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産業廃棄物の種類(品目)の判断に迷う場合はどうしたらいいですか?

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廃棄物処理法施行令第2条や、【廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について】昭和46年10月25日環整45号の別紙に照らし合わせて判断しましょう。また、種類分けを判断した理由がわかるように記録を残しておくとよいでしょう。

種類(品目)の判断の難しさ

粉末状の薬品は何に該当するのか(20種類のどれにも該当しない)、泥状の食品残さは汚泥なのか動植物性残渣なのか、さらには、金属・ガラス・プラスチックの複合物を「金属・ガラス」の複合物とするのか「金属・ガラス・プラスチック」の複合物と考えるか等、種類(品目)の判断にお悩みのご担当者は多いのではないでしょうか。

産業廃棄物の種類は、

  • 排出工程で判断するもの(燃え殻、ばいじん、がれき)、
  • 内容で判断するもの(金属くず、廃プラスチック類、木くず、紙くず等)
  • 性状で判断するもの(汚泥)

のように、判断基準の軸がバラバラです。当然、漏れや重複する部分があります。これが、多くの現場で種類の判別に当惑する原因です。

悩んだ場合の対応方法

廃棄物の種類分けを判断する場合は、廃棄物処理法施行令第2条や、【廃棄物の処理及び清掃に関する法律の運用に伴う留意事項について】昭和46年10月25日環整45号の別紙が参考となります。これに照らして、明らかに間違っているという判断は避けなければなりません。

一方、どちらとも言えないという場合は、処理業者や他の工場の意見を聞いて業界で慣習的に行われている運用を採用したり、管轄の自治体に相談するという方法があります。もしこの方法で判断している場合は、相談内容を記録しておいた方がよいでしょう。

「何となくそう思った」「処理業者が言っていた」「処理業者が持っている許可内容にあわせたかった」等の理由で間違った判断をしている可能性があるからです。もし、その廃棄物が不法投棄され、廃棄物の種類の判断に間違いがあると、警察や行政から厳しく追及されることになります。実際に、今年複合廃棄物の種類(品目)の判断を誤ったために警察から家宅捜索を受けるという事例がありました。悩んだ場合にどのように判断し、記録をとっておくか。いざというときの明暗を分けるポイントと言えるでしょう。

万全な対策へ

これまでの内容をご覧になられて、普段の判断に不安を感じた方は、まず現状の廃棄物の種類の判断に問題がないか再確認することをお勧めします。環境監査では、契約書やマニフェストのチェックをするだけで、実際の廃棄物を見てどの種類に該当するかといった確認まではしていないことが多いと思います。実際、限られた時間の監査の中で全てを確認することは難しいため、普段の運用の中で全て確認できる仕組みを作ることが万全の対策と言えるでしょう。

例えば、すべての廃棄物について、写真、排出工程、内容物を詳細に記録し、そこに廃棄物の種類や処理・リサイクル方法を記載する方法があります。ここに種類分けの判断理由も記載しておくと、警察・行政・マスコミからの問い合わせにも落ち着いて説明ができますし、適切な説明ができればそれ以上の追及はされないで済むはずです。

これを監査でチェックするだけでなく全社的に共有し、本社等が定期的に確認するようにしておくとよいでしょう。

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執筆者プロフィール(執筆時点)
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堀口 昌澄 (ほりぐち まさずみ)
アミタ株式会社 環境戦略支援グループ
東日本チーム 主席コンサルタント(行政書士)



産業廃棄物のリサイクル提案営業などを経て、現在は廃棄物リスク診断・廃棄物マネジメントシステム構築支援、廃棄物関連のコンサルタント、研修講師として活躍中。セミナーは年間70回以上実施し、参加者は延べ2万人を超える。 環境専門誌「日経エコロジー」に2007年6月から2014年6月までの7年間記事を連載。環境新聞その他記事を多数執筆。個人ブログ・メルマガ「議論de廃棄物」も好評を博している。2014年より現職。日本能率協会登録講師。

<著書>
 「改訂版 かゆいところに手が届く 廃棄物処理法 虎の巻」 日経BP社
 「廃棄物処理法のあるべき姿を考える」 環境新聞社

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