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環境・CSR業務の現状と今後求められる人材要件とは?(4/4)リレーコラム

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三月の東日本大震災により、テレビCMなどの広告のあり方も変わってきているといわれています。今までは商品の押し付け的な広告から企業姿勢を示す広告が多くなったそうです。大量生産・大量消費で経済が右肩で伸びていた時代から、今後人口減などにより、経済が収縮していく時代に突入していきます。こうしたなか、消費に対する考え方にも変化が生まれ、単に商品やサービスの機能や値段だけではなく、企業に対する社会的責任部分も考慮して取捨選択がされるようになっていくことが考えられます。

米ハーバード大学経営大学院教授であるマイケル・ポーターは今までのCSR活動は無理やり利益を出した企業のエキスキューズで利益が出なくなったらその活動は終了するものと位置づけ、これからは、「社会のために利益を生み出すこと」で「持続可能な企業」になるというCSV(Creating Shared Value)を提唱しています。また、米ノースウェスタン大学ケロッグスクール教授でマーケティングの第一人者であるフィリップ・コトラーは今後のマーケティングは今までのように製品中心や消費者志向ではなく、人間中心・価値主導のマーケティング3.0の段階に突入していると提言しています。

求められる人材要件

今後、企業のCSRが単に企業の宣伝や広告のために実施することでなく、社会的問題を解決するために真剣に取り組み、それをステークホルダーにコミュニケーションすることで中長期的な利益の貢献に繋がってくることになります。

そういった時代に、今までの環境部やCSR部に求められる人材要件も変化してきます。今までは、コンプライアンス中心の業務が多いために、決められたことをしっかりと守っていく管理型の人材が必要だったかと思います。ただし、今後は、マーケティングの人材と同様に、CSR活動の企画力から実際の実行までトータル的にプロデュースする能力が求められてきます。CSRでのコミュニケーションを通じて、顧客作り(ファン・シンパ)を広げていく役割を担ってきます。

また、現状ではCSR部として独立した組織が作られていますが、今後は経営企画や事業戦略の一部に入って業務を遂行することも考えられるでしょう。そういった場合には、事業採算性などの経営資源をいかに効率的に使って進めていけるかといった能力も加わってきます。

これからのCSR部の役割は大きく変わってきています。ぜひ、中長期の人材戦略を考えるうえで、一度検討されてみるのはいかがでしょうか?

(Photo by Highways Agency.Some rights reserved)

執筆者プロフィール

inomata.JPG猪又 陽一
アミタホールディングス株式会社
経営統括グループ 共感資本チーム リーダー

早稲田大学理工学部電気工学科卒業。株式会社ベネッセコーポレーションにて理科教材編集やダイレクトマーケティングを経験後、外資系ネット企業の日本法人やネットビジネスの立ち上げに携わる。その後、株式会社リクルートエージェントにて新規ビジネスを軌道にのせた後、アミタに合流。現在、環境やCSR分野におけるマーケティング・仕事・教育をテーマに研究開発。2010年企業ウェブ・グランプリBtoB部門受賞サイト「おしえて!アミタさん」(http://www.amita-oshiete.jp) や「CSRJAPAN」をプロデュース。2011年、宣伝会議にて「BtoBマーケティング」の有料セミナー講師など幅広い活動を展開。Twitter:http://twitter.com/inoyoko1226

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