島津製作所|製品づくりを通じて環境に貢献するモノづくりとは? | 企業の環境・CSR・サステナビリティ戦略に役立つ情報が満載!

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株式会社島津製作所 地球環境管理室 シニアマネージャー 阪ノ下氏 / マネージャー 小林氏島津製作所|製品づくりを通じて環境に貢献するモノづくりとは?

創業以来、社是に「科学技術で社会に貢献する」を掲げている島津製作所。環境への取り組みでは「技術開発による地球環境保全への貢献」を柱の一つに掲げています。

同社は、排水のモニタリング装置などの環境改善に資する機能を持つ「環境貢献製品」と共に、ライフサイクルを通じて環境負荷の低減に配慮した省エネ・省資源型の「環境配慮製品」の提供にも積極的に取り組んでいます。

企業の長期的な気候変動対策への注目度が増していく中、製造業においては「環境配慮製品」の開発と、それを推進するための社内制度、風土づくりが重要となります。今回は、株式会社島津製作所 地球環境管理室 シニアマネージャー 阪ノ下氏、同じく地球環境管理室 マネージャー 小林氏にお話をうかがいました。

環境性能が特に秀でた製品を認定!「エコプロダクツPlus」

アミタ:現在多くの企業で、製品の開発や使用時など、ライフサイクルを通じた環境負荷低減のアプローチが検討されています。その中で、貴社の「環境配慮製品の認定制度」は特徴的だと思います。この制度について詳しく教えてください。

小林氏:島津製作所では、自社で環境負荷低減設計指針を定め、設計段階から必ずライフサイクルを通じた環境配慮の視点を入れており、すべての商品がエコプロダクツであると位置付けています。その上で、特に環境性能が秀でた製品を「エコプロダクツPlus」と認定しています。

製品本体やカタログなどで認定ラベルを表示することで、お客様にとって環境側面でメリットが高い製品だということを分かりやすくしています。

▼エコプロダクツPlus基準(以下のいずれかの条件を満たすこと・島津製作所従来機種比)

  1. eco_plus.jpg省エネ25%以上削減
  2. 小型化(重量or容積or設置面積)25%以上削減
  3. 消耗品25%以上削減
  4. 特定の有害物質を含有しないこと

出典:島津製作所ホームページより

アミタ:いわゆる、環境ラベルのタイプⅡですね。この制度は、社内ではどのように活用されているのでしょうか。

shimadzu_002.png阪ノ下氏:認定制度は2002年に始まったのですが、数年おきに改訂を繰り返しながら、ライフサイクルアセスメント(以下、LCA)の考え方を取り入れて2017年から今の形になりました。当初から省エネに焦点を当てていましたが、2010年には低炭素社会に直接的に貢献する製品ラインアップの強化を図る「Save the Energyプロジェクト」というものを展開し、環境ラベルの基準を社外に公表しました。

アミタ:多くの事業部がある中で、全社統一基準の認定制度の運用は難しいようにも思います。貴社ではどのように運営されているのでしょうか。

小林氏:認定基準は一定なので、事業部ごとに達成のしやすさに差が出る場合もあるのですが、各事業部門からそれぞれ意見を出してもらい、開発や販売の目標を設定していきます。キャップを被せるのではなく、それぞれできる範囲で努力してもらうという方針です。

制度を後押しする社内風土、経営理念とのつながり

アミタ:企業によっては、環境配慮設計への舵取りが難しいという声も聞きますが、御社では何か苦労したことはありますか。

阪ノ下氏:認定制度が始まった当初は社外に発信するというより、社内での啓蒙が主な目的でした。この製品作りを通じて環境に貢献しようというコンセプトはすんなり受け入れられたように思います。加えて「Save the Energyプロジェクト」では、トップのコミットメントとして、明確に打ち出されたことにより、その後の社内の意識も変わったと思います。

弊社の経営理念は"「人と地球の健康」へ願いを実現する"です。もともと分析機器など製品自体が環境問題と関わりが深いこともあり、経営理念を具現化するという使命においても、環境問題に対しても、誰も無関係ではないのは弊社の特色かもしれません。加えて、真面目な技術者肌というか、厳しい目標に対しても弱音を吐かず粛々と取り組む人が多く、環境配慮設計については積極的な姿勢ですね。
 
アミタ:経営理念が社員一人一人に浸透し、行動に表れているということでしょうか。認定制度が社員に受け入れられることによって、制度が存続するだけでなく時間と共に少しずつ形を変えていく、良いサイクルができているような気がします。

小林氏:例えば、主力製品の一つである分析機器は、世の中にある空調機器などと比較すると消費電力が非常に小さいので、あまり省エネのメリットはないのではないかという意見も以前はありました。ただ、世の中が変わってきていますよね。省エネというファクターは、昔よりさらに重要性が浸透していると思います。
どの企業も、2050年を見据えた長期的な気候変動対策の展望を持つ必要があります。また、製造業ではどうしても製品使用時のCO2排出量と向き合わねばなりません。25%削減というのは高いハードルだと認識しており、この制度には社内のチャレンジを促すという狙いもあります。将来の低炭素社会に向けて、今から技術を積み上げていてほしいというメッセージでもあるわけです。

アミタ:なるほど。高い目標を設定することで、社内の技術開発などを促す狙いがあるのですね。長期的な環境経営を考える際、技術開発には時間がかかるので、早めに手を打つ必要があるということですね。他に課題と感じておられることはありますか。

小林氏:エコプロダクツPlusについて、環境配慮の側面を販売の上で訴求していくことですね。こういった取り組みの訴求効果は以前より大きくなっていると思いますので、認定に至る社内のプロセスなど、まだまだ改善していきたいと思います。

売上目標は年間500億円!さらなるCO2排出量削減に挑戦!

アミタ:最後に、製品を通じた環境配慮について今後の展望を教えてください。
 
shimadzu_003.jpg小林氏:現在、年間270億円ほどのエコプロダクツPlusの売上を2019年度には年間500億円へ押し上げていくことを目標に挙げています。
それによって、エコプロダクツPlusを使用していただくことによる「CO2排出抑制貢献量」を弊社グループのCO2排出量以上になることを目指します。

具体的には、お客様がエコプロダクツPlus製品を利用した際の総消費電力量を、モデルチェンジ前の機種を利用し続けた場合の総消費電力量と比べ、積み上げています(お客様先において当社標準運用条件で稼働していると推定の上で算出)。この結果、2016年度までに販売された製品によるお客様先での年間CO2排出削減量は累計で約29,000tとなりました。島津グループの企業活動による2016年度のCO2排出量は約47,600tですので、島津グループ排出量の約60%に相当しています。

CO2排出抑制貢献量を伸ばす取り組みを実施することで、環境保全と利益創出の同時実現を図るということを中期経営計画の中で打ち出しています。

アミタ:エコプロダクツPlusが世の中に広まるほど、社会が低炭素化に向かっているということを分かりやすく示すのは、まさに経済と環境の一致ですね。

阪ノ下氏:こうしたことを表明できるのは、長年LCAに取り組んできたことで、手法の簡易性と正確性において一定のレベルに達したということが大きいです。幸い、社内では取り組みに対して協力的なので、今後も製造業として地球環境に貢献するための技術開発を続けていきたいと思います。

アミタ:本日は、誠にありがとうございました。

話し手プロフィール

shimadzu_s.jpg阪ノ下 健(さかのした たけし)氏
株式会社島津製作所
地球環境管理室 シニアマネージャー

1989年入社。広報宣伝業務に長年携わった後、広報室課長、デザインユニット長を経て、2017年より現職。

shimadzu_k.jpg小林 清人(こばやし きよひと)氏
株式会社島津製作所
地球環境管理室 マネージャー

1991年入社。設計開発業務などに携わった後、2007年より現職。

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