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ASC認証とはなんですか?

ASC認証は養殖水産物に対するエコラベルです。ASC(Aquaculture Stewardship Council: 水産養殖管理協議会 以下ASC)による、環境に負担をかけず地域社会に配慮して操業している養殖業に対する国際的な認証制度のことです。日本では2016年3月に宮城県南三陸町の宮城県漁業協同組合志津川支所(カキ養殖業)が初めてASC養殖場認証を取得しており(取得審査・認証はアミタ株式会社が務めました)、今後日本国内でも認証制度の広がりが期待されます。

ASC認証のしくみ

ASC認証には養殖業者を認証する「ASC養殖場認証」と、認証されたそれぞれの水産物のトレーサビリティを確実にするための「COC(Chain of Custody:加工流通過程の管理)認証」があります。認証を受けた製品には、ロゴマークをつけることができます。ASC養殖場認証の審査規格は魚種ごとに作成されます。2016年10月現在、サケ、トラウト、エビ、二枚貝(アサリ・ホタテ、カキなど)、ティラピア、パンガシウス、アワビの7魚種の規格が作成されており、ブリ・スギ類が作成途中にあります。

なお、天然の水産物に関する環境認証はMSC(Marine Stewardship Council: 海洋管理協議会)認証と言います。どちらの認証も、持続可能な水産業のため水産資源や海洋環境を守るために厳しい取り組みが求められます。

ASC認証が生まれた社会背景

asc_static.png世界的に天然水産資源の枯渇問題が深刻化する中、水産養殖に対する需要は年々高まっており、2030年までには、世界の水産物の半分が養殖によって生産されるという世界銀行の予測もあります。しかし、養殖水産物に対する需要が高まったことにより、劣悪な労働環境、ずさんな現場運営、水質汚染、生態系の攪乱など様々な社会問題、環境問題を引き起こしています。

これらの社会背景からASCは2010年に設立されました。現在、世界で流通しているASC製品数は2016年9月30日現在で約6,300点(参照:ASCウェブサイト)と着実に広がってきており、ASCにより認証された水産品を日本で発売することは、責任ある水産業を後押しする助けになります。

持続可能な水産資源調達に向けた国内外の動き

research_ecolavel.pngASCが広まり、世界の養殖業が適正に管理されることにより、持続可能な水産資源調達が可能となり、ひいては2050年までに90億人になると予測されている人口の安定的な食糧供給にもつながります。

残念ながら日本ではまだ水産認証に関する認証ラベルの認知度が低いため、国内小売業のASC COC認証取得者増加とASC認証自体の普及啓発活動が望まれますが、エコラベルのマークがついた製品を選択したいというニーズも明らかになっています。
MSC・ASCの発表によれば、リオデジャネイロオリンピック・パラリンピックにおいては、約70トン、約35万人超分の認証適合水産物が提供され、今後、日本国内でも認知度が急激に高まることが期待されます。
2017年には「持続可能な調達」に関するガイドライン規格であるISO20400が発行予定であり、ASC/MSC認証など環境認証に対する注目はますます高まっていくと考えられます。今後は販売促進と持続可能なCSR調達を両立させるツールとして企業経営に影響を与えていくと考えられます。

関連情報

アミタグループは、2010年にMSC COC認証機関として、2012年にはASC COC認証機関としてそれぞれアジアで初めて認定され、2016年にはASC養殖場認証の認証機関として日本で初めて認証されました。南三陸町において日本初のASC認証もアミタが認証審査を実施しています。

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執筆者プロフィール

Narita.jpg成田 晴香 (なりた はるか) 
アミタ株式会社 環境認証チーム

神奈川出身。事業を通じ、あらゆる社会課題の解決を目指すアミタに魅力を感じ、入社。入社後、非対面の営業チームであるマーケティングチームにて、電話やウェブ、メールマガジンを通じて廃棄物および環境管理担当者に業務支援や教育ツールの案内業務を行ったのち、現在はFSCやPEFCなどの森林認証やMSC/ASCなどの海洋認証をおこなう、環境認証チームにて業務を行っている。

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