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廃棄物処理において、排出事業者と処理会社は法令遵守のためにも情報共有が重要だと聞きましたが、それはなぜですか。

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2012年の利根川水系浄水場でのホルムアルデヒド検出では、廃棄物の適正処理に必要な情報が排出事業者から伝達されなかったために原因物質が公共用水域に排出されたのが主な原因と考えられています。このことがきっかけで廃棄物情報の提供に関するガイドライン―WDSガイドライン―が2013年に改訂されたことはご存知かと思います。

このように廃棄物を安全で適正に処理するためには、排出事業者、収集運搬会社、処分会社がしっかりと情報を共有し合い、安全対策で連携しあうことが大切です。今回は多くの排出事業者から発生品に関して再資源化のご相談をいただいてきた当社の経験を元に、排出事業者から廃棄物が出荷されて処理業者へ到着するまでの間に発生するリスクの具体的な事例をご紹介します。

ケース:出荷前と出荷後で形状が違う廃棄物。運搬時の漏洩リスク

これまで乗用車の運転中に、前を走っているトラックが、何かのしずくを垂らしながら走る状況を見られた事はありませんか?トラックの横には「産業廃棄物収集運搬車」の表示が...。垂れているのは何の液?有害性は無いものかな?荷主もなぜこんな状態で出車させたのか?と...。

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実はこの様なケースでも、排出事業者での出車時点では、特に問題なく出発し、運搬の途中でそうなってしまうケースがあります。特に、水分を多く含んだ汚泥を運ぶ場合は、運搬走行中の振動で汚泥が液状化現象を起こし、汚泥から水分がにじみ出てきて、それが荷台から道路へ垂れ出てしまう事もありえます。これは荷姿がバラのものでも、フレキシブルコンテナバック (以下、フレコンバックと略します)に入ったものでも、どちらのケースでもありえます。

(写真はフレコンバックです。)

暴風雨によって屋根付き廃棄物保管置場にまで雨が吹き込んでしまった、脱水機の調子が悪くて汚泥の絞りがいつもより緩くなってしまった等、この様なケースでは、意図せずとも上記事例が起こるリスクが高まります。

水分の多い廃棄物を運搬する際には

この様な水分の多い廃棄物を運搬する際には、

  • 水密性の高い車両で運搬する
  • フレコンバックの周囲にナイロン袋をかぶせ、トラック荷台にはブルーシート等を引いておく
  • 出荷自体を遅らせてしっかり水切りを済ませた後に出荷する 等

の漏洩防止対策が必要になります。

アミタの廃棄物管理

当社では、入荷いただいた原料において、この様なリスク等の問題が見られた場合は、排出事業者様へ写真付きの「廃棄物運用改善シート」というものを発行し、問題の発生状況を的確にお伝えし、排出事業者様の廃棄物管理システムの向上にお役立ていただいています。 アミタは35年以上の廃棄物管理実務の経験を背景に、法令違反リスクを極限まで下げるソリューションを提供しています。また、海外での支援実績もございますので、ご希望の方はこちらからご依頼・ご相談ください。


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執筆者プロフィール
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山口 英明 (やまぐち ひであき)
アミタ株式会社
循環資源製造グループ 生産技術チーム チームリーダー

1998年にアミタ株式会社へ合流。生産部門での安全、環境、生産技術改善等を中心に従事。1999年の姫路循環資源製造所におけるISO14001の認証取得においては、事務局メンバーの一員として中心的役割を果たし、以後、生産現場における安全管理や環境リスクの低減等、現場視点からの的確な課題解決や改善に向け、日々邁進中。

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