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特別管理産業廃棄物管理責任者とは何ですか?

本記事では特別管理産業廃棄物管理責任者の役割から設置義務、また必要となる資格や取得方法について解説します。

※この記事は2018年に執筆された記事を加筆、修正しています。

参考情報:廃棄物処理法についての解説記事は「佐藤泉先生の「廃棄物処理法・環境法はこう読む!」からご覧ください。

特別管理産業廃棄物管理責任者とは

特別管理産業廃棄物は、産業廃棄物の中でも特に危険性が高いもの(例えば、爆発性、毒性、感染性などの性質を持つもの)を指し、その管理にはより厳しい基準が求められます。特別管理産業廃棄物管理責任者とは、このような特別な管理が必要とされる産業廃棄物を適切に管理するために事業者が選任する責任者のことです。

特別管理産業廃棄物管理責任者に求められる役割とは

特別管理産業廃棄物責任者は、特別管理産業廃棄物の収集、運搬、保管、処理、処分に関する安全確保と、法令に基づく管理を徹底する役割を担います。

特別管理産業廃棄物管理責任者を設置する目的は「当該特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を適切に行わせるため」(廃棄物処理法 12条の2第8項)とあり、具体的な内容には触れられていませんが、環境省Webサイトでは次の通り紹介されています。

  • 特別管理産業廃棄物の排出状況の把握
  • 特別管理産業廃棄物処理計画の立案
  • 適正な処理の確保(保管状況の確認、委託業者の選定や適正な委託の実施、マニフェストの交付や保管等)

出典:環境省

特別管理産業廃棄物管理責任者の設置義務

特別管理産業廃棄物が発生する事業者は「特別管理産業廃棄物管理責任者(以下、管理責任者と表記)」を設置することが、廃棄物処理法で定められています (第12条の2第8項) 。 特別管理産業廃棄物管理責任者を設置しなかった場合は30万円以下の罰金も定められています。また自治体によっては、届出が義務付けられているケースもあります。

特別管理産業廃棄物管理責任者について、廃棄物処理法では次のように義務付けられています。

第12条の2第8項 その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者は、当該事業場ごとに、当該事業場に係る当該特別管理産業廃棄物の処理に関する業務を適切に行わせるため、特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなければならない。ただし、自ら特別管理産業廃棄物管理責任者となる事業場については、この限りでない。

第30条 次の各号のいずれかに該当する者は、30万円以下の罰金に処する。
<中略>
第30条5項 第12条第8項又は第12条の2第8項の規定に違反して、産業廃棄物処理責任者又は特別管理産業廃棄物管理責任者を置かなかった者

特別管理産業廃棄物管理責任者が異動や退職などで一時的にも欠員とならないよう注意しましょう。

特別管理産業廃棄物管理責任者にはどのような資格が必要?

さらに、管理責任者には環境省令で定められた資格(下表)を有する事が定められています(第12条の2第9項)。
特に注意したい点は、特別管理産業廃棄物であっても、感染性産業廃棄物とそれ以外で管理責任者になることができる資格条件が異なることです。そのため、まずは事業場から排出される特別管理産業廃棄物について、感染性産業廃棄物なのか、それ以外なのか、さらには両方含むのか確認することが大事です。

▼ 特別管理産業廃棄物管理責任者の資格

発生する特別管理産業廃棄物の種類資格・学校卒業した課程修めた科目経験年数
感染性産業廃棄物医師、歯科医師、薬剤師、獣医師、保健師、助産師、看護師、臨床検査技師、衛生検査技師、歯科衛生士
環境衛生指導員 ※12年以上
大学・高専医学、薬学、保健学、衛生学、獣医学または同等以上の知識を有すると認められるもの
感染性産業廃棄物以外環境衛生指導員 ※12年以上
大学理学、薬学、工学、農学衛生工学、化学工学2年以上 ※2
衛生工学、化学工学以外3年以上 ※2
短大、高専理学、薬学、工学、農学、相当する過程衛生工学、化学工学4年以上 ※2
衛生工学、化学工学以外5年以上 ※2
高校、中学土木科、化学科、相当する学科6年以上 ※2
理学、工学、農学相当する科目7年以上 ※2
10年以上 ※2
上記に掲げるものと同等以上の知識を有すると認められるもの

※1 環境衛生指導員とは、都道府県職員のうち廃棄物に関して立入検査や指導を行う者です (廃棄物処理法第20条)
※2 廃棄物処理に関する技術上の実務経験の年数

出典:廃棄物処理法施行規則 第8条の17よりアミタ株式会社が作成

特別管理産業廃棄物管理責任者の資格取得について

表をみると、管理責任者を設置するのはかなりハードルが高いように感じます。2年以上の実務経験が定められており、周到なジョブローテーションを計画しておかないと資格を満たせないように思えます。

しかし、ここで注目したいのが、表中の「同等以上の知識を有すると認められるもの」という文言です。多くの政令市や都道府県では、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)や日本医師会が開催する講習を受講し、修了試験に合格することで「同等以上の知識を有する」と認定しています。

講習会は日本産業廃棄物処理振興センター(JWセンター)で実施しており、医療関係機関等を対象にJWセンターと共催で日本医師会も実施しています。以下、講習会の簡単な概要です。

  • 受講形式:対面講習とオンライン講習の両方が用意されています。
  • 受講資格: 講習を修了後、講習会場で修了試験を受けます(オンライン講習の場合も試験は会場で受けます)。試験結果は簡易書留により郵送され、合格であれば修了証が発行されます。
  • 受講費用: 講習費用は通常1万強ですが、受講形式によって異なります。

参考:公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
「特別管理産業廃棄物管理責任者に関する講習会」

さいごに

特別管理産業廃棄物管理責任者は、誰もがすぐになれるわけではなく”資格”が必要です。
資格は、感染性産業廃棄物を排出している場合と、それ以外の特別管理産業廃棄を排出している場合で異なり、それぞれ教育機関、卒業課程 修了科目、そして求められる実務経験も様々です。

他方、上記の講習会を受講し、修了試験に合格することで資格を取得することもできるため、業務上必要な方は、その年の講習会スケジュールを確認する等、計画的に進めましょう。

また、以前は管理責任者について設置状況を「報告」する義務がありましたが、2000年以降廃止されました。ただし、前述のとおり設置義務はあるので注意が必要です。一方、廃棄物処理法では廃止されましたが、個別に条例を定め、届出を義務付ける自治体もあります。

所管の自治体が、報告や届出義務を定めていないか確認するとよいでしょう。

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執筆者情報

  • おしあみへんしゅうぶ

    おしアミ編集部

    アミタ株式会社

    おしえて!アミタさんの編集・運営担当チーム。最新の法改正ニュース、時事解説、用語解説などを執筆・編集している。

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