現地確認を実施したところ、「許可看板」がありませんでした。これは廃掃法違反ではないのですか? | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載!

環境戦略・お役立ちサイト おしえて!アミタさん
「おしえて!アミタさん」は、未来のサステナビリティ経営・まちづくりに役立つ情報ポータルサイトです。
CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!
  • トップページ
  • CSR・環境戦略 Q&A
  • セミナー
  • コラム
  • 担当者の声

Q&A

現地確認を実施したところ、「許可看板」がありませんでした。これは廃掃法違反ではないのですか?

茨城循環資源製造所

現地確認を行う際、処理場に設置されている「許可看板」を確認されるご担当者様は多いのではないでしょうか。

廃棄物処理の現場において、許可の情報や管理者名などを記載した看板(通称:許可看板)を見かけることがよくあります。しかし、これらの許可看板はすべての処理場において、設置が義務付けられているものではありません。許可看板の設置が義務付けられている場合とそうでない場合を正しく理解して、現地確認に臨む必要があります。

産業廃棄物の処理施設の掲示で、設置義務があるのは最終処分場のみ

廃棄物処理法(廃掃法)において、最終処分場については、最終処分場であることを示す掲示の設置が義務付けられています(※参照1)。しかし、中間処理施設については、同様の掲示の設置義務はありません(2016年6月現在)。そのため、現地確認を実施する先が、「中間処理施設」なのか、「最終処分場」なのかをあらかじめ確認しておくことが重要となります。

(※参照1) 一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める省令」(昭和五十二年三月十四日総理府・厚生省令第一号)第二条

産業廃棄物の保管場所は、施設の概要に関わらず設置義務がある

上記のように、施設の掲示を義務付けられているのは最終処分場のみですが、産業廃棄物の保管場所については、施設の概要に関わらず、保管に係る掲示を必ず設置しなければなりません (※参照2)

現地確認を実施する際は保管場所に掲示があるかどうか、必ず確認しましょう。

産業廃棄物の中間処理又は再生のための保管の場所に係る掲示の法定記載事項は、次のとおりです。

  1. 産業廃棄物保管場所である旨
  2. 保管する産業廃棄物の種類(石綿含有産業廃棄物が含まれる場合は、その旨)
  3. 保管場所の管理者の氏名又は名称及び連絡先
  4. 保管する産業廃棄物の高さの上限(屋外で容器を用いず保管する場合)
  5. 当該保管の場所において保管することができる産業廃棄物の数量

 通常、排出事業者側で保管を行う場合は、1.~4.が法定記載事項ですが、処分のための保管を行う場合は、5.についても記載する必要があります。処理場への視察の際は、注意して確認しましょう(※参照2)

(※参照2) 「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則」(昭和四十六年九月二十三日厚生省令第三十五号)第七条の五、第八条

▼排出事業所側の保管場所の表示に関する記事
産業廃棄物の保管場所には、掲示板は必ず設置しなければならないのですか?また、設置する際の注意点は?

掲示物についての注意点

中間処理場の「許可看板」の設置や記載事項については、廃掃法で規定がなくても、一部の自治体で条例によって設置が推奨されたり、義務付けられたりしている可能性があります。

このように、現地確認を実施する際には、廃掃法だけでなく、施設がある各自治体の廃棄物処理に関する条例についても事前確認が必要です。また、不明点があれば管轄の自治体に問い合わせましょう。

廃棄物の横流しのような事件を未然に防ぐために、処理委託先の現地確認を実施・強化する企業が増えています。自社のブランドイメージを守り、事件に巻き込まれないようにするためにも、事前の準備をしっかり行って臨みましょう。

関連する省令・規則

関連情報

houtojitsumu seminar.png

お問い合わせ

sougoutoiawase_form.png

書き手プロフィール

ishida001.jpg石田 みずき (イシダ ミズキ)
アミタホールディングス株式会社

経営戦略グループ マーケティングチーム 

京都府出身。滋賀県立大学環境科学部を卒業後、アミタに入社。大学時代は、一般廃棄物の分別に関する研究を行い、「この世に無駄なものはない」というアミタの理念に共感する。現在は、マーケティングチームにて、非対面の営業・セミナー企画・ウェブサイトの運営などを担当。

このページの上部へ