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インタビュー

イオントップバリュ株式会社 生鮮商品企画開発部 部長 山本 様企業の取組み姿勢としてMSC COC認証を取得、年間5000万ラベル(製品)の販売を目指す

流通小売業界大手のイオングループが展開するプライベートブランド『トップバリュ』。お客様のふだんの生活をより良く、との思いからイオンが自ら企画・開発した商品群を販売しています。 トップバリュはサブブランド『グリーンアイ』を1993年より展開してきました。

これらは自然の持つ力を最大限に活かして生産され、自然のおいしさを大切に考え、地球環境にやさしいことをコンセプトにされているそうです。 その中で、加工・流通過程のトレーサビリティに対する認証である「MSC COC認証」を取得し、さらなる商品力の向上に努められています。 イオントップバリュの生鮮商品企画開発部部長 山本様にお話をお伺いしました。

10社ほどの加工・流通会社に声をかけ、MSC COC認証により日本での流通・加工を可能にした

導入の経緯については、日本国内でMSC認証を取得しようとする漁業者を販売でバックアップするのが当初の目的でした。 しかし、欧米で大手小売を中心に MSC認証製品の取扱いが加速していったことが導入を早めるきっかけとなりました。それが2005年のことで、実際にイオンがMSC COC認証を取得したのは2006年の11月です。 当時当社のような流通小売業においてMSC COC認証を取得している企業が日本になかったために大変苦労しました。

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また、当時日本国内にMSC認証された商品はほとんどありませんでした。海外で認証されたものを日本に輸入して商品化したものを販売しなければならないのですが、取扱いできる加工・流通会社がありませんでした。 そこで10社ほどの加工・流通会社に声をかけ、一緒にMSCを日本に普及させようという活動を行いました。合計9社ほどに賛同していただき、認証を取得したように記憶しています。そういった流れを経て、2006年11月に初めて10品目を店内に並べることができました。

MSC認証取得によって企業としての意思表示を行う

MSC COC認証を取得するための書類作成準備については、それほど大変ではなかったのですが、社員への周知・徹底などが大変でした。 グループ認証として取得しましたが、その範囲は260以上の店舗・センターにわたり、それを同じ仕組みで管理しなければなりません。

そのために管理責任者を設け、内部監査ができるよう教育を行う必要がありました。 マニュアルを遵守するために、各事業所で20名~30名の人間を教育しなければならない。それらの人間に対し、MSC認証の本来の趣旨や仕組みを教育するのが大変でしたね、ここに1年以上掛かりました。

MSC COC認証を企業として取得し、MSC認証のエコラベル付き商品を本格的に販売する。これは、日本で一番多くの水産物を販売する小売業として「サステナブルな漁業の裏づけとなるMSC認証商品を数多く販売する事で、魚介類が永続的に漁獲でき日本の消費者にお届けできるよう」その責任を果たすための企業の意思表示ですね。

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まだまだ、お客さまにMSCエコラベルが意図するものをご理解頂くのは難しいのですが、MSC COC認証を取得した企業としては企業姿勢として、お客さまへのアプローチも継続して行っていく必要があると考えています。 幸いにして、店頭調査の結果、認証を取得してからの4年間で認知度は高まりました。

とはいえ、それは「MSCエコラベルを見たことがある」というレベルです。私たちはMSC認証をうけた製品と非認証製品で価格差があってはいけないという考えですね。まず買っていただくこと。そしてMSC認証についての理解を深めていただくことが重要だと考えています。

付加価値以上に漁業資源を守る思想が大切
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魚介類を販売するスーパーマーケットなどの小売業は、魚資源が無くなることは、販売するものがなくなるということです。 イオンとしては、現在、販売数が年間1000万ラベル(製品)まで拡大しました。今後、さらなる拡大をしようとしていますが、日本で販売することが可能なMSC認証された魚介類が少ないのが現状です。

現在でも漁業関係者に対して「MSC認証を取得してください」「取得していただいたら購入します」という働きかけは行っています。そうやって、地道な活動を行い、普及させることで年間5000万ラベル(製品)くらいの商品がお客さまに届くようになれば、大きく変わってくるのではないでしょうか。

水産資源の管理と有効利用は、今後ますます重要な課題になってきます。行政に任せるのではなく、行政を巻き込む形で、漁業、流通、加工、小売、魚に関わっている私たちみんながしっかり協力して消費者に参加してもらいながら、解決してゆかなければならないと思っています。

アミタグループのAIECでは、MSC COC認証の審査・認証を行っています

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MSC COC認証では、「持続可能で適切に管理された漁業」であると認定された漁業の水産製品には、ラベル(MSCエコラベル)をつけることができます。 製品の製造、加工、流通の全ての過程において、認証水産物が適切に管理され、非認証原料の混入や、ラベルの偽装がないことを認証するのが、MSC COC認証です。

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