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株式会社荏原製作所 内部統制・リスク管理統括部 環境推進課 課長 金子 一彦 氏環境目標達成の秘訣とは?業界のリーディングカンパニーとして荏原が目指す方向性

「世界規模で事業展開し成長する産業機械メーカー」を目指す株式会社荏原製作所。今回は「低炭素・資源循環・自然共生」を切り口に、自社グループの取り組みについて、内部統制・リスク管理統括部 環境推進課の金子様におうかがいしました。

グループ環境目標の進捗と、今注目していること。

小峯:2017年度の「荏原グループ CSRレポート」を拝見しました。【2020年度荏原グループ環境目標】達成に向け、幅広い取組みを進めていらっしゃいますね。2016年度、資源循環の分野におけるマテリアルリサイクル率などの目標値を確実に達成されています。どのような工夫をされたのでしょうか。

金子氏:【2020年度荏原グループ環境目標】(以下、グループ環境目標)に「廃棄物のマテリアルリサイクル率95%以上、最終埋立処分率3%未満を維持する。」という目標があります。2016年度実績は、マテリアルリサイクル率98.8%、最終埋立処分率0.9%で目標を達成しています。「廃棄物の減量と、しっかりした分別。売れる物は確実に有価物として出す」という「基本の徹底」を全事業所で行っています。

小峯:貴社の事業所に伺うこともありますが、廃棄物保管場所が本当にきれいですもんね。ここまで整理を徹底できているところは、あまり見たことがありません。

金子氏:荏原は、過去に、ダイオキシン流出事故※を起こしてしまったことがあるため、水質汚濁を起こす危険性のある箇所については、本当に厳重に管理しています。ダイオキシン流出事故については、全社員が毎年受ける環境教育でも必ず扱いますし、「行動基本原則5か条」を策定し、事故が起こった3月23日を「行動基本原則再確認の日」と決めており、毎年、社長が全社員にメッセージを発信しています。

小峯:目標達成の秘訣である「基本の徹底」には、従業員の皆様一人ずつの意識を保つことが大事だと思います。「行動基本原則5か条」とは、どのようなものでしょうか?

171102_ebara002.jpg金子氏:荏原従業員全員が常に携帯している行動規範です。例えば「1.いかなる些細な行動も重大な結果につながることを自覚する」などで、社内でも様々なところに掲載し、いつも目に留まるようにしています。

小峯:資源循環の分野では、今後どのような取り組みをしていきたいとお考えでしょうか?

金子氏:細かいところでまだ改善できる部分が残っていると思っています。例えば、マテリアルリサイクル率は、全体では目標値を達成していますが、個別で見ると未達の拠点があります。特に廃棄物の発生量が少ないオフィス系でのリサイクル率を向上させていく取り組みを考えていきたいですね。

その他の取り組みとして、現在運用しているアミタの「廃棄物管理ベストウェイ」の事務所への導入を進めていきたいと思っています。マンパワーの補助になっており、導入している事業所では、業務の一部として必要不可欠な存在になっています。廃棄物管理は社会的に重い責任があり、厳しい法律も絡んできます。この部分をアウトソーシングすることは、コンプライアンス遵守や社内リソース確保の面でも大変役立っているんです。これに限らず、オペレーションをきちんとできるところに業務をアウトソースしていくことは、資源循環の分野で新たな取り組みを進めていくためにも必要だと考えています。

小峯:CO2排出量の削減も、グループ環境目標の項目として掲げられていますね。

金子氏:「CO2排出量の継続的な削減」を目標としています。2016年度は2015年度比2.8%増加となりましたが、省エネ法には準拠しており、原単位(1製品を生産するにあたり排出するCO2量)での削減は達成しています。

小峯:貴社のような機械メーカーでは、製造工程よりも、製品となり運転されているときの環境インパクトを気にされていると思います。そういった面では、貴社は環境対応製品の実績を多々お持ちですが、最近の製品ではいかがでしょうか?

金子氏:省エネに資する製品のラインナップを揃えて、開発・販売をしています。特に省エネルギー形ポンプ「Save Energy Pumpシリーズ」に力を入れています。こちらはモーターのエネルギー効率が大変高く、お客様の省エネルギーのご要望に応えながら、地球温暖化対策に貢献する製品です。

小峯:低炭素の分野では、今多くの会社がSBT(Science Based Targets)のような国際イニシアティブに注目しています。貴社ではいかがでしょうか。

金子氏:SBTは2015年に提唱されましたが、機械業界ではまだ一般的ではありません。しかし、「科学的根拠に基づいた排出削減目標」は企業の排出削減目標の新しいスタンダードとなるのではないでしょうか。環境対応製品の話がありましたが、弊社でもスコープ3までの算出について進めて行くことを検討しています。機械業界のリーディングカンパニーとしてやるべきことを検討していきたいと思います。

小峯:自然共生の分野では、これまでどのような取り組みをされてきたでしょうか。

金子氏:荏原は2007年から神奈川県と森林再生パートナー協定を結び、神奈川県の「かながわ水源の森林づくり」を支援しています。社員が現地に行って、間伐などの森林整備をするものです。また、藤沢事業所には1haを超えるひとかたまりの緑地帯があり、これを「えばらの森」と呼んでいます。えばらの森には猛禽類も生息しており、自然観察会などを開催しています。

環境マネジメントシステムの全社統一で足場を固め、業界のリーディングカンパニーとして目指す方向へ。

小峯:ISO14001の2015年版への移行が完了されましたとうかがいました。大変なご苦労があったと思います。今後、どのような効果を期待されていますか。

金子氏:ISO14001:2015への認証移行を機に、荏原製作所各事務所・事業所の環境マネジメントシステムを統一しました。今までは事務所・事業所ごとに環境マネジメントシステムを構築し運用していたのですが、独自運用には多大なマンパワーと手間がかかります。業務を一元化していくことで、より効率化が図れることを期待しています。また、今回の統一は事業を通じて環境に貢献していくための大きな一歩になったと思っています。

小峯:SDGs(持続可能な開発目標)についてはどのようにお考えですか。

171102_ebara003.jpg金子氏:我々の事業活動をSDGsに紐づけるだけでは面白くない。業界のリーディングカンパニーとして、SDGsの目指す世界をどう実現するのかというところから、やるべきことを考えていかなければならないと思います。今年の社内CSR教育や環境教育でもSDGsについて取り上げましたし、アミタの主催する「SDGs戦略研究会」にも参加しています。企業単体で動くのではなく、様々な組織・企業とパートナーシップを結びながら、大きなことを含めてやっていくことを目指したいと思っています。

※神奈川県藤沢市内の引地川水系稲荷雨水幹線で発生した、高濃度のダイオキシン類汚染事故のこと。荏原製作所藤沢工場からの排出される焼却炉の排ガス洗浄水が原因だったため、即時に焼却炉の運転停止およびその排ガス洗浄水の排水を停止した。

話し手プロフィール

ebara_mr.kaneko.jpg金子 一彦(かねこ かずひこ)氏
株式会社荏原製作所
内部統制・リスク管理統括部 環境推進課 課長

1991年、株式会社荏原製作所に入社。質量分析を応用した環境計測機器の開発、ライフサイクルアセスメントの技術導入と製品環境影響評価の実施を経て、環境統括室(現環境推進課)に異動。環境規程類の整備、環境監査業務、全社員向け環境教育などを担当し、2017年より現職。

聞き手プロフィール

amita_komine.jpg小峯 慎司(こみね しんじ)
アミタ株式会社
環境戦略デザイングループ 東日本チーム ユニットリーダー

2008年アミタ株式会社に入社。グループ広報・マーケティング担当などを務めた後、現在は廃棄物のリサイクルや代替燃料・原料調達、新エネルギー導入や環境事業の立ち上げなど、企業の持続可能性を高めるための環境戦略や業務支援を提供。

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