小さなアイディアで、本業が社会貢献に ―"面白いサービス"を"CSR活動"につなげる『緑のgoo』方式- | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

NTTレゾナント株式会社 サーチ事業部 サービス企画部門 望月 綾子 様 / 石澤 悟郎 様小さなアイディアで、本業が社会貢献に ―"面白いサービス"を"CSR活動"につなげる『緑のgoo』方式- 初心者向け


普段使っているポータルサイトを『緑のgoo』に変える。それだけで、社会に貢献できる―。そう言われたら、「本当に?」と思うかもしれない。しかし、2007年のオープンから5年間で、『緑のgoo』が環境NGO・NPO団体に寄付した金額は累計で4,300万円に上る。しかも、『緑のgoo』は、ユーザーにとって面白いサービスとは何かを追求することが事業収益につながり、結果としてCSR活動の拡大に繋がっている。ユーザーにとっても企業にとってもメリットがある社会貢献を実現する仕組みとは、どんなものなのだろうか。『緑のgoo』を運営するNTTレゾナントの望月氏、石澤氏に話を伺った。


―『緑のgoo』の概要を教えてください。

望月氏:『緑のgoo』は環境貢献型のポータルサイトで、提供するサービスや機能は通常のgooと同じです。普段使っているポータルサイトを『緑のgoo』に変えていただき、普段通りに使っていただくだけで、私たちには広告収入をはじめとする収益が生まれます。その一部を、環境保全活動を行っているNPO等の団体に寄付させていただくという仕組みです。

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―どういったきっかけで始まったのですか?

石澤氏:もともとNTTグループでは、"つなぐ、それはエコ"をテーマに、環境教育等さまざまな取り組みを一丸となって行ってきました。NTTレゾナントの前身であるNTT-Xは、1997年より国産のWebサービスとしてポータルサイト「goo」の運営を開始し、1999年にはエコ情報を伝えるためのポータルサイト『環境goo』をオープンしています。ただ、活動を続けるうちに、次第に"伝える"だけでは物足りなくなり、「自分たちも、本業である検索サービス等を使って何か社会貢献に参加できないだろうか」と考えるようになったんです。そうして、現場から『緑のgoo』の構想があがってきました。

goo自体が社内ベンチャーから始まっていて、新しいことを推奨する空気があるので、『緑のgoo』もすぐに実現しました。最初は小さな検索プラグインの企画から始まったのですが、firefoxと一緒に緑のgoo版を共同開発・リリースする等してユーザーにご評価いただき、だんだんと今の形になっていきました。


―この夏にはリニューアルも行いました。

望月氏:『緑のgoo』 をご利用いただいているユーザーの社会貢献度を可視化するため、サイトのトップページ右横に、「自分の木」を育てるスペースを設けました。サイトを使用する回数が増えると「ジョウロ」に水が溜まり、種に水を与えることができます。種は芽吹いて成長し、やがて一本の成木となります。そうすると、『緑のgoo』検索トップページに木を植えることができるのです。最初はただの原っぱだったフィールドが、木を植えることによってどんどん豊かになっていき、花が咲き、蝶が舞う森になります。このフィールドの変化は『緑のgoo』に参加しているみんなで作り上げていく仕組みになっています。1つの森が完成したら、また別のフィールドに一から木を植え森を作っていく。"自分がどれだけ環境に貢献しているのか"が目に見えてわかったら、ユーザーの達成感と継続的な貢献につながると考えて実装しました。

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―遊び心がある素敵な仕掛けですね。しかし、CSR活動でこうした工夫をすると、社内で「コストがかかる」と反対されるケースもあるのでは?

望月氏:いえ、むしろ逆ですね。いいアイディアを思いついても、現実的なことを考えると「実装は難しいかな」「時間やお金がかかるかな」とつい消極的になってしまうことがあります。でも、上司や周囲の人に相談すると「その機能削ったらやりたかったこと、ユーザに伝えたかったことと離れてしまうのでは?」と言われるんです。「その分、ちゃんと結果は出してね」とも言われるのでプレッシャーもあるのですが(笑)ユーザーが離れてしまったら意味がないし、「ユーザー視点に立って楽しいかどうか」「使い続けたくなるかどうか」という部分はあきらめてはいけないと思っています。


―会社全体で『緑のgoo』を使っている企業のことを『企業パートナー』と呼ばれていますね。反応はいかがですか?

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望月氏:企業のCSR担当者の方から、「何か社会貢献をやってみたいけど、どうやって取り組めばいいかわからないし、予算も少ない」というケースを聞きます。『緑のgoo』に企業として参加することはお金がかかりませんし、普段使っているサイトを少し変えるだけで環境保全活動に繋げられると好評です。また、担当者がどんなにCSRや社会貢献という大義名分を唱えても、社員に取り組んでもらうのは大変なんですよね。"木が育っていく"というちょっとした仕掛けがあることによって、社員の方にも楽しんで使ってもらえるのではないでしょうか。


―寄付先はどうやって決めているのですか?

石澤氏:「今年は地域密着型の環境活動に寄付しよう」等、その年ごとに方針を決め、それに合う団体に寄付しています。現在はやはり被災地支援を重視しています。寄付先団体を公益社団法人国土緑化推進機構にしており、東日本大震災の緑化復興支援に役立ててもらっています。寄付金の使途については、どんな活動に使ったかという報告をきちんとしていただいてサイトに掲載し、『緑のgoo』をご利用いただくユーザーに報告しています。


―『緑のgoo』によって得られたメリットはありますか?

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石澤氏:まず、ユーザーからたくさんの共感や賛同をいただけました。「いい取り組みですね!」という声がぞくぞく届き、ユーザーさんとの距離が縮まったような気がして嬉しく思いました。こうした方々は継続して使っていただいています。さまざまなポータルサービスがある中でgooを選んでいただける大きな理由になっていると思います。

サービス開始から5年の間に大変多くのユーザーにご利用いただいており、企業パートナー数は100社以上、これまで寄付した団体は82団体。企業や団体の方とも一過性ではないお付き合いができていますし、一緒に『緑のgoo』を盛り上げていこうという良い関係を築くことができました。もちろん収益にもつながっていますが、それだけではなく、数字には表れない価値もたくさん生まれています。

社内でも評判が良く、グループ会社の社員から「"緑のgoo"、素晴らしいですね!」と話しかけられることも。社内コミュニケーションにも役立っているんです。震災前からエコがブームになっていましたが、NTTレゾナントではそれ以前から継続的に環境のことを考えて取り組んできました。「私たちの企業は価値あることをしている」と自社に対して誇りを持てること、それ自体も大きなメリットですね。


―活動を継続する秘訣を教えてください。

石澤氏:『緑のgoo』は、大々的に活動を始めるのではなく、小さくスタートして、「本当に役立つか」「何が求められているのか」等様子を見ながら成長させていきました。その自然な流れがよかったのでしょうね。また、他の企業の環境担当者様のお話を聞くことがありますが、本業とかけ離れた活動は継続することが難しいようです。やはり自分たちの事業に絡めて価値を生み出すことが重要だと思います。

望月氏:『緑のgoo』自身も、"ユーザーに負担感がなく、普段通りに検索をするだけでいい"という点を大事にしてきました。特別なことは、なかなか続きませんから。"普段やっていることを少し変えて、社会貢献につなげる"これがキーワードではないでしょうか。


▼『緑のgoo』を詳しく知りたい方はこちらをクリック!
http://green.goo.ne.jp/info

プロフィール
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望月 綾子 氏
NTTレゾナント株式会社
サーチ事業部 サービス企画部門 主査


2000年よりgooに在籍。CS担当としてユーザー目線でのサービスの改善業務に携わる。2004年よりコンテンツプロデューサーとしてキッズgoo、ヘルスケア、ダイエット系のコンテンツ、2012年4月より緑のgooを担当。

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石澤 悟郎 氏
NTTレゾナント株式会社
サーチ事業部 サービス企画部門 主査


2005年よりgooのマーケティングを担当、他企業とのパートナーシップ連携業務に携わる。ウェブ検索サービス、緑のgooサービスを経て、現在gooトップ担当。

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