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省エネ・再エネ施策に関する国の補助金制度

本コラムは「省エネ」や「創エネ※」が、今後企業に与える影響を想定し、いかにリスクを減らしてチャンスにつなげていくかをテーマにします。最終回となる第7回目は、再エネ・省エネ施策に対する国の補助金制度について紹介します。

※「創エネ」とは、創エネルギーの略称であり、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどを活用して再生可能エネルギーを作り出すことです。

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国の補助金制度(平成29年度を例に)

省エネや再生エネルギー(再エネ)を積極的に推進していくために、国は予算処置を行い一部の施策には補助金が受けられるシステムが構築されています。平成29年度の一部事業に対する補助金は、(1)省エネ補助金と(2)再エネ補助金の2種類に分けることができます。(2)再エネ補助金の中には、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)も含まれています。

(1)省エネ関連の補助金

対象団体等で、民間事業者などを対象としている補助金は以下の7項目があります。その内、No.1についてはCO2削減ポテンシャル診断であり、年間のCO2排出量が50~3,000t-CO2の中小企業やオフィスビルなどが対象となります。この診断を実施した報告書を元に次年度にはNo.2の低炭素機器導入の補助金申請が可能となります。

No公募された補助金制度の名称(H29年度)公募団体H29年度補助金予算額補助金制度対象団体等
地方公共団体非営利民間団体民間事業者など
1CO2削減ポテンシャル診断推進事業のうちCO2削減ポテンシャル診断事業(消費税のみ依頼事業者負担)非営利法人17億円計測あり:100万円/事業者
計測なし:50万円/事業者
年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満の企業
2CO2削減ポテンシャル診断推進事業のうち低炭素機器導入事業非営利法人上限3,000万円
(削減CO2 1t:10万円)
年間CO2排出量が50トン以上3,000トン未満で
CO2削減ポテンシャル診断を実施した者
3二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金エコリース促進事業民間団体19億円リース料総額の2%~5%
指定リース事業者に助成
4二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
低炭素ライフスタイル構築に向けた診断促進事業
非営利法人2.1億円原則として補助対象経費と基準額(7,000円/件)を比較していずれか少ない額
5二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
省CO2型リサイクル高度化設備導入促進事業
非営利法人15億円1/2以内
6二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
先進対策の効率的実施による二酸化炭素排出量大幅削減設備補助事業
非営利法人37億円1/2以内
7二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金
廃熱・湧水等の未利用資源の効率的活用による低炭素社会システム整備推進事業
非営利法人22億円中小企業:2/3以内
それ以外:1/3以内

出典:環境省 報道発表資料 を基に表を(株)オオスミが作成。

上記以外に地方公共団体などと民間企業が協働し補助金が申請できる制度を含めると20項目ほどの制度があります。

(2)再生エネルギー関連の補助金

省エネの補助金制度と比べると主なものは合計6項目しか確認できず、現状補助金の整備は省エネのほうが充実しています。注目されている再エネは、太陽光、風力、バイオマス、中小水力、地熱などになります。

区分No名称H29年度補助金額機器導入など買取期間対象者
新規既存調査既存更新地方公共団体発電事業者非営利民間団体民間事業者など
買取制度1再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT) H29年度各再エネや容量で買取価格変動×10~20年
各再エネや容量で買取期間変動
税制措置2グリーン投資減税(平成28年度以降に対象設備追加)
※2

※2

※2

※2
補助金3平成29年度再エネコンシェルジュ事業(案件形成支援)調査支援費用
※1
×××
4平成29年度水力発電の導入促進のための事業費補助金
地域理解促進等関連事業
5,000万円
又は
10万円/kW
※3
×××××
5平成29年度水力発電の導入促進のための事業費補助金
水力発電更新事業
調査
(2/3以内)
更新
(1/3以内)
××××
6平成29年度再生可能エネルギー熱事業者支援事業(予算額)1億円×××××
(1/3)
※2

※1:一部業務内容により事業所負担が必要
※2:法人及び青色申告を行っている個人事業者
※3:当該補助事業に関連する新規開発計画または再開発計画の水力発電所の出力

出典:経済産業省資源エネルギー庁「なっとく 再生可能エネルギー 公募一覧 2017年度」と「なっとく 再生可能エネルギー 各種支援制度 グリーン投資減税」を基に表を(株)オオスミが作成。

現時点では、資金に余裕がある企業は、建屋屋上や敷地内で空いている部分に太陽光パネルを設置し、発電させた電力を再生エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に活用することが望ましいと考えます。但し、FITの価格は年々下がる傾向であることが懸念されます。その先を見すえて企業としては、利用電力に合わせたエネルギーシステムの設置容量の選定、蓄電池の設置、蓄電池を使ったピーク電力のカットなどを進めていく必要があります。電力供給の主体を火力発電(化石燃料)に委ねるのではなく、地域や企業などと協力し再生可能エネルギーを上手く使用しながら、少しでも現状を変え、希望ある未来を作り上げる必要があります。

CO2排出量は、パリ協定の発効により日本は世界から、企業などは国から注目され、CO2削減は日本全体における大きな命題となっています。平成30年度も引き続き、同様の補助金事業が計画されるのではないでしょうか?概ね4月頃から公募内容が公開されますので、関係省庁の情報を注視していく必要があります。下記に参考となる関連企業名を記載しておきます。

1. 一般社団法人 低炭素エネルギー技術事業組合
2. 一般社団法人 ESCO・エネルギーマネジメント推進協議会
3. 一般財団法人 環境イノベーション情報機構 
4. 公益社団法人 廃棄物・3R研究財団
5. ASSET
6. 一般社団法人 温室効果ガス審査協会

執筆者情報

いいじま まさあき

飯島 政明

株式会社オオスミ 調査第二グループ

山梨県機山工業(現、城西高校)高校機械科を卒業後、半導体を製造している大手半導体メーカーでファシリティーの管理・省エネ改善と環境管理の業務を経て現職。現在は「省エネ診断及び環境関連の法令」についてのコンサルティングを60社以上の企業に提供し、好評を得ている。

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