Q&A
廃プラスチック類とは?産業廃棄物?事業系一般廃棄物?そのリサイクル方法は?
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by Sustainable sanitation
廃プラスチック類とは(以下、廃プラと略称)、産業廃棄物の定義の一つ「限定列挙された20種類」に該当する事業活動に伴って生じた廃棄物です。具体例としては、廃タイヤ、合成ゴムくず、合成繊維くず、ビニールシート屑等、固形状、液状のすべての合成高分子系化合物等です。 ただ、現実的に液状のものに関しては廃油として処理されることが多いようです。
廃プラスチックは、産業廃棄物?事業系一般廃棄物?
産業廃棄物に該当するかどうかは、「事業活動に伴って生じているか」によって変わりますが、これは自治体により判断がわかれますので注意が必要です。例えば、勤務中食事をした際に出てくるプラスチック製のお弁当ガラやペットボトルなどは産業廃棄物か一般廃棄物なのか判断に迷われると思います。下記の記事をご参考ください。
▼参考記事
同じ廃棄物であっても、自治体によって産業廃棄物とする場合もあれば、一般廃棄物として扱う場合もあります。排出事業者としては、どのように対応すべきでしょうか。
廃プラスチックのリサイクル方法
廃プラのリサイクルには大きく分けて3つあります。
マテリアル(材料)リサイクル
使用済み廃プラの材質を活かし、他の製品か別のプラスチック材料として活用する方法です。具体的には
- 衣類
- 包装用トレイ
- コンテナ
- ベンチ
- 土木建築資材
- タイルカーペットやシート 等
数多くの材料として使用されています。
ケミカルリサイクル
使用済み廃プラを化学的に処理し、化学原料として再生する方法です。具体的には、
- 高炉の還元剤や熱源
- 原料
- モノマー化しペットボトルや包装容器
- 油化処理をし、燃料
- ガス化処理をして、水素やメタノール、その他基礎化学品 等
数多くの化学的処理が行われ有効活用されています。
サーマルリサイクル
使用済み廃プラの熱エネルギーとしての性質に注目して熱源として利用する方法です。
具体的には、
- 燃焼による発電や温水利用
- 固形燃料化
- ガス化溶融 等
数多くの有効活用されています。
例えば鉄鋼業界等では、鉄鋼連盟を中心に年間35万tの廃プラ等を製鉄プロセスで利用を目指しており、ケミカルリサイクルを行い化学原料、 製鉄原料、鉄鉱石の還元材として利用されています 。
(平成23年日本鉄鋼連盟:鉄鋼業における廃プラスチックリサイクルの取り組みについてより)
一方セメント業界等では、サーマルリサイクルとしてセメント工程の焼成で年間約50万tの廃プラや廃タイヤを熱源として利用されています。
(一般社団法人セメント協会:セメント業界の廃棄物・副産物使用量の推移より)
廃棄物リサイクルの中では優等生のイメージがある廃プラですが、再生利用量としては全体の80%とまだ20%の廃プラは単純焼却や埋め立てに回されており、まだ再生利用の余地があります。
(一般社団法人 プラスチック循環利用協会:プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況(2013年12月発行)
様々な使用方法があるプラスチックは、リサイクル用途も多種多様に使われています。 そういった物を細かく分別をすることで、廃プラスチックリサイクル率の向上に寄与することができるでしょう。
アミタでの廃プラスチックリサイクル
アミタでの廃プラスチックは、茨城・川崎・姫路・北九州の製造所で、主にサーマルリサイクルのセメント燃料化原料としてリサイクルしているケースと、マテリアルリサイクルとして、廃プラの売却先をご提案するケースの2種類があります。
セメント燃料・原料化としてリサイクルする場合、廃プラスチックはカロリーを多く含んでいるため、セメント製造の焼成工程の仮焼炉で使用されます。セメントリサイクルは、受け入れた全ての廃棄物をセメントとしてリサイクルするため、2次廃棄物が発生しないという特徴を持っています。
一方、アミタではこれまで、約300か所の外部ネットワークと5つの製造所を活用し、35年以上にわたって、4,000種類を超える発生品をリサイクルしてきた実績から、マテリアルリサイクルとして廃プラの売却先もご提案させていただいております。 廃棄物処理・リサイクルにお困りでしたらぜひアミタへご相談ください 。
参考:【間違えると怖い!】産業廃棄物の種類該当の考え方まとめ記事
関連情報
執筆者プロフィール
佐中 亨(さなか とおる)
アミタ株式会社
総合環境ソリューション営業グループ カスタマーサービスチーム チームリーダー
アミタ合流後、リサイクル営業、PR、IR部門を経験。環境専門のコンタクトセンターの立ち上げメンバー。 これまでにチームで年間約3,000件の環境部門担当者の方と5年以上に渡りリレーション。 長年蓄積してきたお客様のデーターベースを駆使して、既存のお客様のサポートから新サービスや商品のご案内といったアミタグループの営業支援、さらには外部企業からの市場調査、マーケティング代行の受託業務まで幅広く実施。