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PCBとはなんですか?

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PCBはポリ塩化ビフェニル(Polychlorinated biphenyl)の略称で、水に溶けず絶縁性が高く、化学的に安定している合成化合物です。2010年6月に最初の無害化処理施設の認定がされて以来、微量PCBを含む廃棄物処理が注目されてきています。

そこで、今回はPCBの基本情報や関連法についてご紹介します。

PCB廃棄物の歴史

1954年に国内製造を開始して以来、多くの用途で使用されましたが、1968年の「カネミ油症事件」で母乳を通じて皮膚が黒くなった「黒い赤ちゃん」により、PCBの問題が大きく取り上げられました。

その4年後の1972年行政指導により製造中止・回収等の指示が出されましたが、約30年間、民間事業による処理施設立地が39箇所で検討された結果、全てうまくいかず、「39戦39敗」と呼ばれるような状況になっていました。

世界的にも2001年ストックホルム条約(PoPs条約)の締結で、2025年までの使用の廃絶、2028年までにPCB廃棄物の処理を求められた結果、ついに2001年、日本でも「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」(以下、PCB廃棄物特別措置法)が制定され、処理施設の整備が始まりました。2009年までに高圧トランス・コンデンサの処理が全国5箇所の指定されたエリアで操業を開始しています。

PCBの有害性・特徴

  • 分解されにくく、生物の体内で濃縮されやすい。
  • 揮発して大気経由での移動がある。
  • 急性の毒性はないが、体内に蓄積されることにより、まぶたの膨張、塩素ニキビなどの症状が報告されている。

PCBの主な用途

  1. 絶縁油(トランス用/コンデンサ用)
    配電用柱上トランス、家電用コンデンサ(テレビ、エアコン、電子レンジ)
  2. 熱媒体(加熱と冷却)
    化学工業、食品工業などの工場での加熱と冷却用の熱媒体
  3. 潤滑油
    油圧オイル、切削油、真空ポンプ油
  4. 可塑剤(絶縁用、難燃性、その他)
    電線の被膜・絶縁テープ、ポリエステル樹脂
  5. 感圧複写機/塗料・印刷インキ
    難燃性塗料、耐薬品性塗料、印刷インキ

※PCBは1972年に当時の通産省より行政指導で製造中止、回収の指示が出されています。 ※それぞれ機器などにPCBが使用されているかは型式・製造年月日をもとに各メーカーに確認が必要です。

PCB廃棄物の種類

  1. 高圧トランス・コンデンサ等
    絶縁油としてPCBを使用した電気機器(PCB濃度60%~100%)
  2. 安定器等・汚染物
    安定器等 : 蛍光灯安定器、及びこれらの同程度小型の電気機器
    汚染物 : 感圧複写紙、汚泥、PCBに汚染されている鉄くず、廃プラ、木くず など
  3. 微量PCB汚染廃電気機器等
    PCBを絶縁油として使用していないが、絶縁油が微量のPCBによって汚染されたもの(微量PCB汚染絶縁油)(数ppm~数十ppm程度のオーダー)
    微量PCB汚染絶縁油が塗布されていたり、付着、封入されたもの。(トランス、コンデンサが多い)

PCB廃棄物特別措置法

PCB廃棄物特別措置法の主な規定としては、

  • 事業者は、2016年までに、すべてのPCB廃棄物を自ら処分するか、または他人に処分を委託しなければならない(第10条)
  • PCB廃棄物を保管する事業者は、PCB廃棄物の保管および処分の状況を、毎年度6月30日までに、都道府県知事などに届け出なければならない(第8条)
  • PCB廃棄物は、原則として、譲り渡し、または譲り受けてはならない(第11条)

等が定められています。

関連情報

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