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コラム

再生可能エネルギー発電に蓄電池を設置する理由と効果省エネと創エネ~日本と企業におよぼす今後の影響と対策

Some_rights _reserved_by_euthman.jpg本コラムは、「省エネ」や「創エネ」が、今後企業に与える影響を想定し、いかにリスクを減らしてチャンスにつなげていくかをテーマにします。「創エネ」とは、創エネルギーの略称であり、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスなどを活用して再生可能エネルギーを作り出すことです。第5回目は、蓄電池を活用する理由と効果について紹介します。

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蓄電池を活用する法的・技術的な必要性

再生可能エネルギーは、発電量を安定させることが難しいです。利用するためには、安定的な送電を行なえる必要があります。そのために、余剰の発電は蓄電(売電)し、不足時は別の電源で補うという運用が不可欠です。そのために、蓄電池の活用は、創エネにとって重要なポイントです。

2015年1月に、再生可能エネルギーの導入促進を目的に「再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」施行規則の一部が改正されています。主な改正のポイントは、太陽光発電や風力発電には出力制御を接続の条件にするとともに、電力会社の求めがあった場合には、出力制御を行うために必要な機器等の設置が義務付けられたことです。それを可能にする1つの機器が蓄電池となります。

企業が電力供給の契約を結ぶ場合、必ず契約電力(ピーク時の電力)が必要となり、企業の稼働状況を考慮し契約電力を結ぶのが一般的となります。このピーク電力を超えた場合、通常、契約時の内容により賦課金が加算されます。契約電力を超えないためにも、蓄電池を活用することにより企業は契約電力以上の最大電力需要を下げることがコストカットと低炭素化につながります。これをピークカットと言います。

多くの工場で電力需要のピークは稼動時の日中です。また、季節的なピークは夏です。その時間帯に再生可能エネルギーで電力を補てんします。また、安い夜間電力を蓄電池に充電しておき、昼に活用することでコストカットできます。風力発電などは夜間でも発電しますので、蓄電池に充電しておくことでより節電の可能性がひろがります。

電力需要者が蓄電池を使用することにより再生エネルギー由来の電力供給量を安定化させることができると、大規模電力供給会社は比較的少ない発電量での操業が可能になり、化石燃料の使用量は削減でき低炭素化されます。

蓄電池活用における3つの効果

oosumi_5-001.png再生可能エネルギーで創エネを行う企業は、電力会社から供給される常用電力と、創エネによる発電電力の3つを組み合わせて使います。

  1. 電力供給と蓄電
    蓄電池は再生可能エネルギー以外に、常用電力にも活用できます。常用電力停電時に蓄電池から電力供給ができ一時的に停電を防ぎます。

  2. 電力源の複線化
    常用電力の停電時に、再生可能エネルギーと蓄電池の双方から電力供給できます。

  3. 震災など非常事態の電源利用

蓄電池があることにより、災害発生時にライフラインである電力供給が開始するまで避難場所の電灯や携帯電話等の電源や電気自動車の電源として活用することが可能となります。例えば、地震(震度6以上)が発生し電力供給が遮断、延床面積1,000m2(天井高さ3m)の平屋建てに、避難した企業の従業員が蛍光灯下で待機したと想定した場合に必要な蓄電池の容量は約7kWでした。(下図参照)

条件設定

  • oosumi_5-002.png照度...労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)を基準に災害時の確保照度150lx(ルクス)が必要と仮定し、室内は空間で物等の遮光なしと想定
  • 蛍光灯...災害時は間引きして使う想定
  • 停電期間...約7日間と仮定

参考:経済産業省Webサイト産業構造審議会 保安分科会(第7回)‐配布資料
「平成28年熊本震災への対応と災害対応体制の構築に向けた取組」

蓄電池の種類と特徴

一般的に蓄電池の種類は4種類あります。鉛電池から始まり利用方法によりそれぞれの特徴が発揮できます。エネルギー密度、エネルギー効率、寿命を考慮し比較するとNaS(ナトリウム・硫黄)電池が優れています。下記表は数値が高いほど優れています。)

鉛電池 NaS電池 ニッケル
水素電池

リチウム
イオン電池

エネルギー密度(※1) 約35Wh/kg 約110Wh/kg 約60Wh/kg 約120Wh/kg
エネルギー効率(※2) 87% 90% 90% 95%
寿命(サイクル数)(※3) 4,500 4,500 2,000 3,500
比較(※4) 137,025 445,500 108,000 399,000

●同一条件での比較ではないため、あくまでも参考値

※1:1㎏あたりに蓄電可能な電力量  
※2:充電を100%として放電できる効率

※3:1回の充放電を1サイクルとして何サイクル充放電できるかを示す指標
※4:エネルギー密度*エネルギー効率*寿命 <オオスミの計算による試算>

鉛電池 NaS電池
・比較的安価で使用実績が多い。
・比較的広い温度範囲で動作。
・過充電に強い。
・高電流密度による放電が可能。
・リサイクル体制も確立。
・構成材料が資源的に豊富で、量産によるコストダウンが可能。
・理論エネルギー密度も高い。
・充放電時の副反応がな(自己放電もない)、充放電のエネルギー効率も高い。
・長寿命である。
・SOC※5の利用可能範囲も広い。
※5:State of Chargeの略で充電レベルを意味する。
ニッケル水素電池 リチウムイオン電池
・溶解析出反応を伴わないので、長寿命が期待できる。
・過充電、過放電に強い。
・SOC 範囲も極めて広い。
・急速充放電が可能である。
・使用温度範囲も広い。
・エネルギー密度が高い。
・充放電エネルギー効率が極めて高い。
・自己放電が小さい。
・溶解析出反応を伴わないので、長寿命が期待できる。
・急速充放電が可能である。
・充電状態が監視しやすい。
・低いSOC で劣化が起こりにくい。

各畜電池とも、2009年時点では上記表の特徴があります。使用方法により選択する必要があります。

出典:経済産業省Webサイト「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(第31回)-配付資料
資料2-1 蓄電池技術の現状と取組について  蓄電池の性能比較をもとに、表は(株)オオスミが作成。

蓄電池の価格

蓄電池の種類における価格は、1kW当たりニッケル水素電池が10万円と一番安く、一番高価となるのはNaS電池であり、購入するための判断の1つとなります。ただし、2009年の価格であり技術の進歩や原料の価格変動により現時点での価格については購入するメーカーに確認が必要となってきます。前項の蓄電池の種類から、NaS電池はエネルギー密度、エネルギー効率、寿命を考慮した結果、一番性能が良いことから高価であることも納得できる部分となります。

蓄電池の種類における価格(kWとkWh)

鉛電池 NaS電池 ニッケル
水素電池

リチウム
イオン電池

kW単価 15万円

24万円

10万円 20万円
kWh単価 5万円 2.5万円 10万円 20万円

出典:経済産業省Webサイト「総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会(第31回)-配付資料
資料2-1 蓄電池技術の現状と取組について 蓄電池のコストをもとに、表は(株)オオスミが作成。

次回は、省エネ・創エネを地方創生に活用する方法についてお伝えします。

執筆者プロフィール

oosumi_mr.ijima.jpg飯島 政明(いいじま まさあき)氏
株式会社オオスミ 調査第二グループ

山梨県機山工業(現、城西高校) 高校機械科を卒業後、半導体を製造している大手半導体メーカーでファシリティーの管理・省エネ改善と環境管理の業務を経て現職。現在は、「省エネ診断及び環境関連の法令」についてのコンサルティングを60社以上の企業に提供し、好評を得ている。

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