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食品廃棄物の横流し・不正転売事件を受けて、全産廃連が作成した実地確認のチェックリストはどのようなものですか。

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公益社団法人全国産業廃棄物連合会(以下、全産廃連)により、廃棄食品の肥料化と飼料化を行う処理業の実地確認に使うチェックリストが作成されました。食品廃棄物の横流し・不正転売事件を受けて、排出事業者による必要な措置を徹底させるため作られたチェックリストです。このチェックリストにまとめられているポイントを実地確認でヒアリングして、委託先における処理の信頼度を判断するための情報を確認しましょう。

作成の背景

2016年1月に発覚した横流し・不正転売事件を受け「食品廃棄物の不適正な転売事案の再発防止のための環境省の対応について」が環境省から出されました。

この再発防止策では、以前の記事でご紹介した再発防止のポイントに加えて、排出事業者責任の徹底のため、処理状況の確認や適正な処理費による委託など、必要な措置の実施が排出事業者に求められています。そこで、処理状況について実地確認で確認するべき項目をまとめたチェックリストが全産廃連により作成されました。

チェックリストの内容

今回作成された産業廃棄物処理業 廃棄食品 実地確認チェックリストは、以下のような項目で構成されています。法対応のそれぞれの項目について、具体的にどのような点をどのような方法で確認すればよいかがわかりやすくまとめられています。

表.実地確認チェックリストの構成(全産廃連資料よりアミタ一部改変)

項目 概要
1 会社概要
  • 会社の概要
2 法対応の確認
  • 全てが適合する必要あり

-確認する書類の例-
■業許可:産業廃棄物処理業許可証
■登録・届出

【肥料化事業】農林水産省汚泥発酵肥料登録、普通肥料生産・販売業者届出、特殊肥料生産・販売業者届出

【飼料化事業】飼料生産・販売業者届出

3 廃棄物の受入から再生品の販売等の確認
  • 昨年実績の整合性の確認
  • 委託廃棄物の受入・処理・製品・処理残さ それぞれの処理過程での量の流れと根拠の確認
4 管理体制等の確認
  • 社内管理体制の確認
  • 処理費の設定根拠の確認
5 処理施設での確認
  • 工場の視察による確認
6 その他
  • 品質管理の確認
  • 施設の構造・維持管理に関する確認

産業廃棄物処理業〔廃棄食品 肥料化〕実地確認チェックリスト
産業廃棄物処理業〔廃棄食品 飼料化〕実地確認チェックリスト

2.法対応の確認、3.廃棄物の受入から再生品の販売等の確認、4.管理体制等の確認は、特に重要な項目とされています。

リスク削減のために注意すること

先述の横流し・不正転売事件に巻き込まれた企業の中には、年1回以上の実地確認を実施していた企業が複数ありました。単に行って終わりにしない、不正を見抜くための実地確認のスキルアップが求められています。

リストに沿ったチェックを行うことで、受入から製品までの一連の流れの中に不正につながる金額面・数量面の矛盾が無いか、そうした情報を適切に管理しているかなど、委託先の管理体制や施設の状況を実地で確認するためのポイントが分かります。

今回作成されたチェックリストを活用して、実地確認のチェック項目・体制を整備し、信頼できる処理委託先を選定しましょう。

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