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放射性物質汚染対処特措法、気をつける点はなに?

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廃棄物を焼却処理している場合、エリアによっては焼却会社の燃え殻が特定産業廃棄物に該当します。処理ルートが正常に機能しているかどうか再確認が必要です。場合によっては受け入れ停止の可能性も考えられるからです。

※本記事は、放射性物質汚染対処特措法(以下特措法と表記)によって予想される排出事業者への影響の一部について記載しています。

放射性物質汚染対処特措法とは

特措法と関連法令の詳細は、環境省ホームページでご確認ください。

(環境省の特措法関連ページ)
廃棄物関係ガイドライン http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=14643

特措法は、一定の要件に該当する産業廃棄物を「特定産業廃棄物」とし、その処理について新たな基準を設け、遵守を義務づけています。(平成24年1月1日から施行されています。)

特定産業廃棄物は、地域や施設、廃棄物種類によって規定されており、自社の廃棄物は該当しない、という企業も多いと思います。

しかし、これら特措法の規定に当てはまらない産業廃棄物でも、処理委託ルートの見直しを迫られるケースが出始めています。
(特定産業廃棄物の要件の表)

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焼却処理施設と、焼却からの二次廃棄物がポイント
特措法は、一定の要件に該当する産業廃棄物焼却施設(上記表の(5)にあたります)に対して、放射線量測定や特別な排気処理装置の使用など、廃棄物処理法に上乗せした基準に従うことを義務づけています。このことによって、焼却施設の運営が以前より難しくなると考えられます。さらに、特措法は埋立処分施設にも上乗せ基準を定めています。

特定産業廃棄物を埋立処分する際には、他の廃棄物との区別やさらなる覆土基準の遵守、搬入記録の管理など、一段と手厚い対応が求められます。

特定産業廃棄物受け入れに対する周辺住民の理解が得にくいケースも多く、埋立処分施設にとって特定産業廃棄物の受け入れは、ハードルが高いのです。埋立処分のルートが運用しづらくなると、燃え殻・ばいじんなど、焼却処理の結果生じる二次廃棄物の行き先に困る事態が考えられます。すると、そもそも焼却処理施設を操業すること自体が難しくなり、施設運営者は廃棄物の受け入れを停止せざるを得なくなります。

リサイクルの難易度が高いものを焼却処理したり、サーマルリサイクルする例は多くあります。特措法の件は、そのように焼却施設を利用しているすべての排出事業者に、影響が出る可能性があるのです。
実際、焼却施設が稼動を制限し、特定産業廃棄物に該当しない産業廃棄物の受け入れが拒否されるケースが見られます。


今こそ、複線化検討を
本問題の有効な対処法の一つが、処理ルートの複線化です。そもそも処理ルートの複線化は、排出事業者のリスク分散の基本的な要素です。このような突発的な事態に備え、一つの処理方法に頼らない処理ルートを前もって検討しておくことが重要なのです。

普段から処理会社の情報を集めておく、既存の委託先に任せきりにしない、定期的に処理ルートを再検討するといった複線化施策の重要性が、今回の特措法施行によってますます裏付けられることになりました。

また、複線化検討先として、地震や今回のケースのように被害が広範囲に及ぶ場合を想定し、異なる地域の会社を想定しておくと良いでしょう。

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