世界には多くの森林認証制度があり、それぞれ運営団体や審査基準、適用地域などが異なります。今回は、日本でよく利用される3つの認証制度について、これらの違いをご紹介します。(FSC® N001887)
各種森林認証制度の概要と比較
世界には様々な森林認証制度があり、中でも最も広く普及しているのが、FSC®(Forest Stewardship Council®:森林管理協議会 以下、FSC)森林認証とPEFC(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes 以下、PEFC)森林認証です。
この2つは国際的な認証制度ですが、他にも国ごとに開発された森林認証制度が存在しています。日本では、2003年に国内の森林を対象としたSGEC(Sustainable Green Ecosystem Council:緑の循環認証会議 以下、SGEC)森林認証が開始されています。
また、それぞれの認証制度には、適切な管理がなされている森林を認証するFM(Forest Management:森林管理 以下、FM)認証と、FM認証を受けた森林から産出された木材・紙製品を、適切に管理・加工していることを認証するCOC(Chain of Custody 以下、COC)認証の2つがあります。
ここで、FSCとPEFCの特徴を見ていきましょう。FSCのFM認証の審査は、環境影響や地域社会、先住民の権利などを含む世界共通の10原則56規準に沿って実施されます。FSCのCOC認証の発行件数は森林認証制度のうちで最も多く、国際的に信頼性が高いと評価されています。一方、PEFCの特徴は、PEFCの基準に基づき各国の森林認証制度を相互承認していく点にあります。2016年6月には、SGECがPEFCから相互承認され、SGECの認証材はPEFCの認証材としても流通させることが可能となりました。認証取得に取り組む際は、それぞれの制度の特徴を把握し、販売先や市場がどの認証制度の認証を希望しているのか、会社として販売していきたい認証製品は何かなど、自社の目的に沿った制度を選択することが重要です。
| FSC | PEFC | SGEC | ||
| ※2016年6月に相互承認 | ||||
| 設立年 | 1993年 | 1999年 | 2003年 | |
| 概要 | 世界共通の原則・制度に基づいた国際的な森林認証制度 | 各国の森林認証制度を相互承認していく認証プログラム | 日本の森林を対象とした制度 | |
| 適用地域 | FM | 全世界 | 森林認証基準が作成されている国や地域の森林 | 日本のみ |
| COC | 全世界 | 全世界 | 日本のみ | |
| 件数 (認証面積) ※2017年1月30日時点 | FM | 世界・・・1,468件 (194,844,125 ha ) 日本国内・・・34件 (391,269 ha) ※グループメンバーの件数は含まない。 | 世界・・・7,346件 日本国内・・・件数不明 (※2017年2月6日から2月24日まで「7件」と記載していましたが、PEFC担当者へのヒアリングを行った結果「件数不明」に変更すべきと判断し訂正いたしました。) ※グループメンバーの件数も含まれる。 ※国内はSGECとの相互承認により、今後SGEC認証取得者も上記に含まれます。 | |
| COC | 世界・・・31,768件 日本国内・・・1,137件 ※マルチサイト、グループメンバーの件数は含まない。 | 世界・・・18,817件 日本国内・・・171件 ※マルチサイト、グループメンバーの件数も含まれる。 ※国内はSGECとの相互承認により、今後SGEC認証取得者も上記に含まれます。 | ||
※FM…FM(Forest Management:森林管理)認証:責任ある森林管理を認証するもの
※COC…COC(Chain of Custody)認証:認証された森林から産出された林産物の適切な加工・流通を認証するもの
森林認証を取得する企業が増加
現在、世界的に森林認証を取得する企業が増加しています。日本では、これまで製紙会社や印刷会社など、印刷用紙を扱う企業が中心でしたが、近年、段ボールメーカーなどパッケージング業界にも取得が広がっています。背景として「持続可能な調達」に取り組む企業が増えていることが考えられます。大手流通企業やメーカー企業が「持続可能な調達」の一環として、森林認証製品を自社の製品パッケージや配送材に使用することを決めたため、サプライチェーン全体で森林認証の取得に取り組んでいるといったケースが多く見られます。
2017年には、企業が持続可能な調達を行うためのガイドラインであるISO20400が発行される予定であり、今後ますます森林認証を含む「持続可能な調達」に取り組む企業が増えることが予想されます。
参照
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執筆者情報
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おしあみへんしゅうぶ
おしアミ編集部
アミタ株式会社
おしえて!アミタさんの編集・運営担当チーム。最新の法改正ニュース、時事解説、用語解説などを執筆・編集している。
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