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COP25の概要と開催結果は?

Photo by Vladislav Klapin on Unsplash

12月2日から15日まで、スペインのマドリードにてCOP25(国連気候変動枠組条約締約国会議)が開催されました。会期は当初の予定より、2日延長して行われました。この会議においては、温室効果ガスの削減目標引き上げや、2020年から始まるパリ協定の実施に向けたルールについて話し合いが行われました。本記事では、COP25の開催概要について解説いたします。

COP25の争点と結果

本会合の主要な争点は大きく2つに分けられます。

▼COP25の概要

争点 結果
市場メカニズムについて

※他国での取り組みによって生まれた温室効果ガスの削減分を、自分の国の削減分として計上する際の市場メカニズムのルール
① 二重計上の防止について 一部の新興途上国から反対の声があがり、合意を得られず。
② 2019年以前の排出権(クレジット)の活用について 2019年以前に認められた排出権の使用を求める一部の新興途上国と先進国を含む大部分の締約国の間で主張の対立が続き、合意を得られず。
温室効果ガスの削減・抑制目標の引き上げ 温室効果ガス削減の必要性について合意を得たが、具体的な削減目標の合意に至らず。温室効果ガスの目標引き上げに関しては、これまでの目標よりも前進することを前提に、「可能な限り高い野心を反映するように強く要請する」といったCOP25の成果文書の発表に留まった。

出典:各種報道資料からアミタ(株)作成

市場メカニズムに関する合意

<争点>
パリ協定に関しては、2015年に採択されて以来、これまで世界のあらゆる国が会議に参加し、実施ルールの交渉を行ってきました。例えば、2018年にポーランドで開催されたCOP24では、先進国と途上国を含むすべての国を対象とした統一ルールが採択されました。しかし、外国で削減した排出量を自国の削減目標に計上する仕組みである「市場メカニズム」の実施ルールについては、合意を得ることができませんでした。そのため、今回のCOP25においては、市場メカニズムに関する合意が焦点の一つとなっていました。

<結果>
市場メカニズムの導入を巡っては、ブラジルや中国、インドなどの新興途上国と先進国等の間で意見が対立しました。その結果、合意には至らず、詳細なルール作成に関しては2020年のCOP26において引き続き協議されることとなりました。

  1. 二重計上の防止について
    市場メカニズムでは、他国の排出削減を支援した国は、その貢献によって削減できた分を自国の排出分から差し引くことが認められています。しかし、二重に計上することを避けるため、支援を受けた国はその削減分を自国の実績として削減することはできません。ブラジルなど、一部の新興途上国は、支援を受けた削減分も実績として認めるよう主張し、他国との対立を深めており、議論は来年のCOP26へ持ち越しとなりました。
  2. 2019年以前の排出権(クレジット)の活用について
    「2019年以前に認められた排出権を、2020年から始まるパリ協定の下においても使用したい」という要求がブラジルや中国、インド等からありましたが、先進国を含む大部分の締約国は2019年以前の排出権をパリ協定下においても使用することに反対しました。その背景には、パリ協定において各国が約束した温室効果ガスの削減量の合計は、現時点でもその削減量は十分でなく、今後一層の削減目標の引き上げが求められている点が挙げられます。
各国の温室効果ガス削減目標の引き上げに関する合意

<争点>
温室効果ガスの削減目標については、各国の目標の引き上げが求められています。
2015年に採択されたパリ協定では、各国が5年ごとに温室効果ガスの削減目標(NDC)を提出・更新し、見直しに当たっては、その目標は、従前の目標からより高い目標へと引き上げていくことが規定されていました。そのため、発効から5年を経た2020年には、現在提出している削減目標を引き上げていくことが求められています。加えて、2019年11月にUNEP(国連環境計画)が提出したEmissions Gap Report(排出ギャップ報告書 2019)報告書によると、パリ協定に基づき各国が提出した削減目標をすべて実施したとしても、3.2度の気温上昇を回避することはできないと言われていること、気温上昇を1.5℃に抑えるためには、今後10年間で、現在の5倍以上の温室効果ガスの削減が必要だということが言われています。これを受けて、各国は温室効果ガスの排出削減目標の引き上げを見直す必要が出てきました。

<結果>
温室効果ガスの削減・抑制目標の引き上げについては、その引き上げを各国に義務づけるまでには至りませんでした。各国は温暖化ガスの削減目標を引き上げることで合意しましたが、上積み幅は各国の判断に委ねられており、実効性が問われています。報道資料から各国の反応は以下の通りです。

国・地域

主張
欧州連合(EU)や島しょ国 目標の引き上げを強く促すなど対策に前向き
オーストラリア 石炭産業などの保護を理由に反対
中国、インド これまで多くの温室効果ガスを排出してきた先進国が責任を持ち、優先的に取り組みを強化していくべきと主張
アメリカ 削減目標引き上げに慎重姿勢。パリ協定からの離脱を正式に通告

出典:報道発表資料よりアミタ(株)作成

COP25における日本の動き
  • フルオロカーボンのイニシアティブ設立を宣言
    日本は、COP25において、フルオロカーボン(フロン)のライフサイクルマネジメントに関するイニシアティブの設立を宣言しました。フロンに関しては、エアコンや冷蔵庫の冷媒として1990年代から世界で広く使われていますが、機器の回収時や解体時にガスが大気中に漏れ出る事態が多くあります。例えば、HFC(ハイドロフルオロカーボン)は、二酸化炭素の数百倍から数万倍も温室効果があると言われています。そこで、このイニシアティブは、各国との間で機器の回収時や解体時におけるフロンの回収技術について情報交換を進めることや、その対策を促すことを目的としています。 本イニシアティブに対しては、フランス・チリ・モルディブなどの11の国と、アジア開発銀行(ADB)・短期寿命気候汚染物質削減のための気候と大気浄化のコアリション(CCAC)など国内外の10の企業と団体が支持を表明したとのことです。
    日本はフロン回収率に関して、2020年までに50%、2030年までに70%に引き上げることを目標にしています。
  • 化石賞を受賞
    世界中の環境NGOから構成される「気候行動ネットワーク」は、気候変動に関する交渉で最も消極的な国の政府に対して、不名誉な「本日の化石賞(Fossil of the Day Award)」を送っています。日本はこれまでにも、同賞を受賞してきましたが、COP25の開催期間においても、温室効果ガスの排出削減目標引き上げについて言及しなかったことや、それに伴う脱炭素などの意欲的な姿勢を示さなかったことを理由に再び化石賞を受賞しています。
    現時点の報道によれば日本は削減目標の引き上げについても、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロについても、国際的な約束をしていません。
2020年、パリ協定実施に向けてた準備

気候変動の話題は国際的な場でも議論が進められています。今回のCOP25では国際的な合意を得られないという結果となりましたが、世界の国々は温室効果ガス排出量削減に舵を切っています。COP25の議長であるチリのシュミット環境大臣は、温室効果ガスの削減目標を2020年中に引き上げることを表明している国および、既に目標引き上げの手続きを進めている国の数は、2019年9月の70カ国から、2019年12月には84カ国に増えたと発表しています。同様に、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明した国は、2019年9月では65カ国でしたが2019年12月では73カ国に増えたとのことです。

2019年9月 2019年12月
温室効果ガスの削減目標を2020年中に引き上げることを表明している国および既に目標引き上げの手続きを進めている国 70カ国 84カ国
2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすると表明した国 65カ国 73カ国

出典:報道資料よりアミタ(株)作成

改めて、自社の気候変動対策について、見直しましょう。

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アミタの支援サービス「The Sustainable Stage」では、廃棄物管理を始め、脱炭素にかかる施策(CDP質問書への回答、SBT、RE100への取組み・実践体制の構築、支援など)、SDGs、生物多様性、バイオマス発電など企業の持続可能性を環境面から支えるための支援を行っています。

執筆者プロフィール(執筆時点)

野田 英恵(のだ はなえ)
アミタ株式会社
サステナビリティ・デザイングループ デザインチーム

京都出身。立命館大学国際関係学部を卒業後、アミタに入社。
大学時代は、貧困問題に関心を持ち、ミャンマーやフィリピンにてソーシャルビジネスに関わった。貧困問題に限らず、社会的な構造が生み出す課題全体を見つめつつ、持続可能な社会の実現にむけて奮闘中。

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