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「無化物」か「有価物」か?|揺らぐ廃棄物の定義(第1回)

本連載シリーズでは、廃棄物関連のコンサルタントや研修を数多く実施してきたアミタの主席コンサルタントの堀口昌澄が、連載12回を通じて「揺らぐ廃棄物の定義」について解説します。 廃棄物を取り巻く法の矛盾や課題を理解することで、今後起こりうる廃棄物関連法の改正への先手を打つことができます。

今後の貴社の廃棄物管理に役立つ可能性がある本連載。
乞うご期待ください。

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廃棄物処理法施行当時の廃棄物の定義

廃棄物処理法における廃棄物の定義は、昭和46年の施行当時から「総合的に判断する」と通知で説明されており、行政指導も含め現場では「そのものが売れるか」で廃棄物か否かの判断がなされてきた。

「売れないから山の中に不法投棄される」「売れるのであればその心配はない」という考えに基づいて、売れないものに限定して規制したと考えられる。

それはそれで納得できる判断基準である。

当時は破砕、焼却、埋立という処分方法がメインであり、相応な処分費がかかる(無価物)一方で、リサイクルできるものには、有価物が現在より多かった。したがって「リサイクル可能物であれば有価物」「リサイクル不可物であれば無価物」と考えてほとんど問題は起こらなかった。一部「リサイクル可能物なのに無価物」となるものがあったが「専ら物」というカテゴリーを作り “事実上”廃棄物処理法から除外した。

つまり「リサイクル可能物であれば有価物」という一般通常人の常識的感覚と、廃棄物処理法の廃棄物の定義が違和感なく合致していたのである。

リサイクル技術の発展により、判断が難しくなる廃棄物の定義

ところが、リサイクル技術が発展してくると、専ら物以外にも多種多様なリサイクル可能品が増加し「リサイクル可能物 なのに 無価物」が増えてきた。これら無価物は廃棄物処理法の規制対象となり、リサイクルの普及にブレーキがかかっていた。今後も中長期的に資源・エネルギーの需給がひっ迫し、リサイクルの必要性が増すと予想されるが、そのためには「リサイクル可能物 なのに 無価物」について、旧来の焼却、埋立処分とは一線を画した規制の合理化が求められている。

さらに近年、売れる部分と売れない部分が複合した物品が排出されるようになってきた。このような場合、売れる部分の価値が高ければ、全体として有価物として売買の対象となる。しかし、買い取った事業者がフロンや鉛などの有害な部分を不法投棄するという問題が出てきた。このような「有害物質なのに有価物」については、適切な規制が必要であろう。しかし現状、一部のリサイクル法を除き廃棄物処理法では「有価物」に規制をかけることは難しい。もちろん、総合判断説により規制をかけることは理論上できるかもしれないが、現場の判断基準としては実用性に乏しく、これに依って排出事業者や処理会社が廃棄物処理法の解釈・運用をすることは難しい。

では「リサイクル可能物なのに無価物」と「有害物質なのに有価物」のように矛盾したものは廃棄物なのだろうか、そしてどのような規制が適切なのだろうか。図で示した通り、少なくとも一般常識と通常の廃棄物処理法とでは、判断は逆になると思う。

判断基準リサイクル可能物なのに無価物有害物質なのに有価物
一般常識○規制不要●規制必要
通常の廃棄物処理法●規制必要○規制不要
総合判断説
あるべき姿△規制緩和●規制必要
一部リサイクル法●規制必要(一部緩和)●規制必要
使用済家電製品の廃棄物該当性
の判断について(通知)
●規制必要
国際標準△規制緩和●規制必要

表中の「あるべき姿」は、私の個人的見解だが、実は国内のリサイクル法の考え方や一部の通知、判例、条約、諸外国の考え方と方向性は近い。本連載では、現行の「有価物か無価物か」という廃棄物該当性の判断基準を揺るがしているこれらの考え方、事例を題材に取り上げ、考察を加えていくことにしたい。

次回は、循環基本法と廃掃法における廃棄物の判断の違いについて解説いたします。

※本コラムは、環境新聞にも連載中です。

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執筆者情報

  • おしあみへんしゅうぶ

    おしアミ編集部

    アミタ株式会社

    おしえて!アミタさんの編集・運営担当チーム。最新の法改正ニュース、時事解説、用語解説などを執筆・編集している。

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