Q&A
マニフェストの虚偽記載等に関する罰則が強化されたと聞きました。排出事業者も対象になるのでしょうか?
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はい、今回の罰則強化の対象は、処理会社による虚偽報告だけでなく、排出事業者によるマニフェスト交付時の記載ミスや漏れなども含まれます。注意が必要です。
どう変わるの?マニフェストの虚偽記載等に係る罰則強化の内容
平成29年第193回国会において廃棄物処理法を改正する法律が公布されました。一部排出事業者に対して電子マニフェストの義務化が決定しましたが、同時にマニフェスト関連の罰則も強化されることになりました。 罰則に関する改正内容は下記です。
・現行
6か月以下の懲役、もしくは50万円以下の罰金 ・改正後(施行期日:平成30年4月1日)1年以下の懲役、もしくは100万円以下の罰金 |
環境省ウェブサイト:廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案新旧対照条文 より
今回の改正の背景には、マニフェストの記載内容についての信頼性を向上させるべきとの機運の盛り上がりがあります。こうした動きは、平成28年1月に発生した食品廃棄物の不正転売、不適正処理事案が一つのきっかけとなっていると言えるでしょう。 不適正処理事案では、処理会社が、受託した未処分の食品廃棄物についてマニフェスト上で処分終了の虚偽報告を行っていました。 こうした事案を防止する目的で、マニフェストの虚偽記載等に関する罰則の強化が、改正内容に盛り込まれたものと考えられます。
排出事業者側の「記載不備」にも注意が必要!?
「マニフェストの虚偽記載」というと、上記のように、処理会社が処分終了の報告やその日付について実際と異なる内容を記載した、といった事案が想像されがちです。しかし、今回の罰則の強化対象は虚偽記載「等」 であり、虚偽報告だけでなく、排出事業者側が交付時点で記載不備を行った場合や、交付が漏れた場合についても、その範囲に含まれるため注意が必要です。
▼参考:改正廃棄物処理法 第27条の2
・第27条の2(新設) |
環境省ウェブサイト:廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律案新旧対照条文 より
なお、排出事業者によるマニフェスト交付時に不備が発生する状況として、次のようなケースがよく聞かれます。
▼記載不備が起こりやすいケース
- 従来対応している交付担当者が急遽不在となり、代わりの担当者が交付を行った際、記載内容を間違えた。
- 廃棄物保管場所での車両への積込作業を運送会社に任せており、積込後、マニフェストの交付を受けないまま場外へ搬出してしまった。
- 委託先や廃棄物ごとに印字済みのマニフェストが事前に用意されており、当該委託に係るものとは異なるマニフェストを交付、運用してしまった。
- 運送会社にマニフェストの印字と持参を依頼しており、当日運転手が持参した内容の間違ったマニフェストを、中身を確認せず交付した。
上記から分かるように、マニフェストの交付に係る不備は、不備が起きてもおかしくない運用状況から発生することが多いようです。第一に運用の見直しが必要となりますが、不備を回避する具体的な手法として、電子マニフェストへの移行や、それをさらに補完するようなシステムの導入が有効と言えるでしょう。
今回罰則が強化されたマニフェストの虚偽記載等の行為は、行為者だけでなく、その使用者(法人)にも罰則が課される可能性がある両罰規定に該当します。 廃棄物管理業務は、担当者一人が配慮し対応していればいい業務ではありません。廃棄物管理という業務自体を、部署や会社全体にとっての重要事項と位置付けることが不可欠です。
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