GX(グリーントランスフォーメーション)の定義と企業の取り組み事例を解説! | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載!

環境戦略・お役立ちサイト おしえて!アミタさん
「おしえて!アミタさん」は、未来のサステナビリティ経営・まちづくりに役立つ情報ポータルサイトです。
CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!
  • トップページ
  • CSR・環境戦略 Q&A
  • セミナー
  • コラム
  • 担当者の声

Q&A

GX(グリーントランスフォーメーション)の定義と企業の取り組み事例を解説!

Photo by Lukasz Szmigiel on Unsplash

2050年カーボンニュートラル実現に向けて、GX(グリーントランスフォーメーション)を促進することが求められています。
今回はGXの定義や必要性、また企業の取り組み事例を紹介します。

目次

GX(グリーントランスフォーメーション)とは

GX(グリーントランスフォーメーション)とは、カーボンニュートラル実現のための取り組みを成長の機会と捉え、温室効果ガスの排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて経済社会システム全体を変革することです。

2021年、日本は「2050年カーボンニュートラル」に向け、2030年度において温室効果ガスを2013年度比から46%削減することを目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦することを発表しています。また同年に企業がカーボンニュートラルへの取り組みを好機と捉え前向きに挑戦しやすい環境を作るために、予算や税制、金融、規制改革などを総動員する施策「グリーン成長戦略」も発表しました。2022年には持続的な成長実現を目指す企業群が、同様の取り組みを行う官・学と共にGXを協働する場「GXリーグ」を設立するなど、昨今カーボンニュートラル実現に向けて実践的な動きが目立っています。

なぜGXが必要なのか

では、なぜ企業はGXに取り組む必要があるのでしょうか。その理由は、経営の持続性を高める手段の1つにGXがあるからでしょう。ESG投資の市場拡大や国境炭素税の導入など、カーボンニュートラル実現に向けた国内外の政府・民間企業等の動きは加速しています。日本では、2022年4月からプライム市場の上場企業に対して、二酸化炭素排出量などの気候変動関連情報の開示が義務付けられました。このような要請に対応するにあたって重要なことは、ステークホルダーから何を問われているのか理解することです。ステークホルダーが企業に共通して求める点は、ビジネスの継続性を長期的に担保してほしいということでしょう。持続性の高い事業経営とは、将来にわたって利益、雇用を継続して生み出すことができる経営を指します。その実現には、環境制約をはじめとする不確実な変化への備えが必要であり、環境制約への取り組みをコストとして捉えるのではなく、ビジネスチャンスとして取り組むことが大切です。

持続可能な企業の条件

sustainability2.png

出典:アミタ株式会社

企業のGX取り組み事例

つぎに、企業が取り組んでいるGX事例を2つ紹介します。
Appleは、2030年までにサプライチェーン全てにおいてカーボンニュートラルを達成するための方法として、製造サプライチェーン全体の100%再生可能電力への移行に取り組んでいます。2022年4月のプレスリリースでは、サプライヤーのクリーン電力使用量が2021年の1年間で2倍以上となり、1,390万トンの二酸化炭素排出が削減されたと発表しています。Appleと取引のある日本のサプライヤーに関しては、昨年キオクシアやシャープなど、新たに20社のサプライヤーがクリーンエネルギーへの取り組みを表明しています。国の目標よりも前倒しでカーボンニュートラルを達成すること、また取引のある会社も巻き込み実行することはGXに貢献している例と言えるでしょう。

2つ目の事例は、博報堂と三井物産共同によって開発されたプラットフォーム「Earth hacks」です。Earth hacksとは、生活者一人ひとりのアクションで脱炭素社会を推進するために、両社が実証実験として提供しているプラットフォームです。日本が発表している2030年までの温室効果ガス削減目標達成には、産業や運輸部門など以外に家庭部門での排出を66%削減する必要があり、生活者の暮らしの中での脱炭素行動をいかに促進できるかが重要となっています。 Earth hacksが開発された背景には、企業単位で温室効果ガスの削減量を報告することが主流な一方で、日本では生活者が普段、手に取る商品単位での削減量の可視化が進んでいないことにあります。Earth hacksの理念に共感するアパレルブランドや食品メーカーなど計16社が参画しており、2022年より参画企業の製品一つ一つの製造過程におけるCO2e排出量が一目でわかるようにInstagramやWebサイトで公開を始めました。実際に2022年2月時点では、Earth hacks上で商品を購入したことにより、24.11kgCO2eが削減されました。

最後に

今後企業がカーボンニュートラル実現に取り組むことは当たり前となり、どのように達成するかが重要となります。製品を作って廃棄するリニア型の事業モデルから資源が循環するサーキュラー型の事業モデルへ転換するなど、ビジネスモデルの変革も必要です。また、同じように持続可能な社会の実現を志す企業や市民を巻き込んで共創することで、GXを加速させることができるでしょう。

Cyanoプロジェクト

アミタでは企業の持続性を高めながら新しい事業の創出を支援するプロジェクト「Cyano Project(シアノプロジェクト)」を提供しています。

特設サイトはこちら:https://www.cyano-amita.com/

2022_cyano.pngのサムネイル画像

執筆者プロフィール

田中 千智(たなか ちさと)
アミタ株式会社
社会デザイングループ カスタマーリレーションチーム

このページの上部へ