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コラム

第4回:法の対象範囲を比較する堀口昌澄_連載「揺らぐ廃棄物の定義」

Holiguti_4_Some_rights_reserved_by_pennstatenews.jpg本連載シリーズでは、廃棄物関連のコンサルタントや研修を数多く実施してきたアミタの主席コンサルタントの堀口昌澄が、連載12回を通じて、「揺らぐ廃棄物の定義」について解説します。 廃棄物を取り巻く法の矛盾や課題を理解することで、今後起こりうる廃棄物関連法の改正への先手を打つことができます。

今回は、食品リサイクル法の対象範囲から廃棄物の定義について解説いたします。

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法の対象範囲を比較する

食品リサイクル法の目的の一つに「食品に係る資源の有効な利用の確保」が挙げられており、そのために「食品循環資源の再生利用を促進」などをすることとされている。食品循環資源とは「食用に供することができないもの」などを指すが、廃棄物であるかどうかは問われていない。たとえば、調理残さが飼料等の原料として有償で取引(売買)される場合は廃棄物とはならないが、食品リサイクル法の対象になる。

旧来の廃棄物管理の発想では、有価で販売できるものは当然リサイクルされるものであり、それ以上の取り組みの必要性を感じない。有価売却できれば廃棄物ではなくなり、発生量ゼロとなるからだ。しかし、食品リサイクル法の対象となると、リサイクルだけではなく発生抑制及び減量(Reduce)を検討することになる。有価かどうかはここでは関係ない。

そもそも3Rの優先順位はReduce、Reuse、Recycleである。有価物化やリサイクルの優先順位は最後なのだ。したがって環境負荷の低減を考えるなら、食品リサイクル法の考え方が正しい。有価・無価は原料としての質や、市場での需給バランスによって左右されることが多い。需給が逼迫したために有価になったからと言って、飼料等の原料として使用されること自体は変わっておらず、環境負荷に変化があるわけではない。法律上の扱いも変えるべきではないと考える。

確かに、廃棄物処理法第1条では目的として「廃棄物の排出を抑制し」と書かれており、多量排出事業者に減量計画を出させている。しかし、有価物を対象に入れない現行の廃棄物処理法は3R推進の政策としては中途半端である。

リサイクルに対する考え方

食品リサイクル法の「再生利用」とは「食品循環資源を製品の原材料として利用するために譲渡すること」であり、「熱回収」とは「熱を得ることに利用するために譲渡すること」を意味する。つまり、有価物として売却できるかどうかではなく、文字通り再生利用、熱回収をするかどうかで判断している。そして、目標値を定め計画を提出させるなどして再生利用を促している。

一方、現在の廃棄物処理法の「再生」は、埋立と同等の「最終処分」としての扱いしか受けていない。多量排出事業者の計画と広域認定など、申請による受け身の特例措置はあるが、目標値の設定をはじめとした「再生」を奨励する積極的な仕組みは廃棄物処理法の本体には組み込まれていない。

循環型社会実現のために

循環型社会を実現するためには、廃棄物等(有価物含む)を対象とした法制度とし、個別リサイクル法のように廃棄物の種類を列挙し、それぞれについての再生方法を認定して、その再生ルートに乗ったものは規制を緩和するといった方法を取るべきではないだろうか。行政コストは増すかもしれないが、そこは収集運搬業許可を全国で一本化し、地方自治体の法定受託事務を減らして、自治体職員を地方環境事務所で受け入れるなどの行政改革で対応できるのではなかろうか。

次回は、自動車リサイクル法との対比から解説いたします。

※本コラムは、環境新聞にも連載中です。

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執筆者プロフィール(執筆時点)

堀口 昌澄 (ほりぐち まさずみ)
アミタ株式会社 
環境戦略デザイングループ 環境戦略機能チーム 主席コンサルタント(行政書士)

産業廃棄物のリサイクル提案営業などを経て、現在は廃棄物リスク診断・廃棄物マネジメントシステム構築支援、廃棄物関連のコンサルタント、研修講師として活躍中。セミナーは年間70回以上実施し、参加者は延べ2万人を超える。 環境専門誌「日経エコロジー」にも連載中。環境新聞その他記事を多数執筆。個人ブログ・メルマガ「議論de廃棄物」も好評を博している。大気関係第一種公害防止管理者、法政大学大学院特別講師、日本能率協会登録講師。

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