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コラム

第7回:適切な資源管理を支える調達と環境認証【前編】商品価値から企業価値へ~2030年の環境戦略の姿~

Some rights reserved by JoséPedro.jpg2030年の社会状況や環境制約を見据えたときに、企業はどのような環境戦略・価値創出を行っていくべきかをお伝えする、本コラム。

前回は、環境戦略立案のために社内リソースを確保する必要性と、アウトソーシングについて説明しました。第7回は、企業の持続可能な調達についてご説明します。

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持続可能な調達には資源の適正管理が重要

環境制約が高まる中、組織の持続可能性を確保するポイントの1つに安定した資源調達というテーマがあります。企業は原料採掘から廃棄までのバリューチェーン上のどこかに位置しており、インプット(原料・労働力など)からアウトプット(製品・サービスなど)を生み出しています。


連載第1回でも説明したように、環境制約が高まれば地下資源や水を始めとする資源の調達が困難になります。インプットである調達が不安定になれば、当然生産活動も影響を受けることになるため、サプライチェーン・マネジメントは企業戦略として今後より重要性を高めていくでしょう。


資源調達を考える際は、再生不可能な資源と再生可能な資源を区別して考える必要があります。再生不可能な資源とは1000年2000年など超長期的にしか再生できない天然資源を指しています。例として、石油や石炭や多くの鉱物資源などがあります。こうした天然資源は、その利用量を極力さげる必要があるために3R(リデュース・リユース・リサイクル)が有用です。


一方で、比較的短い期間(例えば100年以内)において自然などにより再生される資源は、再生可能資源と考えられます。人間などによる消費量よりも生産量が上回るように資源管理ができれば持続可能な利用ができます。

市場の失敗と節約の誤解

ここでは、市場の失敗により再生可能資源が枯渇した事例を例にあげます。グローバル社会では労働力の格差によって、途上国の資源が先進国に安価で売られている現象が多発しています。身近な例として、日本の食卓に並んでいるモロッコのタコがあります。日本におけるタコの需要が増えたことによって、モロッコのタコの価格が急上昇しました。人件費の安いモロッコの漁師が収入のためにタコを大量捕獲した結果、乱獲につながったケースが挙げられます。


他国と貿易をしない前提の市場経済では、希少な資源はその供給量が少ないために、需要が上がり価格上昇をもたらします。価格上昇は供給増加につながり、供給量が需要を上回れば再び価格が下がることで最終的に最適な資源配分がなされると考えられていました。資源枯渇が進めば、漁にかかるコスト(人件費など)も増加するため、価格上昇が需要を上回り資源の収奪が減少するという考え方です。しかし、このケースでは日本とモロッコの人件費の差が需要を超えるまでの期間が長かったため資源が枯渇するまで収奪は進みました。市場の機能に任せるだけでは最適な資源管理はなされなかったのです。


一方で、現在日本ではシカが大幅に増殖し農業などの被害が深刻化しています。地球温暖化のため越冬が容易になったことなどがシカの増殖に影響を与えたと考えられています。新芽や樹皮がシカに食べられることで、山林の植生にも影響が出ています。現在その解決策として、シカ肉の加工・流通・販売の促進が検討されています。つまり利用量を増やす方が良い状態の資源もあるのです。


再生可能な資源を継続利用するには、適切な資源管理された資源を調達することが重要です。しかし、調達・購買側には適切な資源管理をされた製品・原料か否かの判断はなかなかつきません。この解決法の1つとして環境認証制度があります。

次回は、世界的な環境認証制度FSC®森林認証とMSC/ASC認証の現状紹介、またゴム業界にも関わりのある天然ゴムによるFSC森林認証の例をお伝えします。(FSC® N001887)

※本コラムは(株)ポスティコーポレーションの専門誌「ラバーインダストリー 2015年11月号掲載」記事を一部改編して掲載しています。

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執筆者プロフィール

mr.ogawa.jpg小川 直也 (おがわ なおや)
アミタ株式会社 環境認証チーム
タスクリーダー
2002年アミタ株式会社に合流。以来一貫してFSC 森林認証(森林管理認証、COC 認証)やMSC/ASC COC認証を始めとする環境認証審査を行っている。 また、環境認証のセミナー講師なども行っている。

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