処理会社のデータベースサイト「さんぱいくん」と「優良さんぱいナビ」とは~後編~ | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団 企画調査部 部長 改田 耕一 氏 処理会社のデータベースサイト「さんぱいくん」と「優良さんぱいナビ」とは~後編~

前回は、産廃処理業者の底上げを図ってきた公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団の改田氏に処理会社のデータベースサイトである「さんぱいくん」と「優良さんぱいナビ」を構築してきた背景等をお聞きしましたが、今回は利用する際のポイントや今後の展望について伺いました。


堀口:「さんぱいくん」と「優良さんぱいナビ」を利用する際のポイントは何ですか?

改田氏:さんぱいくんは処理会社を客観的なデータから1次スクリーニングするのに適しています。一方、優良さんぱいナビは、処理会社の最終決定に適しています。希望する処理会社の条件がどの程度明確になっているかによって、使い分けていただくことのがよいと思います。

優良さんぱいナビ

 

さんぱいくん

優良さんぱいナビには優良認定業者の情報だけが公表されており、一定の信用は担保されているので、例えばさらに、「このリサイクルの方法で処理して欲しい」等、希望の処理技術がはっきりしている場合は、直接いきなり優良さんぱいナビで検索すれば素早く検討できます。逆に絞込みの条件が明確に決まっていない場合は、まず客観的なさんぱいくんで許可情報や処理工程図や処理実績、財務諸表など客観的なデータを基にスクリーニングし、優良認定業者については処理会社を、さらに優良さんぱいナビで詳細に検索、比較するといった感じです。

堀口:優良認定を取得している処理会社でないと使いたくない、もしくは推奨している等、社内ではそこを第一優先として考えているという排出事業者さんの声はありますか?

改田氏:少なくとも優良性評価制度の時代より格段に多くなってきましたね。

堀口:確かに、私も排出事業者さんの優良性評価制度に対する姿勢と優良認定制度に対する姿勢が明らかに違う、というのは感じています。理由は、法的な位置づけが変わったということが大きいと思うのですが、いかがでしょうか?

改田氏:私も旧制度以前は法的位置付けが弱すぎだったと思います。加えて、許可証の表示変更の効果威力も大きいですよね。優良認定を取得しているかどうか、誰が見てもすぐにわかります。自動車の優良ドライバーを連想できるにひっかけたのもがわかりやすくてよかったかもしれませんね。このほか、排出事業者が毎年報告を求められている多量排出事業者報告で、優良認定業者に処理を委託している場合にはその旨を記載することになったことも効果が大きそうです。新制度になってから、処理業者は排出事業者から優良認定取得の有無を聞かれることが増えているようです。

堀口:あと排出事業者さんも現地確認をやらずに済まそうという、若干不純な動機も実はあるのではないでしょうか?以前の制度に比べ、制度が始まったタイミングが良かったのかもしれないですね。

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改田氏:ちょうど現地確認の努力義務の開始と同じタイミングでしたからね。委託先が優良認定業者の場合は現地確認に行かなくてよいいと条例で定めに書いている自治体があるのも、排出事業者さんの反応が以前に比べてよい理由の一つだと思います。

堀口:条例を見て排出事業者さんも「それならいいか」となっていると思います。そういう意味では、うまく制度が浸透してきているのですから、優良さんぱいナビの登録業者もしっかり増えてくることを期待したいですね。今後の展開はどのようにお考えですか?

改田氏.:優良認定業者はこの9月末で600社を越え、優良さんぱいナビでの検索は相当「使える」はずです。さんぱいくん、優良さんぱいナビの効用や使い勝手を排出事業者の皆さんにもっと知っていただけるよう普及を進めます。話が少し変わりますが、産廃情報ネットについては、産廃行政の地方独自ルールによる非効率の部分を少しでも軽減できるような貢献ができないものか、と考えています。

産業廃棄物行政では、地域の特性に合わせて、各自治体の責任と権限で業・施設の許可、監視・指導等が行なわれています。許可や監視・指導を地元の地方行政が担うことはあまり異論のないところでしょうが、産業廃棄物は全国を移動するため、ルールは全国統一である必要がありますし、特に細かい報告様式などは作業や手間に直結するため全国共通でないと処理業者も排出事業者も困ります。例えば、法律で定まっている報告様式にはない報告事項が追加されて様式が変更されたり、また処理業者の役員変更や保有車両の変更・登録も、自治体毎に場合によっては異なる手続きが求められているようです。

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地域の特性に合わせて管理するような性格の情報ではなく全国で一元的に管理・公表されるべき情報については、産廃情報ネットが情報の受け皿、インフラになって貢献できないものか、と思います。もう少し話を広げれば、産廃情報ネットに掲載されている処理業者の皆さんの許可情報はこれまで処理業者の意思とアクションで情報公表されていますが、いつの日か、各自治体から提供され、閲覧できるようになれば負担の面からも精度の面からもいいですよね。地方分権は政治に左右されがちですが、本来は、産廃行政における地方分権のあり方や情報公開・共有のあり方について根っこから議論すべきなのだと思います。このようなデータベースにおいては、今後は許可情報の最新データを正確に掲載していただけるかどうかがポイントになります。

以前は排出業者さんより「許可がない会社が載っている」とか「許可切れているけどなんで?」など、かなり言われましたので、許可期限切れから1年経ってしまったものは掲載しないように運用していました。しかし、それでは根本解決にはならないので、現在はとにかく最新情報を載せてくださいと伝えています。「さんぱいくん」や「優良さんぱいナビ」とは別に、環境省の検索システムもあり、そこでは正確な情報が掲載されているのですが、許可の発行から最新情報が掲載されるまでタイムラグが発生しています。ですので、話が少しそれてしまい申し訳ありませんでしたが、今後議論が深まり、皆様に一層役立つデータベースサイトとなることができるよう努力してまいり今後は環境省と一緒に許可証を同じ機械で発行して、どこか一箇所にデータが入るということをいつか実現したいと思っています。

堀口:いずれにしても11月28日に無料開催するセミナー「廃棄物処理業界の未来予想図から考える、優良産廃処理業者認定制度の活用方法」 では排出事業者さんも処理業者さんも両方来ていただいて、業界全体が将来的によい方向に進めばいいですね。

改田氏:そうですね。そのためにも、セミナーではインフラに関して皆さんに役立つ情報をお伝えしたいと思っています。

ありがとうございました。

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左:堀口 右:改田氏

語り手

改田 耕一 (かいでん こういち)
公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団 企画調査部 部長

      東京大学工学部卒業、日産自動車入社後、コンサルティング会社を経て、2005年4月より財団勤務。優良産廃処理業者認定制度の普及啓発、産廃経営塾などの人材開発を通して業界の健全な発展に注力して取組む。
聞き手

堀口 昌澄 (ほりぐち まさずみ)
アミタ株式会社 主席コンサルタント(行政書士)

    早稲田大学卒業後、廃棄物のリスク診断・マネジメント構築支援、廃棄物関連のコンサルタント、研修講師として活躍中。最近では、廃棄物処理業者の評価/選定システムの 構築も行っている。個人で運営しているブログ「議論de廃棄物」も好評を得ている。『日経エコロジー』にて廃棄物処理法に関するコラムを連載中。
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