と森の関わり」と「エネルギー」を共に学べると考え今に至ります。

陳さん:中国の自然保護区におきた環境問題とそこに住む少数民族の伝統文化 を残すための研究をしています。環境問題としてはPM2.5と水の問題に関心があります。

大西さん:私も元は工学部出身です。「人」に関心があり、学部時代は人にセンサーをつけて人の行動について研究していました。今は地域活性化という問題を解決する時に、人同士がどのように関わるのかについて研究しています。関心としては農村における環境問題です。

内田さん:僕は漫画学科の出身です。環境教育に着目し、どうしたら子どもたちに環境問題への意識を持ってもらうか、漫画を使った研究をしています。

長濱さん:途上国の住民が資源の管理に参加する仕組みを社会学的観点から研究しています。どのようにデータ化し、社会学的アプローチや自然環境的なアプローチをするかが課題です。教員だったこともあり、教育と環境をつなぐためにどうしたらいいか、研究を実践に生かしていきたいと考えています。

周囲の環境問題に関心はどのくらい?

student_interview1-003.jpg福島氏:皆さんは色々な視点で環境問題に関心を持ち研究していらっしゃいますが、研究室以外の友達や家族などは、環境問題にどの程度関心がありますか?

辻さん:友達は「人工林って何?」というくらい知識がありませんが、研究で会う方は森林組合の方だったりするのでもちろん専門知識があります。その周辺の住民の方がどう考えているかはまだ聞いたことがなかったので、知りたいと思っているところです。

福島氏:学部時代の友達は、環境問題にどのような感覚を抱いていると思いますか?

辻さん:学部時代の友達は機械工学系で進学・就職している人が多いので、森林の説明をしてもそもそも緑に興味がない人が多く、そういう人が技術者になるのは不安に感じます。技術者も多様であるべきと思っています。

大西さん:私も工学部出身なのですが、ここに来て驚いたのは学生たちがちゃんと分別をしていることです。ペットボトルのラベルを剥がして捨てているのを見て、意識が高いと感じました。

一方で違和感があったのは、授業で「生物多様性は大事」という話を聞いたときのことです。生物多様性も大事だけど大切なのはそれだけではない、と。工学の発展もまた大事なんです。生物多様性の問題に関心がない工学系の人には、工学での問題の優先順位を理解した上で生物多様性の重要性も伝えないと伝わらないと感じました。

人の心理として、環境問題にしか興味がない人にその大切さを言われても、「私のことを分かってないでしょ?」という反発を持ってしまうのではないでしょうか。「私も工学は大事だと思ってます」と一言伝え寄り添う姿勢を示すと、相手の話も聞こうという気持ちになるのではないかと思います。

辻さん:僕もその点同感です。全体の問題に対して優先順位を付けて議論していないと感じます。例えば工事を行う時に生物多様性の重要性を定量的に示すと、その場所における工事の重要性や効果と生物多様性における重要性との比較ができるのではないかと思います。

内田さん:地域差によっても環境問題への関心度合いが違うのではないでしょうか。僕は自然が豊かなところで育ったのでイメージが湧きやすいですが、都市で育った人には生物多様性と言われてもピンとこないですよね。逆に都会ではヒートアイランドなどの身近な問題の方がピンと来るところなのかもしれません。

福島氏:佐藤さんはいかがですか?

佐藤さん:一番関心があるのは地球温暖化なのですが、多くの人は地球温暖化=気温が上がるとしか思っていないのが現状です。気温が上がると災害が起きやすくなる、生物の分布が変わって魚が取りにくくなるとか、本来もっと重大な課題なのですが事の重大さが認識されにくいところがあります。そういった広域の課題は企業の方が取組みやすいのかなと思います。

福島氏:陳さん、中国ではいかがでしょうか?

陳さん:中国はPM2.5の問題からようやく環境問題への関心が高まってきたところです。日本は環境問題への取組みを早くからやっているので住環境もいいですよね。

student_interview1-004.jpg福島氏:やはり環境問題の重要性への認知がまだまだといったところですね。内田さんは漫画を使ってより環境問題を分かりやすく伝えていらっしゃいますが、その時のポイントって何かありますか?

内田さん:漫画は想像力を喚起するものだと考えています。答えをすべて用意するのではなく、考えさせる余地がある方が気付いてもらえるのではないか、と思っています。先日中学生に対して実験をしたのですが、漫画を読む前と読んだ後では、読んだ後に環境問題への関心が高くなる結果となりました。

福島氏:漫画により環境問題を考える敷居が低くなる、また自分で考えることにより実感として環境問題の重要性が伝わる、ということなんでしょうね。

写真4:内田さん作トランプ。中学生への実験で漫画で環境問題を伝えると環境意識が高まったことが分かったとお話がありました。

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関連情報

学生の紹介

student_001.jpg陳 俊琳(チン シュンリン JUNLIN CHEN)氏

中国出身。東京大学大学院 新領域創成科学研究科 自然環境学専攻の生物圏情報学分野に所属。学部時代は中国の大学で日本語を専攻していた。大学四年生から日本に留学。その頃から中国の大気汚染が悪化し、日本の環境のよさを実感していたことから、日本の環境保護に関するノウハウを知りたいと思い東大に入学。現在は中国少数民族の伝統的な森林文化を研究し、その伝統的な森林文化を活かして中国の自然保護区の管理問題をどのように解決かということを考えている。

student_002.jpg大西 鮎美(おおにし あゆみ)氏

2014年4月から東京大学大学院 新領域創成科学研究科 修士課程に在籍中。
学部時代は、工学部でウェアラブルコンピューティングの研究を行っており,自然環境学の分野でも、行動認識の技術を用いて研究を行っている。実家は兵庫県揖保郡太子町に山と田畑を所有し、とくにローカルな視点から環境問題に関心を持っている。後継者問題など地域が抱える問題を解決するため、研究室の友人と共にITを駆使した地域活性化を目的とした起業を考えている。

student_003.jpg内田 竜嗣(うちだ りゅうじ)氏

東京大学大学院 新領域創成科学研究科 自然環境学専攻 修士課程2年。今現在の研究テーマは「どのようにすれば環境問題について子供たちに伝えられるだろうか、考えさせられるだろうか」という点から、わかりやすく興味を持ってもらうために「マンガ」という媒体に着目し、環境教育においてマンガの教材化の検討について研究している。

student_004.jpg辻 周真(つじ しゅうま)氏

神奈川県鎌倉市出身。2014年に慶應義塾大学理工学部機械工学科を卒業し、東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻に進学。大学院では森林計画について学習を進めながら、間伐材のエネルギー利用について研究中。

student_005.jpg佐藤 李菜(さとう りな)氏

東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程に在学中。専門は地理学。研究では、災害の中でも特に水害を対象とし、被害を受ける危険性が高い地域を新しい方法で評価しようと試みている。地球温暖化による降水量の変化は水害の発生頻度・規模等にも影響するため、注目している環境問題である。

student_006.jpg長濱 和代(ながはま かずよ)氏

東京都の小学校教員をしていた2006年に国際環境NGOアースウォッチによる途上国の森林プロジェクトに参加して、地球環境の劣化を目の当たりにして以来、環境教育の可能性を模索中。2013年3月に筑波大学大学院生命環境科学研究科で環境科学修士。同年4月から東京大学大学院・新領域創成科学研究科博士課程に在籍中。現在は北インド・ヒマラヤ山麓に位置するウッタラーカンド州で、住民参加による森林管理の事例として森林パンチャーヤトを研究している。インドは今後世界中で最も多い人口を抱え、経済的かつ地球環境的変化を遂げる国の一つとして注目している。

インタビュアー

student_interview1-fukushima.jpg福島 宏希(ふくしま ひろき)氏

早稲田大学理工学部卒業、フロリダ州立大学大学院(修士)修了。環境コンサルティング会社に勤務し、国内外の法人営業を担当した後、環境NPOの職員となる。洞爺湖G8サミットに向けた青年の分野横断プロジェクト「Japan Youth G8 Project」を主宰し、World Youth Summitを開催。2012年にブラジルで開催された「リオ+20(国連環境開発会議)」に政府代表団顧問として参加。現在は活動する若者の分野・地域横断のプラットフォームを築く「United Youth」(http://unitedyouth.blog96.fc2.com/)を主宰している。

student_interview1-inomata.jpg猪又 陽一(いのまた よういち)

アミタ株式会社 CSRプロデューサー
早稲田大学理工学部卒業後、大手通信教育会社に入社。教材編集やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業やベンチャーキャピタルを経て大手人材紹介会社で新規事業を軌道に乗せた後、アミタに合流。環境・CSR分野における仕事・雇用・教育に関する研究。環境省「優良さんぱいナビ」、企業ウェブ・グランプリ受賞サイト「おしえて!アミタさん」、「CSR JAPAN」等をプロデュース。現在、企業や大学、NPO・NGOなどで講演、研修、コンサルティングなど多数実践中。

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