西部サービス|国内、廃プラスチック類の現状と、排出事業者にできる取り組みとは? | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

西部サービス株式会社 営業部 古賀 朋孝氏 村山 駿平氏 宮野 剛志氏西部サービス|国内、廃プラスチック類の現状と、排出事業者にできる取り組みとは?

中国の廃プラスチック類の輸入禁止を受けて、日本のリサイクル市場では今、何が起こっているのでしょうか。今回は、関西を拠点に、長年廃プラスチック類のリサイクルに取り組んできた西部サービス株式会社の古賀氏、村山氏、宮野氏にお話を伺いました。

(左から、西部サービス(株)村山氏、宮野氏、古賀氏、アミタ石田)

西部サービス株式会社...1995年設立。2004年には、RPF燃料化事業開始を開始し、廃プラスチック類をはじめとした、産業廃棄物のリサイクルに貢献。

RPF...Refuse derived paper and plastics densified Fuel の略称。古紙及び廃プラスチック類を主原料とした固形燃料で、石炭やコークス等、化石燃料の代替として、大手製紙会社、鉄鋼会社、石灰会社などで利用される。

一般的なRPFの処理フロー

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図:アミタ株式会社作成 (クリックすると大きくなります)

受入制限と処理単価の上昇...飽和するリサイクル市場

180822_seibu-recycle_002.jpg石田:2017年末の中国による廃プラスチック類の輸入禁止によって、どのような影響がありましたか?

村山氏:海外に輸出ができなくなった分が、一気に国内のリサイクル市場に押し寄せていますね。実際には、12月以降でなく、中国による輸入禁止の報道がなされた2017年6月・7月時点から、各処理会社への依頼が急増しており、現在は、多くの処理会社が受入制限を行っています。

(写真:神戸工場で製造されたRPF)

古賀氏:2017年の秋頃から、弊社ではRPF月間製造量を平均より1,000t増やして対応していました。しかし、RPFを利用する製紙会社や鉄鋼会社の需要は変わりませんので、在庫過多のため、現在はご依頼のお断りや減量をお願いしています。各社同じような状況です。

石田:なるほど。処理委託料の変動はいかがでしょうか。

古賀氏:RPFの処理委託料はkgあたり15円前後が相場でした。現在はkgあたり20円~25円が相場になっています。これは関西の場合です。関東ではより高騰しており、25円~30円になっているようです。

▼処理委託料金の推移

2017年7月 Kgあたり15円前後
2018年7月 Kgあたり20~30円程度

(西部サービス株式会社より)

宮野氏:RPFをはじめ廃プラスチック類を活用したリサイクル原料が、飽和していますので、製紙会社などのユーザー企業は品質の良い品を安価に手に入れることができる状態です。特に質の悪い廃プラスチック類の処理の際に、弊社をはじめとしたリサイクル会社がユーザー企業に支払う処理委託料が高くなっており、結果として排出事業者の処理委託料も高くなっています。

排出事業者にできる取り組みは?...

石田:今後、排出事業者側にできる取り組みはありますか?

村山氏:2点あると思います。「分別の徹底」と、「自社処理の検討」です。

まず、「分別の徹底」ですが、一口にプラスチックと言っても、PP(ポリプロピレン)とPE(ポリエチレン)など様々な素材があり、それぞれ取り扱いが異なります。これらをしっかり分別できれば、リサイクル原料も製造しやすくなりますので、受入の可能性は高まります。

180822_seibu-recycle_003.jpg宮野氏:もう1点は「自社処理の検討」です。投資は必要ですが、運搬にかかるコストやCO2排出量を削減できます。ある食品製造の会社様では、洗浄、乾燥、成形などの設備と専用ボイラーを導入されており、自社で排出した廃プラスチック類を、所内でエネルギーに転換されています。

弊社は、長年RPF事業に取り組んでいますので、今後、自社処理についても、知見を活かしたご支援をできればと思います。

石田:リサイクル事業を展開する身としては、リサイクル市場が飽和する中、埋め立てや焼却処理の増加が心配されますが、そのあたりはいかがでしょうか。

古賀氏:埋め立てや焼却を選択せざる得ない会社様もいらっしゃると思います。今後は廃プラスチック類の排出自体を減らす取り組みが必要だと思います。

宮野氏:処理委託料が何円、何t受け入れるというやり取りではなく、排出事業者とリサイクル会社、ユーザー企業が、「資源循環を促進するために、どのような取り組みができるか」、「お互いの知見を活かしてどのような協力ができるか」という視点で取り組むことができればと思います。

石田:本日はありがとうございました。

180822_seibu-recycle_004.jpg(神戸工場 プラント内の様子)

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(神戸工場 分析室の様子)

今回のポイント

  • 素材ごとに分別できるか、徹底した見直しを行うこと。
  • 他社委託が難しい場合は、自社内での循環利用を検討すること。

話し手プロフィール(執筆時点)

seibu-recycle_mr_koga.jpg西部サービス株式会社
営業部 第1課 課長代理 

古賀 朋孝(こが ともたか)氏

seibu-recycle_mr_murayama.jpg西部サービス株式会社
営業部 第2課 課長代理

村山 駿平(むらやま しゅんぺい)氏

seibu-recycle_mr_miyano.jpg西部サービス株式会社
営業部 第1課 主任

宮野 剛志(みやの たかし)氏

聞き手プロフィール(執筆時点)

080822_amita_ishida.jpgアミタホールディングス株式会社
経営戦略グループ 共感資本チーム
石田 みずき(いしだ みずき)

滋賀県立大学環境科学部を卒業後、アミタに入社。メールマガジンの発信、ウェブサイトの運営など、お役立ち情報の発信を担当。おしえて!アミタさんへの情熱は人一倍熱い。

アミタは、廃棄物・副産物の肥料化に関して、有価物化・リサイクルに関する実績があります

弊社では肥料の副資材としてリン酸や尿素の肥料メーカーへの販売実績や、下水汚泥や食品工場の製品廃棄などのリサイクル提案の実績がございます。お気軽にご相談ください。

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