鉱さいとは鉄や銅・亜鉛などの金属製錬(精錬)工程で発生したスラグや、鋳造工程で発生する鋳物砂などのことです。本記事では鉱さいのリサイクル方法や注意点についてご紹介します。
鉱さいとは
「鉱さい」とは高炉・電気炉・転炉等を用いた製鉄工程や、銅・亜鉛・アルミ・ニッケルなどの非鉄金属の製錬(精錬)工程で除去される不純物「スラグ」「ノロ」「ドロス」または、鋳造製品の鋳型として使われた「鋳物砂(鋳物廃砂)」などを指します。環境省発表の「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和3年度実績)」によると、2021年に全国で排出された産業廃棄物のうち「鉱さい」の排出量は3%を占める1,130万t/年あります。その再生利用率は91%で、再資源化が比較的進んでいる産業廃棄物だといえます。
製錬工程では、高温で溶融し液状になった金属の表面に、比重によって不純物が分離します。この不純物は最後には冷却されて固まり、石や砂のようになって排出されます。これがスラグと呼ばれるもので、鉱さいの一例です。 また、金属を鋳型に流しこんで製品とする鋳物の工程では、型の素材として砂が用いられますが、この鋳物砂も鉱さいとして排出されます。
鉱さいの処理・リサイクル方法
鋳造工程で発生する鉱さい類のうち鋳物砂(いものずな)は、主として珪石の代替原料として、セメント会社でリサイクルされています。スラグ(鉱さい)は路盤材の原料として、または一部前処理工程を経てセメント原料としてもリサイクルされています。
▼鉱さい類のリサイクル方法
| リサイクル方法 | 用途 |
|---|---|
| 路盤材 | ・道路を敷設するとき、アスファルトやコンクリートの路面の下には、地盤への荷重が適正に伝わるようにするため、路盤材と呼ばれる規格にのっとった強度と粒度で石や砂利を敷きつめる ・路盤材にはスラグや鋳物砂を再資源化した再生砕石が広く利用されている ・鉱さいの路盤材化にあたっては、成分や使われ方によっては有害物質溶出の心配があり、土壌環境基準上の問題が生じる可能性もある |
| セメント原料化 | セメント製造工程では天然原料として粘土や珪石を使用するが、鉱さいは成分次第でこれらの天然資源の代替原料に利用できる |
鉱さい類をリサイクルするときの注意点
鋳造工程の発生品(廃棄物)で大きな塊がある場合は、セメント会社の製造ラインではそのまま使用できないことがあるため、粉砕等の前処理が必要です。なお、鋳造工程から排出される発生品の場合、フッ素やホウ素等が環境基本法第16条第1項に基づく「土壌の汚染に係る環境基準(土壌環境基準) の溶出基準値を超えるケースがあります。基準値については、土壌環境基準の表をご参照ください。
2001年の環境省通知では、再利用物への土壌環境基準の適用については「道路用等の路盤材や土木用地盤改良材等として利用される場合には、再利用物自体は周辺の土壌と区別できることから、これらには(土壌環境基準を)適用しない。」と書かれています。しかし、自治体によっては、路盤材などの出来上がった製品に対して、土壌環境基準への適合を求めるところもある他、上記通知においても「路盤材、土木用地盤改良材等の再利用物の安全性の評価については、土壌環境基準及びその測定方法の援用が行われているが、現状有姿や利用形態に応じた適切な評価が行われる必要がある」と書かれていますので、注意が必要です。
また、鉄鋼スラグ協会では「鉄鋼スラグ製品の管理に関するガイドライン」を制定しており「産業廃棄物処理業者に処理を委託する際にはリサイクル製品の用途と品質基準に応じた「鉱さい」の成分、溶出分析を少なくとも年1回以上実施し、その結果を産業廃棄物処理業者に提出すること。」「委託する鉱さいが製鋼スラグで路盤材用途としてリサイクルされる場合は、リサイクル製品は、最新の道路用鉄鋼スラグ(JIS A 5015)に規定する水浸膨張比の規格値以下とすることを委託契約書に明記すること。」と明記するなど、より厳しい業界基準が共有されている例もあります。
アミタで受け入れ可能な鉱さいの種類
アミタでは鉱さいをはじめとした廃棄物の処理を行っています。アミタで処理できる鉱さいの種類は以下となっています。
▼アミタで受け入れ可能な鉱さいの種類
| 鉱さいの種類 | 鋳物廃砂、キュポラ炉スラグ、高炉スラグ、電気炉スラグ、 転炉スラグ、非鉄精錬スラグ、溶解スラグなど |
|---|
出典:アミタ
その他の受け入れ可能な廃棄物に関してはこちらからご確認ください。
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執筆者情報
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おの ひろし
小野 宏
アミタサーキュラー株式会社 循環資源研究所
中央大学法学部卒業 アミタ合流後、ゼロエミ支援や全国のリサイクラーとのネットワークを築きながらリサイクル提案や商品開発に取り組んできた。
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