EV導入(社用車・充電器設置)へ、脱炭素を目指す企業のメリットとは? | 企業のサステナビリティ経営・自治体の町づくりに役立つ情報が満載

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インタビュー

EV導入(社用車・充電器設置)へ、脱炭素を目指す企業のメリットとは?

原油価格の高騰やカーボンニュートラル実現に向けた地球温暖化対策の一環として、企業における電気自動車(以下、EV)の導入や充電器の設置が急速に進んでいます。企業がどのようにEVを活用できるのか。EV充電器のマーケット情報にも詳しいENECHANGE株式会社の田中氏、熊谷氏にお話を伺いました。(写真右から:田中氏、熊谷氏)

目次

EV普及率の現状、日本のEV・PHV新車販売比率は過去最高を記録

アミタ:原油価格高騰をはじめとするエネルギー課題や脱炭素におけるScope2の排出量削減要請を受けて、社用車や営業車のEV化を検討する企業も増えつつあります。実際は日本国内でどのくらいの普及率があるのでしょうか。

ENECHANGE:実は2022年は国内のEVシフト元年とも言われています。国内でもEVの新車登録台数が伸びてきていまして、2022年6月にはEV・PHVの新車販売は7,000台弱となり、新車販売におけるEV・PHVの比率が3.9%と過去最大となりました(軽自動車を除く)。2020年4月の比率が0.7%でしたから、この2年間を見ても一気に跳ね上がっていますね。

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図:EV・PHV 新車販売比率の変動

ENECHANGE:まだまだ全体の割合では少ないと思われる数字ですが、日本政府は2035年まで乗用車新車販売における電動車の比率を100%にする目標を掲げており、充電インフラも2030年までに15万基設置(うち、普通充電が12万基)するとしています。また、海外に目を向けますとヨーロッパは軒並み10%以上を超えてきておりまして、最先進国のノルウェーは政府の普及推進策や環境意識の高さもあって、最新の新車登録台数データでは83%がEVもしくはPHVです。街中の車が電動という様相ですね。

なぜ、EVシフトが進んでいるのか?

アミタ:なるほど、国内でも普及しそうですね。一つ気になるのが、何故2022年の今、ここまで伸びてきているんでしょうか。これまでも国内で車の販売は行われていますよね。

ENECHANGE:理由としては、これまでEV車が普及しなかった3大障壁「車種が少ないこと」「価格が高いこと」「利便性への疑問視(航続距離と充電スポット不足への懸念)」が近年、大きく解消されていることが挙げられます。

▼EV車をめぐる環境の変化

  • 少ない車種

各社のラインナップの拡充

  • 高い価格

補助金増額、税制優遇や価格の安い軽EVの登場

  • 電欠への不安

バッテリー性能の向上による航続距離の延長、政府の充電器設置推進に関する発表、充電器設置の普及

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図:2022年の主な動きと車別の補助額例

ENECHANGE:中でも、低価格帯の車種が増えたことは大きいと思います。海外・国内のEV開発は活発化していまして、次々と新しい車種が発表されていますので、ユーザーの選択肢が増えることになり、より多くの層に利用されるきっかけとなっていますね。ガソリン価格も高騰していますので、コスト面で変更したいというニーズも出てきています。

企業のEVに関する取り組み内容は?導入の効果とメリットは?

アミタ:企業でもカーボンニュートラルの達成に向けて、社用車や営業車のEVシフトを行う企業や検討している企業が増えていると思いますが、具体的に企業の動向はどのようなものでしょうか。

ENECHANGE:プライム市場上場会社に気候変動によるリスク情報の開示が、実質的に義務付けられましたので、EV車の導入が、わかりやすく効果の大きい気候変動対策として注目されています。カーボンニュートラルの主要施策の一つとして、ヤマトホールディングスやリコージャパンなどが、2030年までにすべての車両をEVにシフトするという発表をしています。また、社用車のEV化だけでなく、最近は通勤時に利用する車両のEV化も進める企業が増えています。例を挙げますと、2022年4月に大和ハウス工業が従業員のEV導入への手当の新設を発表しています。

アミタ:なるほど、EVシフトというと、GHGプロトコルのScope2の削減のイメージがありましたが、通勤時のCO2排出を抑えることで、Scope3のカテゴリ7の削減にもつながるのですね。

ENECHANGE:その通りです。また、弊社では、昨年2021年から法人向けのEV充電器の設置の支援事業を行っているのですが、自社敷地内への充電設備の整備を行いたいというお問い合わせもいただいています。この充電設備設置の動きには、社内向けの整備とEV車利用の普及が増えたことによる社外向け(顧客向け)の整備の動きがあります。外部向けを検討されるのは、スーパーなど小売り業界、レジャー施設関連、ホテルなどの宿泊関連、マンションを運営する不動産業界などです。

▼企業のEVを取り巻く3つの取り組み

取り組み 期待される効果
社用車・営業車のEVシフト

CO2排出量の削減(Scope2)
ランニングコストの低減

通勤用の従業員の自家用車のEVシフト CO2排出量の削減(Scope3カテゴリ7)
敷地内への充電器の整備 <社内向け>
社用車・営業車・従業員自家用車の給電によるコスト削減(従業員への福利厚生)
災害時の非常電源としての活用
<社外向け>
顧客へのEVサービス提供
集客効果
充電器の設置による効果は?

アミタ:なるほど、顧客のための充電器設置を検討する動きもあるのですね。ただ、社内向けへの設置の場合、EV車の導入だけなく、充電器も整備した方がよいでしょうか。どのようなメリットがありますか。

ENECHANGE:社内に充電設備を持たず、外部の充電スタンドで充電することも可能ですが、自社敷地内に設置するメリットは下記になります。

▼自社敷地内へのEV充電器設置のメリット

  • 社用車や営業車を自社の電力契約の単価で給電できる。(外部の充電スポットより安価になる。)
  • 従業員の自家用車に対し、家庭での充電より安い充電機会を提供できる。

特に、私たちが推奨しているのは、事業者が従業員の通勤用EV向けに普通充電器を整備することです。工場等の事業所では通常、高圧電流の供給を受けているので、kWhあたりの電気料金が一般家庭より大幅に安いです。その値差をうまく利用することで従業員にとっては自宅で充電するよりも会社で充電をした場合の方が、充電にかかる料金を安くすることが可能となります。
後述する弊社サービスでは、充電器を導入する企業が自由に価格設定できるプランがあるので、福利厚生の一環として従業員にメリットを提供することができるのです。ランニングコストについても、ガソリン車と比べEV車は28%コスト削減できますので、EVという手段をしっかり社内に根付かせることで、企業においてはこれまで支払ってきたガソリン代手当てなどの費用負担を減らすことができます。

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図:企業におけるEV化のメリット

アミタ:CO2削減と共にコストカットにもつながるのですね。

ENECHANGE:はい。なお、普通充電の充電器は、本体料金と工事料金あわせて1台あたり約40万~110万円で設置できます。さらに工場で太陽光パネルなどを用いて、自家発電をされている企業様ですと、発電した電力をEV車の充電に活用することもできますし、そうでない企業であっても利用する電力をオフセットすることができ、自社のモビリティの環境負荷ゼロを目指していくことができます。また、災害時にEVを蓄電池として活用するということも可能です。現状、蓄電池の設備は非常に高価ですが、比較的安価なEV車を活用できるというメリットもあります。移動式の蓄電池として、BCP(非常時の事業継続計画)の一環でも注目されています。

充電器の種類と価格、今後の動向

アミタ:ちなみに、充電器には普通充電と急速充電がありますが、普通充電をおすすめされるのは、何故でしょうか。より短時間で充電できる急速充電の方が、便利で電欠が起こる心配も少ないように思いますが。

ENECHANGE:一つは、普通充電の方が、EVバッテリーへの負荷が小さいのでサステナブルと言えることです。また、価格面から、急速充電は大きな電気を扱う施設などの整備が追加で必要になりますので、普通充電の方が、施設整備費が圧倒的に安く、必要とする電力の契約料も安く抑えられるんです。本体価格と工事費を合わせると、先ほども普通充電器が約40万~110万円程度とお伝えしましたが、急速充電器の場合は、約450万~2,000万円になってきます。

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図:普通充電器と急速充電器の比較

アミタ:ここまで高額になると、急速充電では投資対効果の回収が難しくなりますね。

ENECHANGE:はい。先ほどお伝えしたように、スーパーやレジャー施設など外部向けに設置される場合は、利用者に高い金額を請求しないと採算が取れなくなります。また、急速充電は30分の充電が主流です。ユーザー側の目線からしても、急速充電中の30分でできることは限られていますよね。買い物中に買い物を中断して、自動車を動かしに行くでしょうか。駐車時間は急速充電が標準とする30分を上回ると考えられます。こうなってくると、急速充電が求められるのは、高速道路のSAやPAなど、短時間で充電が完了することが強く求められる場所に限られてくると思います。

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図:充電シーンと求められるEV充電設備

アミタ:基本的には普通充電の設置がおすすめということですね。社内向けも駐車時間が長いので、普通充電で問題なさそうです。

ENECHANGE:また、価格については、政府が補助金制度で後押ししています。弊社ではこの補助金制度に加えて独自の導入支援金を拠出し、普通充電の設備をゼロ円で導入可能なキャンペーンを実施しています(数量限定のサービスになります)。自社にどのような工事が必要なのかという検討から、課金アプリの提供までトータルで充電器の設置支援を行っています。

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アミタ:課金アプリや管理面もサポートいただけるのはありがたいです。特に御社のアプリだと、充電器の空き状況がわかるようなサービスが追加されているんですよね。これまでは充電スポットの場所に行ってみるまで、使用中かどうかわからないという状況でしたので、この点はかなり画期的な仕組みだと思います。

ENECHANGE:ありがとうございます。弊社ではEVが先行している海外のマーケットの中でトップシェアを誇る企業のサービスを研究し、日本のマーケットで今後求められるサービスをスピード感をもって設計しご提案しております。EVユーザーだけでなく、施設のオーナーにとって利便性高くメリットのあるサービスに仕上がっている自信があります。

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図:ENECHAGE 公式アプリ

アミタ:EVが便利でリーズナブルなものになっており、温暖化対策や生活インフラとしてのEVの可能性が急速に高まってきていることを知ることができました。本日はありがとうございました。

  • 充電器設置をご希望の方へ、お見積りとご提案を行っています。(相談無料)
    ご希望の方はこちらの相談フォームに「EV充電器設置希望」の旨をお知らせください。最適な設置のご提案を行います。
    お問い合わせフォーム:https://amita.web-tools.biz/inquiry-sustainable/
    ※EV充電設備のゼロ円での設置キャンペーンも実施しています。(キャンペーンの対象は社外向けの設置となります。)
    ※ご相談いただいた情報はENECHANGE株式会社およびアミタ株式会社に共有されます。

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話し手プロフィール(執筆時点)

mr_tanaka.png田中 喜之(たなか よしゆき)氏
ENECHANGE株式会社
EV充電サービス担当執行役員

東京工業大学工学部卒業後、建材メーカーなどを経て日産自動車へ入社。自動車の開発実験を経験後、電気自動車の充電インフラ整備に従事。日産ブランド充電器の開発・販売プロジェクト推進、充電サービス会社2社の立ち上げを担当。2022年3月より、ENECHANGEの執行役員として入社。

mr_kumagai.jpg熊谷 太介(くまがい たいすけ)氏
ENECHANGE株式会社
EV充電サービス事業部 マネージャー

エネルギーや環境とは関係のない大手IT企業で事務機器のグローバル展開などに10年間従事。環境問題の根本解決にはエネルギー産業の変革が必要と思い立ち、2019年より中立的なスタンスを取れるENECHANGEに入社。企業の再エネ導入支援サービスを立ち上げ、日本の再エネ普及促進を目指す。

書き手プロフィール(執筆時点)

ishidasan.png石田 みずき(いしだ みずき)
アミタ株式会社 社会デザイングループ
緋チーム

環境社会学専攻後、アミタへ合流。広報・マーケティング部門を経て、企業担当者向けのサステナビリティコンサルティングを担当。

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