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誰も教えてくれない「再委託」のカラクリ(その2) ― これって再委託?類似の行為をチェックBUNさんの「元・行政担当者が語る 廃棄物管理のイロハ」

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「再委託」について2回目の解説ですが、今回はとてもマニアックな話になります。皆さんの業務において判断に迷う「これって再委託?」という類似の行為について確認したいと思います。

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1.区間分割発注

まず結論から言うと「区間分割発注」は、再委託ではありません。区間分割発注というのは、排出者A社が、積替保管施設の甲市までは収集運搬業者Bに運搬させ、甲市から中間処分業者D社の乙市までは、収集運搬業者C社に運搬させるが、それぞれの区間毎に、A社が直接契約を締結するパターンです。

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A社とB社、A社とC社、A社とD社が直接契約を締結していれば「再委託」にはならないということです。

2.現物に手を掛けない「取り次ぎ」行為

これは、排出者A社とB社が収集運搬の契約を締結します。しかし、B社自体は産業廃棄物の収集運搬の許可を持っておらず、実際の産業廃棄物の収集運搬は許可を有しているC社に運搬させるというパターンです

他の業界ではよくある「口利き」や「仲介」と呼ばれる行為です。この「口利き」「仲介」「取り次ぎ」行為は、現物の産業廃棄物の収集運搬をやっている訳ではありませんから「無許可行為」には該当しません。しかし、過去においては、ブローカーと呼ばれる人たちが暗躍し、不適正処理に結びつく例が頻発しました。そのため、平成9年の法改正で、わざわざ「受託禁止」条項を創設した経緯があります。

法第14条第15項 産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者以外の者は、産業廃棄物の収集又は運搬を、産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者以外の者は、産業廃棄物の処分を、それぞれ受託してはならない。
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たとえば上図のパターンでは、静岡県で発生した産業廃棄物を長野県を経由して新潟県に運搬する場合、B社は新潟と長野県の許可は持っているが、静岡県の許可は持っていない。そこで、静岡と長野県の許可を持っているC社を下請として使用し、排出事業者A社とはB社が一括して契約する、というような場合も、この条項に引っかかってきてしまいます。

この事案では、静岡長野間の実際の運搬をC社にやらせようという時は、B社はC社と再委託の関係になりますが、実際にはいくら再委託の条文(第16項)ではクリアできているようでも、B社が収集運搬しない静岡県の許可についても、B社が有していない場合は、こちらの条文(第15項)違反になってしまいます。

つまり、現物に手を掛けない「取り次ぎ」行為を行う場合でも、許可業者しか収集運搬等などの行為はできず、基本は「自分(許可業者)が処理する」という形でしか排出事業者とは契約ができません。したがって、このパターンでは必ずB社、C社ともに該当する全ての県の許可を有していなければ「再委託」の形もできないとなります。これは許可のエリアだけでなく、許可の品目についても言えることです。たとえば「汚泥」しか許可を有しない許可業者は「廃プラスチック類」について再委託することはできません。(2011/09/08修正)

3.中間処理後の残渣物の処理委託

具体的には「汚泥の脱水を委託された業者が、脱水後の「脱水汚泥」を、別の焼却業者に焼却を委託する」という行為です。

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これは改めて考えてみると「産業廃棄物処分業者は、産業廃棄物の処分を、他人に委託してはならない」に抵触しますよね。 そこで登場するのが「ただし」書きの省令規定です。

(産業廃棄物収集運搬業者又は産業廃棄物処分業者が産業廃棄物の収集若しくは運搬又は処分を再委託できる場合) 省令 第十条の七  法第十四条第十四項 ただし書の規定による環境省令で定める場合は、次のとおりとする。 一  中間処理業者から委託を受けた産業廃棄物(中略・・、当該中間処理業者が行つた処分に係る中間処理産業廃棄物に限る。中略)の収集若しくは運搬又は処分(最終処分を除く。中略)を次のイからトまでに定める基準に従つて委託する場合(後略)

この条項により、前述のような中間処分業者が出す残渣物は「処分業者が処分を委託」する行為は認められているとなります。

ただ、ここで気になるのが、括弧書きの「最終処分を除く」というところです。このままだと「汚泥の脱水を委託された業者が、脱水後の「脱水汚泥」を、別の埋立業者に最終処分を委託する」という行為は認められないってことになってしまいますね。

この行為を正当化する条文は、実は廃棄物処理法の中でももっとも難解とされる、括弧書きが四重になって登場する次の条文です。ご存知の方も多いと思いますが、話の種として、全文紹介してみましょう。

法第12条第5項 事業者(中間処理業者(発生から最終処分(埋立処分、海洋投入処分(海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律に基づき定められた海洋への投入の場所及び方法に関する基準に従つて行う処分をいう。)又は再生をいう。以下同じ。)が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分する者をいう。以下同じ。)を含む。
次項及び第七項並びに次条第五項から第七項までにおいて同じ。)は、その産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を除くものとし、中間処理産業廃棄物(発生から最終処分が終了するまでの一連の処理の行程の中途において産業廃棄物を処分した後の産業廃棄物をいう。以下同じ。)を含む。次項及び第七項において同じ。)の運搬又は処分を他人に委託する場合には、その運搬については第十四条第十二項に規定する産業廃棄物収集運搬業者その他環境省令で定める者に、その処分については同項に規定する産業廃棄物処分業者その他環境省令で定める者にそれぞれ委託しなければならない。

何とも難解な表現ですが、結果だけ書けば、

「中間処理残渣物を中間処理業者が処理委託する場合は、中間処理業者は「事業者」とみなすので、事業者として委託契約してよい」

となります。

この条文や、これに対応する一般廃棄物の委託等については、グレーゾーンも多いのですが、それについてはもっとマニアックになってしまいますので、それはまた別の機会にでも。

こうした点から、稀なケースといえど、知らず知らずのうちに再委託のケースに巻き込まれてしまわないよう、原文もチェックしておくとよいでしょう。

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執筆者プロフィール

長岡 文明 (ながおか ふみあき)
株式会社アミタ持続可能経済研究所 特別顧問

山形県にて廃棄物処理法、廃棄物行政、処理業者への指導に長年携わり、行政内での研修講師も勤める。2009年3月末で山形県を早期退職し、廃棄物処理法の啓蒙活動を行う。廃棄物行政の世界ではBUNさんの愛称で親しまれ、著書多数。 元・文化環境部循環型社会推進課課長補佐(廃棄物対策担当)

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