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コラム

土の機能と土壌汚染―汚染土は廃棄物なのか、資源なのか―土壌汚染とのオトナな付き合い方

皆さんご存知の通り土壌は、岩石が風化され、数万年、数十万年かかってできたものです。 土は、植物の生産の場であり、有機物の分解の場であり、物質循環の場です。 さらには建築物の基礎となり、工業製品の原料にもなります。

EUの土壌保護戦略指令案(一度は否決)では土壌のもつ機能を、

  1.  農業および林業を含むバイオマス生産
  2.  養分、物質および水の貯蔵、ろ過および変換
  3.  生息地、種および遺伝子などの生物多様性プール
  4.  人間および人間活動のための物理および文化的環境
  5.  原材料の供給源
  6.  炭素プール
  7.  地理および考古学的遺産の保管庫

 出展:http://lib.ruralnet.or.jp/libnews/nishio/nishio097.htm

として、これらを含めて保全をする必要性を訴えています。

しかしながら、これらの土に基準値を超える濃度の有害物質が含まれていると汚染土壌として突然腫れ物扱いされます。 もちろん、人の健康被害を防止することは最優先課題とされるべきであり、環境リスクが高い汚染は浄化されるべきです。

しかしながら、そのままにしておいても人の健康リスクや生態系リスクが低い汚染土壌の対処を考えるときには、このような土の機能を考えることも長期的に必要だと思います。 短期的な収益や局所的な最適化を図る、という視点では、どうしてもこれらの内容は無視されがちですが、「土」という資源もまた有限なものであることを忘れてはいけないと、個人的には思います。

そういう意味では、セメントの原料として再利用し清浄土の使用料を減らす、ということは究極のリサイクルといえるのかもしれません。 まぁ、市街地の土はもともと造成用の土だ、という意見もあるかもしれませんが。

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執筆者プロフィール

保高 徹生 (やすたか てつお)

京都大学大学院農学研究科 博士前期過程修了、横浜国立大学大学院 博士後期過程修了、 博士(環境学)。環境コンサルタント会社勤務、土壌汚染の調査・対策等のコンサルティング、研究を行う。平成19年度 東京都土壌汚染に係る総合支援対策検討委員会 委員。

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