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コラム

FSC全体プロジェクト認証を取得した「南三陸杉の家」に込めた想い環境と経済は両立する 南三陸バイオマス産業都市構想

宮城県初のFSC®森林認証(FM認証)を南三陸森林管理協議会の一員として取得後、南三陸町役場と共に、南三陸町庁舎や南三陸町生涯学習センターでFSC®プロジェクト認証の全体認証の取得を達成された佐藤太一さん。その後「南三陸杉の家」として、日本で初めて新築戸建住宅のFSC全体プロジェクト認証を取得されました。この南三陸杉の家に込めた想いをうかがいました。
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「南三陸杉の家」の外観(写真)

認証の種類

FM認証 責任ある森林管理のためにFSCやPEFCが定めた基準をクリアした、林業経営・森林管理に与えられる認証
CoC認証 認証林から収穫された認証材が消費者の手に届くまでの加工・流通過程を認証
プロジェクト認証 一度しか作らないものについての認証 
例)建造物、家の一部、ボート、土木工事、イベントのインフラなど
プロジェクト認証には全体認証と部分認証がある
全体認証は、例えば家やボートなど、物理的に独立しているもので、部分認証は、例えば家の柱、劇場の舞台部分など、より大きなものの一部のみを認証として主張するもの

参照URL:https://jp.fsc.org/jp-jp/2-new/2-1

南三陸の森の材を家に活用したい

佐藤太一さん
南三陸町庁舎や南三陸町生涯学習センターでFSC®プロジェクト認証の全体認証を取得したことで、宮城県内外でFSC認証材の流通ができました。もちろんオリンピックにおける使用もありましたが、宮城県では早くにFSC認証材の流通基盤ができていました。公共事業でFSC認証材の使用が進んでいましたが、林業に携わる以上、住宅にFSC認証材を使用する必要があると強く感じていました。また、東日本大震災後、南三陸町の林業活性化を目指しブランド化された南三陸杉を住宅の建築材として使用していくことが、価値あることだと考えていました。そのような中、新築戸建住宅ではFSC全体プロジェクト認証の事例がこれまでになく、南三陸町内でCoC認証を持つ建設会社(志津川建設)が手掛けることでプロモーションにもなります。町の山の材がより住宅に使われることを期待し、国内初を目指しました。

▼南三陸杉の家ができるまで ~FSC全体プロジェクト認証全体像~プロジェクト全体像2.jpg

  • FSC全体プロジェクト認証グループ構成員
    志津川建設株式会社:施工管理
    有限会社ササキ設計:設計
    南三陸森林管理協議会:原木調達
    丸平木材株式会社:製材・乾燥
    株式会社興建ハウジング:大工
    今野木工所:木製建具

 

 近年の住宅の建築では、一般的に建築材は少しでもサイズ違いがあると、使用されないものが出てきてしまう場合があります。今回の建築では、昔ながらの腕の良い棟梁(興建ハウジング)が「ある材でしっかり作る」責任を意識されて、山を見て、丸太を見て、手刻みして、組む仕事を進めてくれました。大工さんの姿勢が、自分達(南三陸森林管理協議会、丸平木材)も良い材を出そうという意識につながり、建具屋さん(今野木工所)も、皆で良い作品を作ろうとなりました。興味深いことに、完成した家では子供がこけたけれど泣かなかったのです。杉は建築材として、広葉樹と比べて密度が低く、クッション性があり柔らかくて、子供の代わりに傷ついてくれます。また、保温効果もあり、暖かくて住み心地が良いのも、南三陸杉の家の特徴ですね。
 新築の家は減ってきている状況ですが、南三陸杉の家をFSC全体プロジェクト認証として表現したことにより、南三陸の森の材が家で活用されていくことを期待しています。

プレゼンテーション1-2.jpg南三陸町産FSC認証材が98%使用されている

本質を捉えた南三陸スタイルを確立したい

佐藤太一さん
 南三陸町では、森 里 海 ひと いのちめぐるまち南三陸をビジョンとして掲げて、自立分散型の持続可能なまちづくりを目指しています。この取り組みは続けていくべきで、林業家として先代からの頑張りを受け継ぎ、積み重ねていくうえでも、豊かな環境がないと継続できないと思っています。しかしながら、わかりやすいファッションにするのではなく、本質を捉えてスタイルとして確立していくことが大事です。FSCの森も、単に国際認証というネームバリューをもって豊かな森です、と言うのではなく、学者が植生調査をして、客観的・科学的に豊かな森です、と言うことが大事だと考えています。南三陸は、持続可能な養殖業(ASC認証取得)やラムサール条約湿地の登録等、林業以外にもポテンシャルがあります。南三陸大学や南三陸学会をつくり、客観的・科学的に物事を捉えて、社会実装を評価して、それを社会システムにつなげていくことが、まちの土台、南三陸スタイルになると考えています。
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豊かな森とは?

プロフィール

画像7-1.jpg佐藤 太一(さとう たいいち)氏
株式会社佐久 専務取締役/合同会社MMR 代表社員
1984年生まれ。理学博士。大学院で宇宙放射線の強度変動を研究していたが、震災後、家業を継ぐために帰郷。2015年10月には林業団体「南三陸森林管理協議会」で宮城県初の国際森林認証(FSC®)を取得。「南三陸バイオマス産業都市構想」の実現に向けて地元・南三陸の様々な業種が繋がって生まれた合同会社MMRの中心を担う。

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