情報産業の一員として環境への取り組みをいかに一般の方へ伝えていくかが私たちの責任です | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

環境戦略・お役立ちサイト おしえて!アミタさん
「おしえて!アミタさん」は、未来のサステナビリティ経営・まちづくりに役立つ情報ポータルサイトです。
CSR・環境戦略の情報を情報をお届け!
  • トップページ
  • CSR・環境戦略 Q&A
  • セミナー
  • コラム
  • 担当者の声

インタビュー

株式会社新藤 取締役 赤井 隆男 氏 / 営業部業務課 荻野 幸夫 氏情報産業の一員として環境への取り組みをいかに一般の方へ伝えていくかが私たちの責任です

墨田区で80年以上印刷業を行っている株式会社新藤は、企業の経営方針に「環境」を大きく掲げています。「企業としての責任を果たすために環境は必要不可欠」という株式会社新藤の担当者にFSC COC認証取得までの道程を伺いました。

本社ビルの移転と同時にFSC COC認証取得へ動き出す
shindo2.jpg

2003年に現在の本社ビルを建設することになりました。その時に当時の社長(現・会長)が「これからは環境を企業活動の柱に据えなければ、企業としての責任を果たすことはできない」と大号令を発したのです。

その考えを受け、ビル自体も環境に配慮した形で建設しましたし、同時に印刷技術にも環境を意識した取り組みを導入することになりました。それで「水なし印刷」を導入するなど、環境への取り組みを積極的に行うようになったのです。

そういった流れの中で、クライアントからFSC COC認証を印刷物に使いたいから取得してほしいというオファーがありました。当時は、印刷会社だけではなく社会全体として環境への意識が高まっていましたし、当社としてもFSC COC認証には興味があったので取得に向けて動き始めました。それ以前にISO9001は取得しており、その時に担当していた私たちがFSC認証についても担当することになりました。

環境への取り組みが社内の経営、品質、5Sの向上につながる

同じ環境に対する認証でも、ISO9001とは全く違った苦労がありましたね。FSC COC認証にはさまざまなマニュアルが必要なため、チェックリストを作成し、それに則ってマニュアル作成を進めるという作業でした。丸々2カ月間くらいはマニュアル作りに費やしたように覚えています。無事に認証を取得したのが2004年の5月。FSC COC認証が始まって5年目ということでしたので、印刷業界ではかなり早い時期に取得したのではないでしょうか。

認証を取得したメリットは非常に大きかったですね。今まで取引のなかった会社から「環境報告書」を印刷してほしいとか「事業報告書」を印刷してほしいという依頼が入るようになり、受注拡大につながりました。しかしそれ以上に大きかったのが社内全体に環境に対する意識が高まったことです。

実は、当社が環境への取り組みを始めて以来、機械を整備された状態で使い続けようということで、月に一度は印刷機械を止めてメンテナンスをするようにしたのです。正直これで生産効率は落ちるだろうと思っていたのですが、結果社員が機械に詳しくもなり、ミスも減ったことにより生産効率が最大で20%もアップしたのです。環境マネジメントというものは、単なる環境への取り組みにとどまらず、品質や経営、さらに社員の意識向上にもつながるものだということを実感しましたね。

クライアントの環境へのメッセージを一般の方々へいかに伝えていくか
shindo3.jpg

印刷業というのは、従来は環境に対して優しくない業界だったのです。その分だけ、今後は環境への取り組みをしっかりと行っている会社が残っていくと私たちは考えています。印刷会社が使用する紙はCO2問題とも切り離せない関係ですよね。だからこそ、印刷業界全体で環境への取り組みを強化していく必要があるのではないでしょうか。

FSC COC認証に対しても、まだまだ一般ユーザの方の認知度は低いと感じます。いくら私たちがロゴマークをつけても、それを手にする人がそのマークの意味を知らないと意味がありません。地道な活動を続けて認知を広める活動を続けていきたいですね。印刷会社は情報産業です。クライアントの環境に対するメッセージをいかに一般の方に伝えていくか。それが、これからの私たちに課せられた使命だと考えています。

話し手プロフィール
shindo_prof.jpg

赤井 隆男 氏 
株式会社新藤 取締役
荻野 幸夫 氏 
株式会社新藤 
営業部業務課

1931年創業。
東京都墨田区の印刷会社。前身となる新藤画版所では、主に写真製版を行っていた。現在も写真の色調再現技術には定評がある。2004年に新本社ビルを墨田区両国に建設。同時にFSC COC認証を取得。

セミナー情報
このページの上部へ