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小型家電リサイクル法解説|【前編】概要と対応方法 産業廃棄物として排出する場合は?

小型家電リサイクル法が既に去年から施行されています。名前は聞いたことがあるという方や、ご家庭では既に小型家電リサイクル法の処理ルートで処理をしたという方もいらっしゃることと思います。それでは、ご自身の会社では小型家電リサイクル法により、なにをやらなくてはいけないのかご存じでしょうか?

この機会に、改めて小型家電リサイクル法を2部構成で説明させていただきます。 前編では、まず小型家電リサイクル法の概要を理解しましょう。
▼参考情報
環境省:使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律(PDF)

小型家電リサイクル法は、理論構成が難しい

小型家電リサイクル法は正式名称を「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」と言います。条文は罰則も含めて、21条しかありません。

ですが、理論構成はなかなか難しく規定の仕方が、三段論法、四段論法のようになっています。各種リサイクル法は、廃棄物処理法の特別法としての位置づけにあるのですが、廃棄物処理法の基本的なところを知っていないと

「小型家電リサイクル法でどうしてこんなことを規定しているの?」

「なぜ、こんなことも規定していないの?」

となってしまいます。そういった理由で途中、とてもまわりくどい説明になる箇所も出てきますが、我慢してお付き合いいただければ思います。

まず、最初に説明のポイント、流れをあらかじめ示しておきます。 なお、おしえてアミタさんの読者の方々は、相応に廃棄物処理法を勉強している方々だと認識していますので、それを前提として説明します。

小型家電リサイクル法のポイント、理論の流れ

小型家電リサイクル法のポイント、理論の要点をまとめますと以下のようになります。

  1. 企業から廃棄使用済小型電子機器が排出される場合は、中古品として活用される場合を除いて、産業廃棄物(廃プラスチック類、金属くず、ガラス陶磁器くず等)となる。
  2. 産業廃棄物の処理を委託する場合は、廃棄物処理法第12条第5項、第6項の 「委託基準」が適用になる。
  3. 1・2より、産業廃棄物を委託できる相手は、原則、産業廃棄物処理許可業者である。
  4. 小型家電リサイクル法には、許可不要制度が規定されていて、具体的には「小型家電リサイクル法認定事業者」と「小型家電リサイクル法認定事業者の委託業者」である。
  5. よって、産業廃棄物たる廃棄使用済小型電子機器は、【1】産業廃棄物許可業者、【2】小型家電リサイクル法認定事業者、【3】小型家電リサイクル法認定事業者の委託業者に処理を委託することができる。
  6. 一方、企業が廃棄使用済小型電子機器を排出する場合は「再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならない。」と規定されている。なので、単純埋立のような処理業者には委託は出来ない。
  7. 委託基準には処理委託契約書の規定もある。小型家電リサイクル法では委託基準の特例は規定されていない。よって、廃棄使用済小型電子機器を処理委託するときは、処理委託契約書を取り交わさなければならない。
  8. マニフェスト(産業廃棄物管理票)も小型家電リサイクル法では特例は規定されていない。よって、廃棄使用済小型電子機器を処理委託するときは、マニフェストを交付しなければならない。

端的にまとめると以上のようになります。

産業廃棄物たる使用済小型電子機器とは

最初に解説するのは「使用済小型電子機器等」です。通称「小型家電リサイクル法」と称していますが、冒頭で書いたとおり、正式名を「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」と言います。

「家電」、すなわち「家庭用電子機器」とは言っていません。小型電子機器全般を言います。 これは、具体的には小型家電リサイクル法第2条第1項を受けた政令の28製品、環境省はガイドラインで 、さらに具体的に100品目ほど示しています。別の法律である「家電リサイクル法」で規定しているテレビ、冷蔵庫、洗濯機、エアコン以外は、一般消費者が通常生活において使用する家電製品ほぼ全てと言ってもよいでしょう。
(参考:環境省・経済産業省 使用済小型電子機器等の回収に係るガイドラインver.1.1  P37-38(PDF))

会社からもしばしば排出される、パソコン、携帯電話、デジカメ、プリンター、電卓は言うに及ばず、懐中電灯、時計、リモコン、CDプレーヤ等も対象になります。 なお、前述の通り、家庭向けに製造された製品であれば、事業所で使用、廃棄された物も対象になる、というのがこの法律です。 これを分別して排出の箇所説明は不要だと思いますが、ここで一つだけ補足説明させていただきます。 それは小型電子機器中古品に関することです。

第2条第2項では

使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律 第2条第2項
「使用済小型電子機器等」とは、小型電子機器等のうち、その使用を終了したものをいう。

と規定しています。リユースショップで中古品として売買される状態の小型電子機器等は、まだ使用を終了していないことから、小型家電リサイクル法の対象にはなりません。この中古品として、買い取り、売り渡しされる状態の物は、今まで通りの商取引で行うことが可能です。

小型家電リサイクル法、従来通りの対応ではだめなのか?

さて、皆様の会社では、今まで使用済みの小型電子機器、具体的には電卓やワープロ、パソコンをどのように廃棄していたでしょうか?

廃棄物処理法では20種の産業廃棄物を定義しています。このうち、木くずや動植物性残渣 、紙くず等は指定業種(正確には指定排出形態)があり、排出する業種によっては、一般廃棄物になるものもあります。

一方、汚泥鉱さい等は指定業種がありませんので、事業活動を伴って排出される場合は、どんな業種から出ても産業廃棄物になります。

小型電子機器は、その構成部品や性状から「廃プラスチック類金属くず ・ガラス陶磁器くずの混在物」と考えられます。この、廃プラスチック類・金属くず・ガラス陶磁器くずも指定業種はありません。したがって、事業者から排出される使用済小型電子機器は、全て産業廃棄物です。

今までは、おそらく使用済小型電子機器を廃棄する際は「廃プラスチック類、金属くず、ガラス陶磁器くず」の品目が許可証に掲載してある産業廃棄物処理業者に処理を委託していたと思います。

小型家電リサイクル法が施行された現時点では、今まで通りの産業廃棄物許可業者に処理を委託していてはいけないのでしょうか? 結論は、法律違反ではありません。でも、今後改善していただきたいです。 ここまでが、説明ポイントの1~3までの話です。

リサイクルを適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならないとは

家庭から排出される場合はもちろんですが、会社、企業から排出される場合も、この小型家電リサイクル法の対象になります。条文の中には事業者の責務も規定されているのです。その第7条をちょっと紹介しましょう。

使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律 第7条
事業者は、その事業活動に伴って生じた使用済小型電子機器等を排出する場合にあっては、当該使用済小型電子機器等を分別して排出し、第十条第三項の認定を受けた者その他使用済小型電子機器等の収集若しくは運搬又は再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならない。

と規定しています。少なくとも、処理はどうでもよいというわけではなく、今までと同じようにという解釈でもないですね。分別して排出、そしてポイントになるのが再資源化を適正に実施し得る者に引き渡すよう努めなければならないとあります。

この再資源化を適正に実施し得る者という表現が問題になります。後ほどご説明しますが「認定を受けた者」であれば明確に処理を委託できるのですが「その他、適正に実施し得る者」でも処理委託をすることは構わないわけです。 このような場合の「その他」とはどんな人を指すのだろうと気になりませんでしょうか。

次回はさらに、小型家電リサイクル法の用語定義やその他の注意ポイントについて考えてみたいと思います。

BUNさん流、小型家電リサイクル法解説。企業はどう対処すればいいの?|後編:小型家電リサイクル法の用語解釈は大丈夫?

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執筆者プロフィール

ながおか ふみあき

長岡 文明

BUN環境課題研修事務所 主宰

※記事執筆時点

山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も務める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)。

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